電脳コイルBlu-ray Box 発売記念『電脳コイル探偵団集まれ!“夏期特別授業開講”!』レポート



9月9日(金)新宿バルト9にて、電脳コイルBlu-ray Disc Box 発売記念『電脳コイル探偵団集まれ!“夏期特別授業”開講!』が開催された。
当日は、磯 光雄監督、泉津井 陽一氏(デジタルエフェクト・撮影監督)、野村 和也氏(絵コンテ・演出)が登壇。今回のブルーレイ化の作業について、磯監督は「一番リテーク作業が多かったのが20話です。そのほかダイチのヒゲを増量したり、『DVDのときに直せばよかったな』とずっと心残りにしていたところを埋めていきました、あとはBlu-ray Disc Box を買ってくれた方だけのお楽しみということで。」と話す。

今回の作業を監督とともに行っている泉津井氏は「昔のデータをひっぱりだしてきて、当時撮影ミスをしていた部分や修正したい部分を、監督のオーダーと照らし合わせながら手をいれていきました。ただ、データがどこにあるかわからなかったり、撮影用データに付随するセル・背景・CGが全部バラバラだったので、まずそれらを探して、リンクをつなげて、読み込むという作業を繰り返し行いました。現行のソフトウェアのバージョンもあがっているので、当時のままだとうまく反映できなかったりするので、新しくプラグインをかけなおしたり、設定をやりなおさなければいけなかった。」と作業の困難さを語る。まさに本編で言うところの“NO DATA”という状況に陥ることが多々あったようで、磯監督自ら足りない素材を描くこともあったとのこと。

TV放送時から磯監督からの注文はとどまることを知らなかったようで、「当時の作業部屋を僕たちは“コイル部屋”と呼んでいました。その部屋の席順では、僕の後ろの席に磯さん、通路を挟んだとなりに野村さんがいました。野村さんが演出をやられている回で『こんな風にやりたい』とすぐ相談できたり、足りない素材もすぐ野村さんが描いてくれて、それを私がスキャンして、と作業をスムーズに行うことができた。他の現場だと1日かかってもおかしくないことがすぐできるっていうのはよかったですね。」(泉津井氏)「スタッフとのあの親密な距離感はよかったですよね。」(野村氏)とゲストの2 人は当時の様子を語った。

こうした作業のしやすさとは別に「電脳コイル」を作り上げていく上での苦労もあった。「16・17 話を放送していたのが、4年前の丁度今くらいだったのをよく覚えています。後半の展開へとギアがはいっていく話数だったので、デジタルのカットが飛躍的に増えていったんですね。16・17 話の絵コンテをみて打ち合わせをしている時、『これは放送に間に合うのか?終わらないんじゃないか?』と思いながら取りかかりました。」(泉津井氏)
「コイルで僕が行った“演出、絵コンテ”という作業は、出来る限り監督のラフやイメージに近づくよう軌道修正してゆく、というものでした。監督から渡されるラフは絵的にすでに完成していて、コンテの作業の時にきれいな線にしようとすると途端にニュアンスが変わってしまうんですね。たとえば、キャラクターのうわまぶたの線が1mmずれただけで、全然違う表情になってしまう、なのでコンテや演出の際には、描いている側もキャラクターの感情になるべくよせるようにして、イメージがブレないよう集中して作業をしていたことを覚えています。」(野村氏)

当日は、イベントのためだけに制作された第1話のスペシャルバージョンを上映。本編ではキュッキュッとしか言わないオヤジにボーカロイドの声があてられ、会場は笑いの渦となった。また、リテーク作業が一番多かった20 話について磯監督は「最終話のコンテが忙しくて、カッティング・アフレコ・ダビングすべてに立ち会えなかったのが唯一20 話なんです。今回Blu-ray の作業では、気になっていたところは概ね手を入れましたが、そもそもリテークは自分の頭の中のイメージと違ってしまった部分を直す作業なので、その違っていた映像を先に見てしまったお客さんには「第一印象と違う!」と思われてしまうかもしれません。でもタイミングなど良くはなっているとは思うので、『本来監督はこうしたかったのか』と思っていただければと思います。」と語る。
トークショー終盤ではプレゼント抽選会を開催。磯監督のイラスト&サイン入りTシャツ&色紙や、登壇者3名に加え会場に関係者として来場していた板津 匡覧氏(作画監督)との合同サイン色紙といったレアグッスがプレゼントされた。大盛況で幕を閉じた『電脳コイル探偵団集まれ!“夏期特別授業”開講!』。登壇ゲスト・ファンともに熱くなれた、まさに夢の特別授業となった。
「完全受注生産商品 電脳コイル Blu-ray Disc Box Director’s Edition」の予約は10月11日正午まで、「.ANIME」にて予約受付。

完全受注生産商品 電脳コイル Blu-ray Disc Box Director’s Edition
10月11日正午まで、「.ANIME」にて予約受付中!
http://www.dot-anime.com/

価格:39,900円(税込)
収録時間1047分(予定)
DTS-HD master audio (5.1ch)・リニアPCM(stereo)/AVC/BD50G×6枚組
16:9<1080p High Definition>一部<1080i High Definition>
Director’s Editionのみの特典
1 NHK特番「電脳コイルSP」
2 パイロットPV(TAF版)
3 NHK特番「電脳コイル自由研究」
4 NHK特番「電脳コイル総復習」
5 DVD特典「電脳コイルができるまで」
※1,2は初パッケージ化
電脳コイル Blu-ray Disc Box 通常版
発売日:2011/11/25

価格:38,850(税込)
収録時間:864分(予定)
DTS-HD Master Audio(5.1ch)・リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G×5枚
16:9<1080p High Definition>・一部16:9<1080i High Definition>
(C) 磯 光雄/徳間書店・電脳コイル製作委員会


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