映画レビュー ジョージ・A・ロメロ監督の最新作『サバイバル・オブ・ザ・デッド』

ゾンビ映画ファン待望!伝説の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督の最新作『サバイバル・オブ・ザ・デッド』が、いよいよ6月12日(土)から全国劇場公開。


“マスター・オブ・ホラー” “近代ゾンビ映画の始祖”とも称されるジョージ・A・ロメロ監督の手によるリビングデッド・サーガの6作目となるこの映画は、1968年公開の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から数えて実に40年以上続いてきた、正当な系譜のゾンビ映画最新作である。
今回の舞台は、前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(’07)と同じ・・・「突然、生ける屍=ゾンビが地上に溢れ出てきてから4週間後の世界」で展開していく。
次第に増え続けるゾンビ。秩序を失ってゆく人間社会。日々、絶望的な地獄絵図が広がる中、生き残った元州兵達のグループが、安住の地を求めてある「島」を目指した時、命がけのサバイバルを繰り広げることになる。そして彼らがこの「島」に入ってから、映画はこれまでになかった「進化」を見せ始めるのだ。
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』は、始まって1分後には死の恐怖と絶望に向かって急加速し始め、そのまま最後まで観る者を捉えて離さない・・・ゾンビ映画ファンには堪らない見せ場や仕掛けが盛りだくさんの映画である。
最後に。 もしも「ゾンビやホラー映画は苦手!」という先入観を持つ人にも、この映画だけは敢えてオススメしておきたい。ロメロ監督が時代の空気を敏感に捉えながら、ストーリーの中に丁寧に織り込んだ普遍的なテーマ、「人間の欲望の深さと愚かさ」さらには、「ゆき過ぎた物質文明追求の先にあるコミュニケーション断絶の虚しさ」を読み取ることのできる、肩のこらない娯楽映画と出会うことのできるチャンスだからだ。
いまや、一部のホラー映画ファンにとどまらない勢いで市民権を得た感のある、ゾンビ・ブーム。このブームの真打ちを見逃す手はない!
単なるゾンビホラー映画の枠組みを超越した傑作…それがこの映画、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』である。

                                               レビュアー:ばんば淳一

『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
6月12日(土)シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
(C) 2009 BLANK OF THE DEAD PRODUCTIONS INC.ALL RIGHTS RESERVED
[公式サイト] 

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