「少女たちの感情というフィルター」で描かれる、百年前のパリ
谷口悟朗監督と近藤勝也によるタッグで制作されるオリジナル劇場アニメ『パリに咲くエトワール』より、谷口悟朗監督のコメントおよび背景カットが解禁された。本作は、「少女たちの感情というフィルター」を通して描かれる百年前のパリを舞台に、異国の地で夢を追いかけるふたりの少女の姿を描く。
緻密なリサーチと少女の目線で描かれる1912年のパリ
物語の舞台は1912年、20世紀初頭のパリ。産業から芸術まで、さまざまな文化が花開いた“ベル・エポック”の中心地だ。日本からパリへ渡った、画家を夢見る少女・フジコと、薙刀の名手でありながらバレエに憧れを抱く千鶴は、この地で出会い、困難を乗り越えながら互いの夢を支え合っていく。
映画の中で描かれるのは、百年前のパリの街並み。現在も歴史的建築が残るパリだが、100年前の風景をリアリティをもって描くことは容易ではなかったという。本作では、実際にパリでロケハンを行い、リサーチャーの白土晴一を中心に、当時の街並みだけでなく文化や人々の生活にまで及ぶ調査が重ねられた。
谷口悟朗監督が語る「史実よりも感情で描くパリ」
谷口悟朗監督は、「調べられる限りのことは調べましたが、フランスにも資料が残っておらず、わからなかったこともあります」と前置きしたうえで、本作において最も重視した点について言及している。
「この作品は、現代の観客が100年前のパリにリアリティ、もっともらしさを感じていただくところが一番大事なところです。だから調べたものをそのままは描いていないところもあります。意図的に」
当時のパリの街並みをリアルに描くと、決してきれいな街にはならないというが、「ふたりがパリになにを見ているのかを伝えようと思ったら、きれいに見えたほうがいい」とし、「二人の感情というフィルターを通してのパリを表現する」と、背景美術の方向性を明かしている。
一方で、ティザーポスターに描かれたフジコの住む屋根裏部屋についても触れ、「窓の隣にかまぼこ型の突起が描かれています。あれはあの部屋がもともと鳩を飼っていた鳩小屋だったからです」と説明。「フジコの生活を地に足がついたものに見せるために必要なディテール」として、リアリティを支える描写も大切にしていることを語った。

実在の名所と日常が交差するパリの風景
エッフェル塔、サン=ルイ島を望む全景、セーヌ川のほとりなど、パリを象徴する風景も本作には登場する。モンマルトルに住むフジコ、サクレ・クール寺院やテルトル広場へと続くノルヴァン通り、ムーラン・ルージュといった実在の場所は、徒歩圏内という距離感も含めて描かれ、少女たちの生活のリアリティを支えている。
“少女の目線”というフィルターを通して表現される美しいパリの街並みも、本作の大きな見どころのひとつとなっている。
劇場アニメ『パリに咲くエトワール』作品概要
Introduction
『ONE PIECE FILM RED』の谷口悟朗監督と、『崖の上のポニョ』『魔女の宅急便』のキャラクターデザインを手がけた近藤勝也が贈る、ふたりの少女の物語。脚本は『ヴァイオレットエヴァーガーデン』の吉田玲子、主題歌は緑黄色社会が担当する。
Story
20世紀初頭のパリ。
日本からやってきたふたりの少女が暮らしていた。
画家を夢見るフジコと、武家の家系に生まれ、薙刀の名手でありながらバレエに心惹かれる千鶴。
トラブルをきっかけに再会したふたりは、異国の地でそれぞれの夢を追いかけていく。
Cast & Staff
キャスト
當真あみ、嵐莉菜
早乙女太一、門脇麦、尾上松也、角田晃広、津田健次郎
榊原良子、大塚明夫
甲斐田裕子、藤真秀、興津和幸、小野賢章、名塚佳織、唐沢潤、村瀬歩、内山夕実、岩崎ひろし、永瀬アンナ
黒沢ともよ、矢野妃菜喜、生天目仁美
スタッフ
原作:谷口悟朗・BNF・ARVO
監督:谷口悟朗
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:近藤勝也
キャラクターデザイン・総作画監督:山下祐
リサーチャー:白土晴一
美術監督:金子雄司
色彩設計:柴田亜紀子
撮影監督:江間常高
キャラクター演出:千羽由利子
バレエ作画監督:やぐちひろこ
殺陣作画監督:中田栄治
エフェクト・メカ作画監督:橋本敬史



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