【クロスレビュー】『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』レビュー【執筆者:畑史進(編集長) ジャンクハンター吉田】

2019年11月15日に『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』がPS4、Xbox Oneに向けて発売された。
今回はこの発売から一ヶ月経とうとしている作品をプレイした2名のスター・ウォーズ・ファンがどの様に感じたのかというクロスレビューをお届けしよう。

 

【畑史進(エンタジャム編集長)のレビュー】

どうも、いつもエンタジャムをご覧いただきありがとうございます。

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』が発売されてからもう1月にもなるんですね。
実はこの作品、IGN JAPANさんの方でレビューさせていただきまして、詳細なお話はリンク先に飛んでいただけたらと思うのですが、再度ここでこのゲームの評価をお伝えするなら。

なんて前時代的なスター・ウォーズ・ゲームを遊んでるんだろう!

って驚かされたんですよ。

簡単に近年までのスター・ウォーズ・ゲームの流れを紹介すると、1999年にPS1で発売された『エピソード1 ファントム・メナス』まではサイドスクロールのゲキムズアクションゲームだったスター・ウォーズ・ゲームが、グラフィックの進化で実写敵になっただけでなく、努力次第でクリアできるほどに軟化した。そしてPS2の『エピソード3 シスの復讐』では、ライトセーバーアクションの進化だけでなく、フォースの使用に際してはRPGのMP制(時間とともに最大値まで回復可能)の様なルールを設けて緊迫感のあるジェダイアクションの基礎システムを作り上げたんですよ。そうして2008年の『フォースアンリーシュド』では、ハードのスペックも上がったことからフォースを文字通り意のままに操ることができるようになったのよ。操作性の良さから今でも超傑作と呼ばれるほど。

 

スター・ウォーズのアクションゲームでジェダイに求めるものは何かって言ったら「ライトセーバーをブンブン振り回して敵をなぎ倒す」ことと、「フォースを使って敵を工夫して倒す」の2点。なんでかって?「ジェダイを操作できるならフォース使いたいじゃん?」ただそれだけですよ。『フォースアンリーシュド』では皇帝の使ったフォース・ライトニングから、フォースとライトセイバーを組み合わせたコンボまで用意されたし、一部のフォースアクションはMP消費なしで行なうことができるという自由ぶりで、フォースを使って敵を倒す自由と快感をプレイヤーに与えてくれたの。

逆に「フォースに変に厳しい制約を設けるとどうなるか」って言うと、スター・ウォーズの世界観は薄れるし、ライトセイバーだけで戦う単調な無双系になっちゃう。

 

それをやらかしたのがこの『ジェダイ:フォールン・オーダー』よ!

 

『フォースアンリーシュド』という超名作が過去にあるにも関わらず出たのがコレ!

ライトセイバーでパリイできます!
フォース使えます!ただしフォースの回復はライトセーバーでの攻撃を当てないとできないよ!だってフォース強いもん!

・・・あのさ、それもう『スター・ウォーズ』のゲームじゃなくても良くね?
このゲームの基本システムってダークソウルとトゥームレイダーの良いところを取って付けたもので、基本的にアクションゲームとしては及第点に達しているの。
でも、『スター・ウォーズ』のアクションゲーム。とりわけジェダイを主人公にした作品で「ダブルジャンプ」「フォースダッシュ」もできない貧相なアクションは無いと思う。
探索部分も妙に難易度高い。その難易度も分かりづらくしていることから来ているから正直適正じゃないと思うほど。ストーリーメインの『スター・ウォーズ』なのに、ストーリーの進行に足を引っ張るレベルのステージ構成はイライラするだけですよ。

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー™

ストーリーに関しても、今回はクローン大戦で対して活躍もしなかったヘッポコジェダイがジェダイ粛清計画「オーダー66」からかいくぐるようにして生き延びるっていう内容でさ、あまりにもアクション部分に不便を感じるあまり、「ストーリーに引っ張られすぎて主人公弱くしたんじゃねーの?」って思うほど。

トドメは「ゲームクリア後にラスボスはおろかチャプターリプレイ、強くてニューゲームが無い」というプレイヤーの胸の底にある願望を汲み取れない察しの悪さよ!

せっかく雑魚ジェダイをそれなりに強くしたのに、もう一度ライトセーバー使いたちとスキルフルの状態で再戦したいっていうのができないって、それキャラクターゲームとして存在意義があるのかよ!ってなりますよ。もうストーリーは把握したんだから、あとは好きに暴れさせてくれよ!

しかもジェダイは見つけ次第ぶっ殺せ!っていうゲームにはもってこいの設定があるのに、「ジェダイ主人公にしてダークソウル系の敵をバタバタ倒していくアクションゲーム」って完全にジャンルの方向性が間違っているとしか思えない。『メタルギアライジング』とか、『天誅』みたいなステルス系に振り切って作ったほうがよっぽど面白かったんじゃないの?

この手のライトセーバーブンブン系の作品は『フォースアンリーシュド』が完成されちゃってるんだから、同じ様な系統で勝負すると比べられるわけで、違う系統の悪女んゲームに持っていったほうが無難ですよ。
ストーリーも山も無ければ谷の無い内容で、やっぱりルーカスが監修しないと駄目なんだなって思う。『フォースアンリーシュド』はジョージ・ルーカス御大が直々に監修したからストーリーも面白かった!

とまぁ、つまんないつまんないと言っておりますが、『フォースアンリーシュド』を知らなかったらこのゲームはアクションゲームとしては及第点取っているわけで、物足りなさも感じることなく楽しめるんじゃないでしょうか?
ただ、この作品を遊び終わったあとに『フォースアンリーシュド』という作品を動画で見るなり、プレイしてみて欲しい。
多分この『ジェダイ:フォールン・オーダー』の印象がガラッと変わるよ。

 

ダソミアの魔女はアニメとか普段見ている人なら、結構「萌ポイント」高いんじゃないでしょうか?

 

【ジャンクハンター吉田のレビュー】

物語は『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』以降『スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望』までの間に起こった話なのだが、既に『フォース・アンリーシュド』シリーズという同じ時系列で展開されていた大傑作が存在しており、SWマニアの間では賛否両論となっているのが本作。

元々エピソード3と4の間を補完する物語をジョージ・ルーカスはテレビシリーズの実写ドラマとして繰り広げる予定を目論んでいたが、予定は未定というジョージの毎度の如く守らない口約束を信じるマニアは少なかった。で、結局うだつが上がらないことから『フォース・アンリーシュド』シリーズが作られた経緯があるので、今回の『フォールン・オーダー』はどうなのかなって思いでプレイ。

オンラインモードもダウンロードコンテンツもなく、売り切りパッケージなストーリーモードのみのストロングスタイルで勝負に出たエレクトロニック・アーツ。開発は個人的に大好きなゲーム『タイタンフォール』シリーズのリスポーン・エンタテインメント。ってことでガッツリと期待しながらストーリーを進めていくと、謎解きが随所に登場するんですけども……これがストレスになるんですな。難易度は過去のSWゲームと比べたら相当高いんですが、それは海外ゲームならではなゲームバランスとして許容範囲。

 

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー™

 

だけど、もうちょっとサクサク進めさせてくれないと身体能力の高いはずなジェダイの存在意義が失われるんじゃないかなと思ってしまったんですわ。グラフィックは素晴らしく、スター・ウォーズ感もあって良くできたゲームなんですが、こんなに面倒な謎解き要素って必要? って思うユーザーが自分だけじゃないはず。パルクールチックでアクロバティックな動きなどできるのは良しとして、フォースの使い方にもちょっぴりストレスがあるかな。

まぁ、ここの部分は感じ方は人それぞれだと思うが、自由自在にフォースを使い放題できないのはリアリティーあるけども、”ゲームらしさ”を考えたらアンリーシュドしてほしかったマイナスポイント。が、決して悪いゲームではない。小学生の頃からSWゲームまみれで育った筆者ならではの厳しい視点なだけなので、普通にSWゲームとしてプレイする分には面白いよ。

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