【STORY】
1915年、ヘレン・シャルフベックは、高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもヘレンは湧き出してくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が訪ねてきて彼女が描き溜めていた159点のすばらしい作品を発見、大きな個展開催に向けて動き出したからだ。しかし、ヘレンの人生で最も重要な転機は、画商が紹介した19歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされる…。
【以下プレスリリース文掲載】
モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるフィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック。その生誕160年を記念し、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描いた 『魂のまなざし』 が、いよいよ7月15日(金)にBunkamuraル・シネマ他にて順次公開する。この度、公開を記念して冒頭映像が解禁となった。
モダニズムを代表する芸術家の一人として近年世界的評価の著しいフィンランドの国民的画家
ヘレン・シャルフベック
ひたむきに真実を求め続けた彼女の最後のそして終生の愛と友情
ヘレン・シャルフベック (1862~1946)は、フィンランドで最も敬愛されるモダニズム画家。病気から快復した少女をみずみずしく描いた《快復期》や、死に至る晩年まで自らを見つめ描き続けた自画像の数々に代表される彼女の作品は、多様なスタイルを取り入れつつも、寄り添うような親密さとメランコリー、静謐な美しさと力強さをどれも一貫してたたえている。
抑圧的な家庭や男性社会に臆せず、名誉よりも内から湧き出る情熱に従うシャルフベックの姿が、北欧の透明な光に輝く自然や街並みとともに全編美しい映像で描かれている。
画家として、女性として、一人の人間として自律的に生きるシャルフベックを演じるのは、第63回ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞したフィンランドの女優ラウラ・ビルン。監督はビヨンセ、セリーヌ・ディオン、ケリー・クラークソンなど数々のミュージック・ビデオを手掛けてきたアンティ・ヨキネン。監督2作目『Purge』(2012)は、本作と同じくラウラ・ビルンを主演に起用し、第85回アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表に選ばれている。
この度、物語の行く末を予感させる冒頭映像が解禁!
ヘレンは幼少時から絵の才能を見込まれ、奨学金を得て18歳の時にパリへ渡り、20代の大半をパリで過ごした。しかし祖国に戻ると、美術界を支配する保守的で権威主義的な男性社会の中で、真実を追求する自由な魂は疲弊し、そこから逃亡することになる。そんな田舎での母親との10年あまりに及ぶ半ば隠遁生活に、ヘレンはインタビューを受けることになる。
「さっさと進めましょう。インタビューは苦手だから」とヘレンが静かに言うと、「わかります。」と同意するインタビュアに、少しビックリしたかのように目を上げる。インタビュアから「その理由は?」と聞かれると。少し考えるように「つい間違ったことを言うから。何を言っても誰かを怒らせる。」と遠くを見てほほ笑む。
インタビューが続く中、貧相な家で絵を描くヘレンの姿と共に、四季折々の田舎の庭が美しく映し出されている。
「10年以上、美術界から距離を置いてますね。」と聞かれると、ヘレンは、「私のことは書かないで、注目をされたくない。思ったことを話し過ぎたわ。」と言い、「ご自分の作品をどう説明しますか?なぜ戦争や貧困を描くのか。その題材は…女流画家にふさわしくない。」と女性差別と捉えられる質問に対して、少し呆れたように「画家が描くときは、作品の説明など考えない。着想は内側と外側から同時にわき起こる。女流画家のレッテルもはられたくない。一人の画家だから。」と答える。
女性が自立し強い意志を持つことが許されなかった時代。しかし、どん底であっても絵を描くことを諦めず背筋を伸ばして歩いていったヘレンのひたむきで凛とした姿をぜひ劇場でご覧ください。
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監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン ヨハンネス・ホロパイネン クリスタ・コソネン エーロ・アホ ピルッコ・サイシオ ヤルッコ・ラフティ
字幕:林かんな/原題:HELENE/2020年/フィンランド・エストニア/122分
配給:オンリー・ハーツ 後援:フィンランド大使館 応援:求龍堂
(C)Finland Cinematic
7月15日(金)Bunkamuraル・シネマ他にて順次公開
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