映画レビュー 女子刑務所に実在する合唱団をモデルにした感動の人間ドラマ『ハーモニー 心をつなぐ歌』




韓国のチョンジュ女子刑務所に実在する合唱団をモデルにした感動の人間ドラマ。監督は本作が長編デビューとなるカン・テギュ。
お腹の赤ん坊を守るべくDV夫を殺害したジョンへ(キム・ユンジン)は、服役先のチョンジュン女子刑務所にて男児ミヌを無事出産。規則によって生後18ヶ月までは親子が所内で生活することが認められている。しかし、期日を過ぎるとジョンへはミヌを養子に出さなければならなかった。その日が来るまであと半年。そんな折、慰問にやってきた合唱団の歌声に感銘を受けたジョンへは、「自分たちも合唱団を結成したい!!」と思って何とか所長の許可を得る。死刑囚ムノクら仲間を集めて猛練習に取り組む…。



世代も境遇もまったく異なる受刑者たち。心を閉ざした者、生きる気力を失った者が音楽を通じて前向きに生きていくようになる模様が大きな見所。そして、歌声もバラバラだった彼女たちが練習を通して美しいハーモニーを奏でるようになり、合唱風景と歌声が大きな魅力として描かれる。
クライマックスはクリスマスに全国合唱大会に招待され、見事な歌声を披露した後に更なる“奇跡”が描かれ、感動を増大させる!!でも、本番前に一悶着するシーンが観られ、一筋縄では行かないところにドラマとしての見応え、面白さが感じられるのだ!!
本作は、刑務所ドラマならではの受刑者の生活風景、音楽だけではない。家族や仲間との絆、人間としての成長をしっかりと描いた上質なドラマだと断言したい。
『ハーモニー 心をつなぐ歌』
2011年1月22日(土)、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国ロードショー
キャスト
キム・ユンジン(『セブンデイズ』「LOST」『シュリ』)
ナ・ムニ(『光州5.18』)
カン・イェウォン(『TSUNAMI -ツナミ-』)
監督・脚本:カン・テギュ (初監督作品) 
製作:ユン・ジェギュン(『TSUNAMI -ツナミ-』『マイ・ボス マイ・ヒーロー』)
2010年/韓国/カラー/1.85/SRD/115分
配給:CJ Entertainment Japan
公式サイト:http://www.harmony-movie.com/
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