現在、テレビ東京他にて放送中のTVアニメ「ダンタリアンの書架」。9月30日で、いよいよ最終回を迎える本作。今回は、この最終回の収録を終えたばかりのキャストの皆さん、ダリアン役：沢城みゆきさん、ヒューイ役：小野大輔さん、フラン役：小清水亜美さん、ハル役：加藤将之さん、ラジエル役：矢作紗友里さん、教授役：四宮豪さんに、最終回に向けて見所や、振り返っての感想などをお聞きしてきました。
—最終回の収録が終わって、今のお気持ちを聞かせてください。
沢城さん「本当に、今終えたばかりで、まだ実感もないんですが。今日、すごく印象に残ったのは、ダリアンとヒューイのいつものやりとりではあるのですが、「このウスノロ！」という暴言に対して、ヒューイが「ウスノロはひどいな」と。受けるとも、受け流すともいえないやり取りは、特別な意味合いがあります。お楽しみに。」
小野さん「1クールという短い期間でしたけれど、すごく長い旅をしてきたような不思議な達成感に満たされています。印象に残ったことは、ヒューイとダリアンが出てない回があったことです(笑) さらに、もう一回ダリアンが出てない回があったこと(笑) でも、主役が出ないことに必然性があるという、短い1クールの中でそういう大胆なことができる、すごくチャレンジ精神にあふれた現場で、毎回気持ち良くお仕事させていただいたなと思います。」
小清水さん「全話を通して2話の出演だったんですが、とても贅沢な一話一話だったなと思っています。現場に主役のお二人(沢城さん、小野さん)がいなくて、ちょっと驚いて(笑) メインで演じさせていただいた話数の中で、凝縮されたハルとフランの関係性を考えながら芝居をするのがとても楽しかったです。フランの、ハルへの愛情とか想いがよく分かって、それを演じることができたのは幸せでした。」
加藤さん「同じく2話しか出ていないんですが、その1話あたりの密度がすごく濃くて。なかなか滅多にできない経験をさせていただいたなと思います。一言で感想を表現すると、悔しいなと。もっと出たかったな。と言う感じです。
今日の最終回で、ようやく読み姫と鍵守が揃ったのを目の当たりにして、もっと登場人物のやりとりに、絡みたかったし、観たかったです。」
矢作さん「私は、全話中で3話出ているんですが、うち2回はダリアンがいなかったということで、今日、ようやく念願叶って(ダリアンに)お会いできまして、「やっと本物に会えた！」と(笑) 「ダンタリアンの書架」に私は出ていたんだと実感できました。」
四宮さん「3回出させていただいて、ようやく物語に絡んできたら、最終回になってしまったという(笑)
最終回なんですけど、「さあ！どうなるんだろう？」と続きが気になってしょうがないという感じです。」
—沢城さん、小野さんにとって印象に残ったセリフやシーンは何ですか？また、ダリアンとヒューイの声をかけるとしたら、どんな言葉をかけてあげますか。
沢城さん「第八話「調香師」のフィオナの回が印象に残っています。(ダリアンが)人間であるフィオナにすごく心を寄り添わせたというか、いつもはクールな彼女の感情が沢山動いたんです。「こんなに人間に近寄っていくんだな」とそれがとても印象的でした。あとは、花澤香菜さんが演じた子供の頃のヒューイです。子供のヒューイが、私(ダリアン)を連れ出したら「あんなことをしようね」という夢を語っている時の、あのキラキラした顔が忘れられなくて、それがとても印象に残っています。ダリアンには、「よかったね」といって、ほっぺをツンとしてあげたいです。」
小野さん「第一話が一番印象に残っています。ヒューイがピンチになって、自分を犠牲にして、ダリアンに先に行ってくれと言うシーンで「ノブレス・オブリージュなんかクソくらえだ」とセリフがあるんです。そのノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)という言葉の前提にある、「力を持っているのに使わないのは罪だ」という貴族的な考え方はクソくらえだけれども、困っている人がいたら助けたい。そういうヒューイの気持ちにダリアンが応えて、それがきっかけでダリアンが書架の鍵を開ける権利をヒューイに与えてくれる。そのシーンが一番グッときました。ヒューイには、「幻書をよく噛まずに読んだね！」と（笑）。」
周囲から「自分じゃん！」と総ツッコミが。
小野さん「これがね、録る時は結構噛んでるんです(笑) でも、オンエアを観ると噛んでない！ヒューイはすごいなと(笑) 」
—小清水さん、加藤さん、矢作さん、四宮さんの質問です。ご自身が演じたキャラのどこが魅力的だったか。また演技をした時のポイントを教えてください。
小清水さん「雑な感じのところもあるフランですが、実はハルのことは、恋人とも、親友とも、家族ともつかないけど、根本で大事に想っています。だからこそ軽口を叩けるし、そういったやりとりを楽しんでいたりするキャラクターだと思っています。なので、演じるにあたっては、先程言ったように、一番底の部分にハルへの愛情を持った状態でセリフを言うのを心がけていました。彼女の魅力は、あまり本心を見せようとしていないのに、見えてしまっているところですかね。」
加藤さん「出演回数が少なかったから、というのもあるんですが、彼の心象風景があまり前面に出ていなかったのと、ハル・カムホートと自分とに、性格的に全くシンクロするものが当初はなかった。なので、テストの時はフランに引きずられて、受け止めて演じていたので、中途半端な立ち位置になってしまいました。そのテストに対して「もっと感情を抑えて」と言われて、いろいろと考えた結果、描写がないのであれば、いっそのこと全部隠してしまおうと思って、敢えて「受け流す」もしくは「ぶった切る」ような演技を意識しました。
フランとの掛け合いでは、「黙れガラクタ！」と口癖のようにでてくるセリフがあるんですが、言葉そのものの意味とか感情を越えて、その言葉を言いあえる間柄の信頼感が出ればいいなと思って演じました。」
矢作さん「ラジエルの魅力は、見た目相応に子供っぽいところと、笑いながら怖いことを言う二面性だと思います。演技については、音響監督さんから「沢城さんの演じているダリアンと対になるキャラクターだから、負けないようにしてね」と言われたんです。「みゆきさんに、気持ちとしては、負けないようしよう!」って意識して、頑張りました！」
四宮さん「お話をいただいた時に「役名は教授です」と言われて、勝手におじいちゃんだと思ってしまって(笑) ふたを開けてみたら「あら！カッコイイ！」とビックリしました(笑)
ニッコリ笑って人を殺すような人です。悪いことをしているんだけれども、何か美学みたいなものがキッチリある人だと。まだ謎が多いんですが、そういう奥の深さが出ればいいなと思って演じました。
ラジエルとのやりとりについては、今日のメンバーを見ると分かるように、それぞれペアみたいなところがあったので、それは、ダリアンとヒューイであればダリアンが引っ張っていく、フランとハルであれば対等に悪口を言い合っている。ラジエルと教授の場合、教授がラジエルを諭すような、たしなめるような感じで演じて、それぞれのペアの対比がでるように心がけて演じました…が、いかがだったでしょう?」
—お気に入りのキャラについて。
小野さん「アルマンです。この作品は静かで、あまり笑いの部分がないんですけど、その明るい部分を一手に引き受けてくれたなと思って、大好きです。」
小清水さん「ハルです(笑) フランの気持ちをいろいろと考えていたら、ビックリするくらいハルが好きになってしまって。今日が最終回なのが苦しいです。」
加藤さん「フランですね(笑) やはり、芝居をするときにも、役としても、救われたというのが一番ありますね。あと、すごく自由奔放で雑な感じのキャラなのに、拘束具を付けられているという絵が自分にとっては新鮮でした。また、当時としては珍しいバイクを乗り回しているハルが、焚書官という仕事に使命感を持っているという対比とすごく面白かったです。ハルの中にでてくる、何かモヤモヤしたものを、割と笑って受け流してくれる、フランの優しさがすごく好きです。」
矢作さん「私もハルです(笑) 。第7話でハルが戦っているのを見て、守ってくれそうだなって。教授も悪くないんですが、いざっていうときに捨て置かれそうで…（笑）」
四宮さん「ラジエルです。困った娘ほど可愛いみたいなところですね(笑) あとは、ハルもですね(笑) 焚書官という仕事に使命感を抱いていたり、あの武器がすごくて(笑) いろんな幻書をぶち込みたいたいです。」
小野さん「ハル大人気(笑)」
沢城さん「私たちが13話かけてやってきたのは、何だったんだろう・・（笑）。最終話までやってみると、うちの相方は物腰が柔らかいので、若干の物足りなさを感じてきている訳ですよ(笑) その中で、ラジエルに会った時の「この娘ともうちょっと遊べるかも？」というドキドキがあって(笑) ちょっかいという名のキャッチボールで、投げっぱなしになっていた球が初めて返ってきた！というトキメキがあって。これはもう少し一緒に居たいなと思いました。でも私としては、ヒューイは本当に大好きで、(彼は)とても大人なんですよね。私はとても気に入っていて、小野さんが声をあててはいるんですけど(笑) 好きなキャラです。」
小野さん「僕もダリアンが大好きです（笑）！」
—最終回の見所とファンへのメッセージをお願いします。
四宮さん「最終回、僕ら出ますよ！観てください！その後の展開が気になりますよ（笑）！」
矢作さん「最後までダリアンとヒューイを見守りたいと思いますので、TVの前で一緒に見守っていただけたら嬉しいです。」
加藤さん「自分たちも最終回に出ます！楽しみにしていただけたらと思います。」
小清水さん「それぞれの読姫と鍵守が行き着く先には、何があるんだろうか。といった、ワクワク、ドキドキも感じさせてもらえるんじゃないかなと思っていますので、最終回に期待してください。」
小野さん「原作の世界観を大切に、本当に丁寧にアニメを紡いできたと思います。それが、如実に表れた最終回だと思います。
「ダンタリアンの書架」を本当に好きなスタッフがこの作品を作ったんだなというのが、最終回を録り終わった後の実感です。ファンの皆さんの期待を裏切らない最終回になっていると思いますので、是非観てください。」
沢城さん「1話から、ずっと伏線として敷いてある、ちびっ子ヒューイと書架の少女の観念的なやりとりにも、「ダンタリアンの書架」らしいピリオドがつくようなラストになっていると思います。スケールの“深い”ラストです。皆さんの期待は裏切らないようなものになったと思うので、是非、最後まで観ていただけたらと思います。」
『ダンタリアンの書架』
公式サイト：http://dantalian.tv/
(C) 2011 三雲岳斗・Gユウスケ・角川書店／ダンタリアンの書架製作委員会
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