12月13日にZENスタジオ制作の『スター・ウォーズ ピンボール』がGame Source Entertainmentから発売された。
今回はこのゲーム作品を畑(編集長)と吉田が徹底レビュー!
【畑史進(編集長レビュー)】
今回は『ジェダイフォールンオーダー』に引き続いて『スター・ウォーズ ピンボール』のレビューをします。
え?『デス・ストランディング』?
まずはこの作品について少し紹介すると、このゲーム実は完全新作タイトルというわけじゃなくて、2013年にZENスタジオっていうピンボールゲームを専門に作っているゲーム会社からベーシックパックが発売されて、以降、年に2~3本位ピンボール台をDLCとしてリリースしてきたわけですよ。
で、今回発売されたものは今時点でリリースされているものを全てセットにしたもの。海外だとPS3やPS4、Xbox360、XboxOneやPC、3DS、Vitaとか元がピンボールゲームという事もあってかかなり手広く発売していて、翻訳されていない海外版をスマートフォンかPCでしか遊ぶことができなかった。
僕自身このゲームはiPhone版を遊んでいたんで、このゲームの面白さはそれなりに知っていた。でもその時はあくまでピンボールゲームに『スター・ウォーズ』の被せているくらいの認識だったのよ。
ようやく日本で翻訳されたものが出る。タイミングも『スカイウォーカーの夜明け』の一週間前にバッチリ合わせるんだから、こりゃ本気で売り出そうとしているんだ。しかもいま出ているピンボール台が全部入っているとなると、俄然興味が湧いたんで遊んでみると・・・
こりゃビックリするほど『スター・ウォーズ』していますわ!って改めて感心させられた。
何が凄いって、ピンボールの第にもよるけど、バンパーに当たったときの効果音から演出までその世界観をピンボールというゲームにちゃんとコンバートして、プレイしている側を盛り上げる工夫を凝らしているところ、この徹底ぶりはもはや職人芸ですよ!
iPhone版の時は画面のサイズが大きくないんで感じなかったんだけど、細かいディテールまでしっかり作り込んでいて、特に皇帝VSヨーダの台なんか、ちゃんと皇帝を捨てるためのゴミ捨て場まであるくらい。ステマとかそういうわけじゃなく、スター・ウォーズファンは当然ながら、ピンボールゲームをしたことのない人にもおすすめしたいくらいの良作。
「ピンボール初心者にこんなもの勧めるな!もっとスタンダードなもの勧めろ」っていう声が聞こえてきそうなんだけど、このゲーム良いところはキャンペーンモードならぬ「キャリアモード」がすごく優秀で、ここでどんな下手くそプレイヤーでも上達するコツや、このゲームに出てくる台がどんなものかを時間をかけて教えてくれるからお勧めできるわけですよ。この「キャリアモード」は何かって言うと、フリップ回数200とか、制限時間5分という縛りを付けてハイスコアを狙うモードなんだけど、この規定数に達するまでは何度失敗してもゲームが続行できる。
ピンボールの何が難しいって、ゲームを続けることでさ、これをただボール無制限で遊ばせることではなく、ゲームとしてのフックになる様を入れ込むことで楽しみながらピンボールに慣れさせる仕組みを作り上げたんじゃないかと思う。
しかもハイスコアを狙うモードということもあってこのモードはオンラインに接続すると自分が世界でどれだけの順位になるのかおおよそ知ることができるのも面白い。
ただの打ちっぱなし場みたいに用意するとそのうち飽きて、。プレイが雑になってせっかく腕が上がっても元のレベルに戻っちゃうし、ゲームそのものを放り出してしまいかねない。
縛りの条件やオンラインスコアボードは上級者にとっては自分の腕を試す場にもなるし、玉の無制限というルールが今度は初心者を楽しませる結果につながる。
正直良くできていると感じる作品でした。
画面も大きくなってスコアも伸びているで、スマホ版は触ることが少なくなっちゃうかも。
あとこのゲームの良いところはピンボールというゲームに『スター・ウォーズ』のスキンを被せただけでなく、ちゃんとIPを活かしきっているというところにいい感じを受けた。ただIPに甘えるだけではいいゲームは作れないという例を生み出したいい作品だと思いますよ。
【ジャンクハンター吉田(吉田武)レビュー】
実際に遊ぶまでは『スター・ウォーズ ピンボール』に対してちょっと興味ある程度だった。
が、コレ遊んでみるとしっかりと劇伴使っているだけではなく、効果音も映画そのまんまだし、スター・ウォーズのファンでもマニアでもなく、好きという程度な関心あるゲームユーザーでも楽しめるんはず。「所詮ピンボールのゲームだろ」って思ってたが驚くほど高い完成度に前言撤回。筆者はSWマニアではなく普通のファンなのでプレイ時間増すごとに没入感が沸いていくんですけども、残念なのがジャンゴ・フェットが不在なのだけが物言いしたくなるポイント(マニアじゃねーかよって言われそうですが)。
なぜならば、このゲームがモチーフにしている作品は『スター・ウォーズ』エピソード4~8と『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』、それとまさかの『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』『スター・ウォーズ 反乱者たち』といったテレビアニメ版なんですよね。
エピソード1~3はなぜか除外されちゃっているので、SWキャラで一番好きなジャンゴ・フェット=ジョージ・ルーカスが個人的にお気に召している俳優のテムエラ・モリソン不在なのが本当に惜しい。惜しすぎる。ピンボールだけではなく、個人的に楽しめたのがタイファイターの操縦などのミニゲーム。
普通のピンボールゲームも熱いけど、世界観を踏襲したミニゲームが実はこのゲーム最大のポテンシャルじゃないかと言えるほど夢中になることもしばしば。そういう意味で飽きのこない作りに徹しているが、HD振動に対応しているのとSwitch本体の縦持ち垂直プレイ機能は何気に嬉しい。こういう細かいところに気を配った作りは近年雑なSWゲームが多い中、大きく評価できるよね。
ライトサイドとダークサイドにわかれてオンライン対戦ができる”銀河戦争”モードはまだ未プレイだけど、ユーザーが増えてくれば盛り上がりそうなので是非売れて欲しいタイトルと普通のアクション満載のSWゲームにお腹いっぱいな方々へ太鼓判を押したい。でも、エピソード1~3が削られているのだけはマジで残念……。どうして削ったのかと伺いたい。いや、説教したい!
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