【連載コラム】畑史進の「わしは人生最後に何をみる?」 第2回 『モンスト』の大会で驚かされた話

暑い日々が続いておりますが、いかがでしょうか?
熱中症になると医療費がうん万円かかるらしいので電気代を気にせずエアコンをガンガン付けて涼しくお過ごしくださいませ・・・(というか電気会社は夏の間は電気代を値引くくらいのキャンペーンをしなさいよ・・・)

さて、梅雨が開けて連続する猛暑日が始まった頃の7月中旬に『モンスターストライク』のイベントに仕事で行ってきたんですよ。
モンストは始まった頃にちょろっとだけ遊んでそれ以来放置しっぱなしだったわけだけど、何の因果か仕事が舞い込んで以来、再開して今でもちょくちょく遊んでいる。

わからない人に向けてどんなゲームか簡単に紹介すると、元カプコンの岡本吉起さんがプロデュースした作品で、内容はHPの設定されたおはじきバトルで、プレイヤーは相手キャラクターのHPを減らすと勝利というものすごく単純なルール。
ステージには接触したり通過したりするとダメージを受けるギミックなんかがあって、闇雲に敵に突っ込んでいけば良いというものでもない。
キャラクターは主にステージクリアか、ガチャでランダムに入手してアイテムで育てるというよくある課金ゲームのシステムと似ていて、こうしたゲームに触れている人ならなんとなくイメージが付くことだろう。
このゲームがヒットを飛ばした背景は、単純操作でありつつも従来のゲームに劣ることなく思考を巡らせる必要があったのと、ド派手な演出が楽しめたこともそうだが、通勤電車でも片手でつり革を握りつつも楽しめる「片手操作」が達成できていたので、首都圏を中心にあっという間に市場を席巻することが出来た。

近年ではガチャに左右されず、すべてのキャラクターが開放され、ステージ攻略のタイムアタックを競う『モンスターストライクスタジアム』というものもリリースされて、このゲームが日本のJeSUというeスポーツ団体の正式種目に選ばれている。
加えて現在YouTubeで3DCGアニメーションが公開されており、この監督を務めるのが『珍遊記』『地獄甲子園』の山口雄大監督、『ウルトラマンタイガ』『バイオハザード:ヴェンデッタ』の辻本貴則監督が手掛けており、バリバリにバイオハザードメンバーが携わっている事を知ると少し親近感を覚える人もでてくるかもしれない。

そんな人気コンテンツ『モンスト』の大会に実際に足を運んで驚かされたのが、リアル来場者の波!
もう流石に結構な年月が経っているから落ち着いているだろうと思ったら、どのブースも行列が出来てて、最初は行列の待ち時間を楽しめと言わんばかりの大盛況で、肝心の『モンスターストライクスタジアム』の大会も賞金が凄まじいのは言うまでもないが、副賞に痛車が貰えたりすることからまだまだこのゲームが巷で言われる“オワコン”になっていないことが伺えた。

特に驚かされたのが「モンストグッズ」の “逆オークション”。逆オークションってなんなのかというと、最高設定された金額から値段が時間とともにどんどん落ちていって、自分がこの金額でなら買いたいというときにボタンを押して購入するというシステムのオークションのことで、この日はとあるモンスト関連のアクセサリーが1000万円から用意された。
もちろん1000万円にふさわしく「61粒、合計0.97カラットのダイヤモンド」が組み込まれており、人気キャラクターの身につけているアクセサリーと同じ形をしている唯一無二の代物なので、相応の値段といえばそうだろう。

で、この逆オークションでついた値段はいくらかと言うと「981万8111円」。
正直「嘘だろ!?その値段でゲーム内のガチャ回したほうが良いんじゃね?」と思ったものだけど、ガチャで不確定なもの買うよりかマシな買い物だと考えると納得だし、それだけお金を出せるユーザーが居るということは、まだまだこのゲームに魅力が存分にあるから落札した人以外にも多くの「お金を落とすユーザー」がそれなりにいるということなのでしょう。

あと感心させられたのが、キャラクターをイメージして作られたオリジナルビールが販売されていたこと。
ゲームメーカーはオタクから如何にどれだけお金を巻き上げるかと考えた先に、人気キャラクターをあしらったグッズが制作されるわけだけど、ビールみたいな発酵物は思いつきですぐに作れる代物じゃない。
コンテンツが安定化するまでに土台を作って、そこから人気キャラクターが偶発的生まれて、イベントでの収益が見込めるまでに何年、何ヶ月もかかって、そこからアイディアが出て、酒の仕込みに入るわけだ。
大手メーカーのビールが瓶詰めに入るまでにおおよそ1ヶ月かかるというのだから、それなりに多く用意するためには製造ラインから確保しなきゃならんので、相当な確信と覚悟があってこのグッズが作られていることが分かるはず。こうした商品を見ても『モンスト』がまだまだ絶大な人気を持っているんだなぁと実感させられたわけです。

ネットで色々と「スマホゲーはオワコン」「〇〇はオワコン!」という何かとすぐに終わらせたがるコメントを目にするけど実際にその会場に足を運んでみたら、その熱狂ぶりを目の当たりにして「何処がだよ!」と認識をアップデートさせられると同時に、こうしてゲーム文化が移ろいで行くのだなぁと感じる2日間でした。

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