映画レビュー　日当1000ドル!?旨い話に釣られて密室実験室行き！！『エクスペリメント』

「プリズン・ブレイク」のポール・シェアリングが脚本・監督。「戦場のピアニスト」というよりは、ダリオ・アルジェントの「ジャーロ」や「プレデターズ」で最近性格俳優からカルト俳優に変貌中（笑）のエイドリアン・ブロディと、「ラストキング・オブ・スコットランド」「パニック・ルーム」「フォーン・ブース」等、独特の風貌でいつも強烈な印象を観客に与える黒人俳優のフォレスト・ウィテカー、２大アカデミー俳優がドイツ映画「es」で世界を震撼させた”スタンフォード大学監獄実験”を映画化。
日当1,000ドルの高報酬のために、選ばれた24名の男たちを看守と囚人にわけて、14日間にわたり刑務所と同じ環境で過ごさせる心理実験（エクスペリメント）の果ての壮絶な結末を、「プリズン・ブレイク」同様、そのスピーディーな演出で、ポール・シェアリングがぐいぐい観る者を、ヴァーチャル・プリズンへ引きずり込む。
最近この「密室での人間心理実験」というテーマを映画化するのがやたら流行っていて、この映画もご多分にもれず「またか」と思っていたのだが、やはり２大怪優の激突ということもあって、極上のエンタテイメントに仕上がった。最後のシーンは「ランボー」か？！と思わずニヤリ。勿論、タトゥのプリズン・ブレイクネタも有り。この手の映画でよく有りがちな不条理で終わる後味の悪さは一切ない。爽快でさえある。日本の草食系男子諸君に「エクスペンダブルズ」同様、是非観てもらいたい「男」の映画である。