大ヒット『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』コラムニスト山崎まどかが紐解く、主人公2人のお部屋アイテム解説到着!

【STORY】

明日は卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。

ところが、パーティー三昧だった同級生たちも同じくらいハイレベルな進路を歩むこと知り驚愕。2人は失った時間を取り戻すべく、卒業パーティーに乗り込むことを決意する

 

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

この度、オリヴィア・ワイルド初監督作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が絶賛公開中!21日(金)に公開を迎えて今もなお、満席続出の回が続き、「今年一番笑った」「青春映画の新たなる最高傑作」「生涯ベスト級」「ふたりで大盛り上がりしてるガールズの友情が本当に最高だった」「最高すぎてアドレナリン大放出….!」「マジで最高だったから全員観てほしい」と鑑賞後には大絶賛の口コミが止まらない本作。ストーリーやキャストに加え、ぜひ着目して頂きたいのは、細かい意匠が凝らされている主人公モリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・デヴァー)のお部屋。SNSでも「モリー、部屋にRBGの写真飾ってるのね(笑)」「エイミーの部屋が好き。“MY BODY MY CHOICE”のポスターを自分で描いたんだろうなと思ったら愛しか芽生えなくて。」「エイミーの部屋にBLMのポスターがあったのが印象的。」といったコメントもあがっている。史上最年少で最高裁判事になることを将来の目標としているエリート志向のモリーと、文学少女でフェミニストかつ、社会活動家のエイミー。そんなふたりの性格や思考は、部屋に飾られたアイテムからも読み取ることができる。そこで、昨年の女子映画大賞に本作をあげ「ランジェリー・イン・シネマ」ほか多くの映画に関する著書を執筆するコラムニストの山崎まどかさんに、見逃せない二人のお部屋のアイテムを解説していただきました!映画を観た人もこれから観る人もこれを知ると二人のキャラクターがより理解できるはず!

山崎まどかさん(コラムニスト)が解説!

細部までこだわり抜いたモリーとエイミーのお部屋アイテムをチェック!

 

【モリーの部屋】

 

・目覚まし代わりの自己啓発C D

 

「おはよう成功者さん、深呼吸して」「完璧よ、これで今日はあなたの日」。「他の奴らは負け犬」モリーは毎朝、このC Dのメッセージを聞きながら瞑想し、士気を高めていく。アメリカ人のビジネスマンや成功を目指す男性たちは自己啓発オーディオ・ブックが好きだが、このC Dは女性向き。声を担当しているのは、民主党副大統領候補カマラ・ハリスの物真似が現在話題沸騰の女性コメディアン、マーヤ・ルドルフ。

(詳しくはこちらのシーン 冒頭本編映像 YouTube URL:https://youtu.be/z_j0VY1mCns)

 

 

・「女性が自由を求めるのは犯罪ではない」

 

モリーの部屋の壁でミシェル・オバマのポスターの隣に飾ってあるのが、「女性が自由を求めるのは犯罪ではない」というバナーを持つサフラジェット(女性の参政権を訴えた19世紀末〜20世紀初頭の運動家たち)のメリー・ウィンソールの写真。この写真が撮影された1917年を皮切りに、彼女は女性参戦権運動に関連して何度も逮捕されている。その不当な逮捕に対するメッセージである。

 

 

 

・写真立てに飾られたルース・ベイダー・ギンズバーグのポートレート

 

1993年以来、連邦最高裁判事を務めるギンズバーグ、別名ノートリアスR.B.G。性差別と闘い、ここまで登り詰めたリベラル派の判事として不動の人気を誇る。この役職につくのは女性としては二人目。最年少で最高裁判事を目指すモリーにとって、彼女が最高のアイドルであることは間違いがない。

 

・グロリア・スタイネムの自伝本

 

ギンズバーグの隣に飾られているのが、ラディカル・フェミニズムの活動家として名高いグロリア・スタイネムが2015年に発表した自伝本「My life on the road」。ジャーナリスト時代はバニーガールとしてプレイボーイ・クラブに潜入、そのルポルタージュで有名になった。後にフェミニズム女性誌の「ミズ(Ms)」を創刊。アメリカの女性行動連盟の創立者。

 

・Take No Prisoners

 

壁にかけられたアルファベットの飾りによるフレーズ。軍隊から来たフレーズで「捕虜を取るな」というと穏健なようだが、実際は「捕らえた敵は殺してしまえ」ということで、そこから転じて「情け容赦しない」「心に決めたことがあるなら、誰かを傷つけるのも厭わずにやれ」という意味で使われている。

 

【エイミーの部屋】

 

・The Room of One’s Own

 

エイミーの部屋のドアにかけられた言葉。フェミニズム批評の古典、ヴァージニア・ウルフが1928年にケンブリッジ大学で行った講義をもとにした本「自分ひとりの部屋」のタイトルである。「女性が小説なり詩なり書こうとするならば年に500ポンドと鍵のかかる部屋を持つ必要がある」というウルフの言葉は、女性の自立の基盤を表すものとしてよく使われる。

 

・ジェーン・グドール

 

メッセージ・ポスターやフライヤーが壁を埋め尽くすエイミーの部屋で、一際目立つのが猿の手を取る女性のシルエットにJaneと書かれたイラスト・ポスター。これはタンザニアでチンパンジーの研究に従事したイギリスの動物行動学者ジェーン・グドールの偉業に捧げられたもの。目覚ましい研究実績を上げながら、学士号を持っていなかったという理由でアカデミズムの世界で差別を受けた女性でもある。アフリカとフェミニズムというエイミーの大事なテーマが伝わってくる。

 

・Victory to the freedom fighter of southern

 

1977年、アメリカのアーティストであるレイチェル・ロメオがローデシア(現ジンバブエ)で白人に弾圧されてきた黒人たちの独立運動を支援するために描いた有名なポスター

 

・シャーロット・ブロンテとジェーン・オースティン

 

共に19世紀のイギリスの女性作家。シャーロット・ブロンテは小説家として名を残すブロンテ三姉妹の一人。エイミーの部屋のイラスト・ポートレートには「私は鳥ではありません。私を罠にかける網はありません。独立した意思を持つ自由な人間です」という小説「ジェーン・エア」からの一節が引用されている。ジェーン・オースティンは「高慢と偏見」「分別と多感」といった結婚とロマンス、そして実家の財産を受け継ぐことが出来ない女性たちの経済問題を描いた小説で有名。エイミーのロマンティックな一面がうかがえる。

 

・フェミニズム・ミーム

 

現在のフェミニズムや社会運動から生まれたキャッチフレーズの手書きしたポスターが多数見つかる。セクシュアル・ハラスメントの終焉を訴える運動「Times Up」から、「My Body is My Choice」「Science is not silence」、そして「Black lives matter」まで。ユニークなのは「We are not Ovary acting」。過剰反応(Over reacting)と卵巣(Ovary)をかけたダジャレで、月経前症候群(PMS)で女性が精神的にイライラしたり不安になったりするのは決しておかしなことではないと訴えている。

 

タイトル:『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

監督:オリヴィア・ワイルド

製作総指揮:ウィル・フェレル、アダム・マッケイ

出演:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー、ウィル・フォーテ、ジェイソン・サダイキス、ビリー・ロード、ダイアナ・シルヴァーズ、スカイラー・ギソンド、モリー・ゴードン、 ノア・ガルビン、オースティン・クルート、ヴィクトリア・ルエスガ、エデゥアルド・フランコ、ニコ・ヒラガ、メイソン・グッディング

2019年/アメリカ/英語/102分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:BOOKSMART/

日本語字幕:髙内朝子

配給:ロングライド

公式サイト: https://longride.jp/booksmart

#ブックスマート

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