【文・鶴岡亮】
鶴岡亮Twitter:https://twitter.com/ryoutsuruoka
去る9月29日、大阪梅田ハービスホールにて「株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント」主催の「PlayStation 祭 OSAKA 2019」が開催された。イベント内容は、未発売タイトルの試遊、ステージイベント、撮影会、記念グッズの販売等だ。しかも参加費無料!今回はそのイベントの模様をお伝えしていきたい。
(到着時には既に長蛇の列が!)
まず会場前について驚かされたのは目の前に広がる大行列だ。筆者は開演時間の午前11時の一時間前に会場に到着したのだが、既にハービスホール前の通路にはUの字を描くレベルの大行列が出来ており、道行く人々も思わず「何事!?」「なにこれすごい!」とリアクションしていた程だった。
会場に入る前に試遊タイトルの整理券が渡されたのだが「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKEと」「PROJECT RESISTANCE」はあまりの人気の為、整理券を抽選で決める事態になっていた。行列の中からも同タイトルに対する会話をしている方が非常に多かったので、それほどにゲーマーからの期待値が高いタイトルなのであろう。
(会場となる大阪梅田のハービスホール入口)
そして11時になり会場は開演。入場すると「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」のクラウドのバスターソードを待って撮影できるブースや、「仁王」のすねこすりと魑魅と共に撮影できるブースが出迎えた。
(FINAL FANTASY Ⅶ REMAKEの撮影ブース)
(仁王2の撮影ブース)
(撮影ブースの奥には株式会社COSPAによる物販エリアも完備されており、ピポサル、トロ、SIE関連のグッズが販売されていた。)
©COSPA CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
そこから奥に進むとブルーライトに照らされたホールが現れ、まるでプレイステーションのメニュー画面を思わせるような空間になっていた。場内では各企業が設置した試遊台と「モンスターハンターワールド:アイスボーン」の雪原ステージをイメージした撮影ブース、それに「松島初音」がMCを勤めるイベントステージが点在し、「観る、遊ぶ、買う」の三大欲求に答えてくれる様相になっていた。
(ブルーライトが印象的なホール内)
(モンスターハンターワールド:アイスボーンの撮影ブース)
試遊台コーナーでは
「グランブルーファンタジー ヴァーサス」(株式会社℃ygames)
「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」(株式会社アトラス)
「PROJECT RESISTANCE」(株式会社カプコン)
「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(株式会社カプコン)
「仁王2」(株式会社コーエーテクモゲームス)
「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」(株式会社スクウェア・エニックス)
「聖剣伝説3TRIALS of MANA」(株式会社スクウェア・エニックス)
「ぷよぷよ eスポーツ」(株式会社セガゲームス)
「新サクラ大戦」(株式会社セガゲームス)
「龍が如く7 光と闇の行方」(株式会社セガゲームス)
「MONKY KING ヒーロー・イズ・バック」(株式会社ソニー・インタラクティブエンターテイメント)
「RedySet Heroes レディセット・ヒーローズ」(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント)
「アッシュと魔法の筆」(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント)
「メディーバル 蘇ったガロメアの勇者」(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント)
「ONE PICE 海賊無双4」(株式会社バンダイナムコエンターテイメント)
「ドラゴンボール Z KAKAROT」(株式会社バンダイナムコエンターテイメント)
「Budget Cuts」(Neat Corporation)
「Throw Anything」(Visual Light)
「Last Labyrinth」(あまた株式会社)
「スペースチャンネル5 VRあらかた★ダンシングショー」(グランディング株式会社)
「アッシュと魔法の筆(PS VR版)」株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント)
「マーベルアイアンマン VR」(ソニー・インタラクティブエンタテイメント)
「DEEMO-Reborn-」(株式会社ソニー・ミュージックエンタテイメント)
「初音ミクVR」(株式会社デジカ)の試遊台が設置されていた。
因みに入場特典としてPlayStationオリジナルバッグが貰え、上記の一部の試遊タイトルや、ステージイベントの参加特典として各種ノベルティが付与された。無料でありながらバッグと各種ノベルティも付与して頂けるとは太っ腹なイベントだ!
それぞれのブースでは20分から最高で数時間待ちの状態が続いていて、イベントの盛況振りが感じられた。そんな中で筆者は「PROJECT RESISTANCE」「新サクラ大戦」「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」の体験プレイが出来たので、その感想についてレポートしていきたいと思う。
<非対称型サバイバルホラーゲーム「PROJECT RESISTANCE」>
最初にプレイさせて頂いたのが、「株式会社CAPCOM」が製作中の「バイオハザード」シリーズの新規プロジェクト「PROJECT RESISTANCE」だ。
<マスターマインドvsサバイバー>
このゲームは非対称型サバイバルホラーゲームで、総プレイヤー数5名の内から1名が「マスターマインド」、4名が「サバイバー」に別れて戦う事になる。マスターマインドは研究施設内の監視カメラを通してゾンビ等のクリーチャー、トラップを使って制限時間終了迄にサバイバー達の脱出を阻止するのが目的。対するサバイバーは固有の特殊能力「スキル」を使って、仲間と共に協力しながら制限時間内に研究施設脱出を目指すことが目的になる。筆者は今回サバイバー側で試遊させて頂いたので、そちらの視点でレポートしていきたい。
<研究施設からの脱出>
サバイバー側の目的は合計3つのエリアからなる研究施設からの脱出で、各エリアには次のエリアへ進む為の条件が設定されている。第1エリアでは「キーパーツ」を揃えて仕掛けに設置する事で次のエリアへの扉を開き、第2エリアでは「セキュリティカード」を入手して「セキュリティ装置」に使用する事で次のエリアへの扉が開く。最後の第3エリアでは「バイオコア」を探し出して破壊する事によって研究所から脱出する出口が開くという流れになっている。
<制限時間の奪い合い>
本作には研究所脱出の為の制限時間が設けられていて、それを陣営ごとに奪い合うのが特徴だ。サバイバーはゾンビを倒したり、扉のロックを解除することで制限時間を加算することが出来る。対するマスターマインドは、サバイバーへダメージを与えると制限時間を減少させる事が可能だ。
<様々なスキルを持つサバイバー達による協力プレイ>
左からジャニアリー(ハッカー)、タイローン(タンク)、サミュエル(アタッカー)、ヴァレリー(サポート)、ジャニアリー(ハッカー)
サバイバー側のキャラクターはそれぞれに二種類のスキルが設定されていて、「パーソナルスキル」と一定時間チャージすることで使用できる「フィーバースキル」の二つがある。
以下にそのスペックを記す。
「アタッカー」
サミュエル・ジョーダン
「スキル」
ダッシュパンチ・付近にいる敵にダッシュしてパンチを繰り出す。
「フィーバースキル」
鋼の拳・敵にボクシング持込のワンツー攻撃を繰り出せる。
「ハッカー」
ジャニアリー・ヴァン・サント
「スキル」
オーバーロード・監視カメラを無効化する
「フィーバースキル」
EMP・監視カメラの機能を弱め、マスターマインドのカード使用コストを増加させる。
「サポート」
ヴァレリー・ハーモン
「スキル」
生存本能・仲間に付近のアイテムや驚異をわかりやすく表示することができる。
「フィーバースキル」
スプレーヒーリング・効果時間限定の救急スプレーで、仲間の治療や強化ができる。
「タンク」
タイローン・ヘンリー
「スキル」
突き蹴り・強力なキックで目の前の敵を攻撃できる。
「フィーバースキル」
サバイバー・エール・仲間の士気を上げ、一定時間受けるダメージを軽減する。
因みに筆者はジャニアリー(ハッカー)を選択した。スタッフの方によると、このキャラクターは体が弱い分ハッキング能力に長けているので、前線に出るより後方支援に回ったほうが良さそうだ。各サバイバーのスキルを使ったプレイは、それぞれの役目を果たしながら助け合う面白さに満ちていた。攻撃力増加スキルを持つサミュエルは敵を排除を担当、ダメージ軽減スキルを持つタイローンはチームの防御を担当、回復スキルを持つヴァレリーは治療担当、ハッキングスキルを持つジャニアリーは電子機器を妨害を担当するといった感じだ。
各キャラクターにそれぞれスキルを使った役割が与えられている分、サバイバー内でもキャラクター毎に違ったゲームプレイが楽しめるようになっている。筆者が参加したサバイバーチームは、先頭は高い攻撃力とダメージ軽減能力を持つサミュエルとタイローンが請い、後方は回復とハッキング能力を持つヴァレリーとジャニアリーが請負った。前後で役割分担しながら2:2の編成で進んでいくと、攻守のバランスが取れて、非常に効率的にクリーチャー達に対処出来た。ボイスチャットを介して助言してくれたスタッフの方もこの編成で進むのが効率的との事との事で、それぞれのキャラクターの属性に見合った動きをすることがこのゲームの肝となるようだ。
<マスターマインドの驚異>
敵対するマスターマインドは研究室エリアの各所に設置されたカメラを通してサバイバーの動向を監視できる。それに加え、手元の「カード」から罠やゾンビ等のクリーチャーをサバイバー達の元へ投与し、攻撃することも可能だ。
マスターマインドはプレイ毎に違った敵配置を仕掛けてくるため、「今回はどんな配置でせめてくるのだろうか?」という好奇心を駆り立てられるプレイが楽しめる。又、投与してきたクリーチャーはマスターマインドが「スレイブ化」を使って直接操作する事も可能なので注意が必要だ。特にスレイブ化されたタイラントのインパクトが凄まじく、人間が操作している分効率的な動きをするので焦らずに入られなかった。それに加え体力や攻撃力も他のクリーチャーと比較にならない程強靭で、仲間と協力しながら攻撃を加えても怯む程度で苦戦を強いられた。事実、タイラント登場時から飛躍的にゲームの難易度が高くなったので、ゲームクリアを果たすにはいかにこれに対処していくかがカギになりそうだ。
(スレイブ化したクリーチャーは目が赤く発光する)
<「PROJECT RESISTANCE」プレイ完了後の感想>
サバイバーやマスターマインドの行動で制限時間が変化するシステムや、スキルを使った仲間との協力プレイ、マスターマインドのカードを使った敵配置システムは、非対称ゲームに新たな風を吹き込んでいる。又、協力プレイバイオが現代に蘇ってくれたのもシリーズファンとしては感慨深い。マスターマインド側のプレイも楽しみたかったので製品版でトライしたい。サバイバー側のプレイアブルキャラクターは現在4人のみだが、今後、製品版やアップデート、DLC等でアウトブレイクのキャラクターやバイオ3のネメシスの投与等も可能になればゲームの幅が広がりそうだ。プレイ終了後のアンケートにもその趣旨を表記したので是非とも実現してほしい!
プレイ終了後、試遊特典としてアンケートに答えた後に「PROJECT RESISTANCE」Tシャツを頂いた。
取材にご協力して頂いたCAPCOMの皆様ありがとうございました。
(タイトル)「PROJECT RESISTANCE」(ワーキングタイトルの為仮称)
(発売日)(ワーキングタイトルの為未定)
(価格)(ワーキングタイトルの為未定)
(公式サイト)https://www.project-resistance.com/ja/
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
※画面は開発中のものです。
松島初音がMCを勤める「PROJECT RESISTANCE」ライブステージも試遊ステージと同時開催されていたのでそちらもチェックして頂きたい。
<傑作RPGのリメイク作「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」>
スクウェア・エニックスより発売予定の「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」は1997年に発売された名作「FINAL FANTASY VII 」のリメイク作品である。試遊台では壱番魔晄炉の探索とボス戦が体験できたのでそのレポートをお届けしよう。
<美麗なグラフィック>
まずグラフィックだが、クラウド、バレット、ジェシー、ボスのガードスコーピオンやステージに至るまで90年代のオリジナル版を遥かに凌駕していた。キャラクターの髪や肌、着用している衣服の繊維の質感、武器や機械等の重厚感が圧倒的なグラフィックスで表現されている。そんな卓越したグラフィックで再現されたキャラクター達だが内面のスピリットはオリジナル版を継承していて、ニヒルで無神経な台詞を吐くクラウドや、敵に動揺したり怒っているバレットを見るとオリジナル版のキャラクターのやりとりを思い出して懐かしい気分に浸れた。モデリングのみならずエフェクトも素晴らしく、クラウドがバスターソードで敵を斬りつける時に飛び散る火花、バレットが撃ちまくるガトリングのマズルフラッシュ、ガードスコーピオンが放つテイルレーザー、アイテム発見時や使用時に現れるエフェクトや、炎が燃え盛る様相は、壮絶ながらも美しくFFらしい美意識に満ちた視覚効果になっている。
<バトルシステム>
試遊版での目的は、魔晄炉の炉心に爆弾を仕掛ける事で、基本は各所に点在するオブジェクトをバスターソードで破壊したり、宝箱からアイテムを回収したり、敵と交戦しながら目的地へと向かう探索ミッションになる。敵と遭遇するとバトルに突入するが、オリジナル版のようなエンカウント描写は無く、シームレスにリアルタイムバトルに移行する。アクション時は通常の3Dアクションのようにフィールドを駆けずり回りながら攻撃、回避、ガードなどを駆使して戦うのだが、攻撃する事で溜まる「ATBゲージ」を消費することでアビリティや魔法などのバトルコマンドを使用できる。コマンドメニューを開くとスローモーション状態になりじっくり戦略を考える時間が生まれるので、オリジナル版のように「次はどんなアビリティや魔法を使おうか?」と時間に余裕を持ってコマンドを選択できるようになっている。
更に「バースト」という要素もあって、攻撃を繰り返して敵のバーストゲージを貯めると敵はバースト状態になる。バースト状態の敵は無防備でダメージも多く与えられるが、バーストゲージは時間の経過で減っていくのでその点は注意が必要だ。基本的にはこの2つの要素を使いながら戦っていくのがこのゲームの肝のようだ。尚、アクションゲームが好きなユーザー向けに、アビリティや魔法等をボタンにプリセットする事で、コマンドメニューを開くことなくショートカットからコマンドを使用することもできるので、アクションゲームのようなプレイを楽しみたい人はこれを活用していくのも良いだろう。ちなみに試遊版には搭載されてないが、クラシックモードというシステムが発表されている。キャラクターはオートで攻撃等のアクションを行い、その間にATBゲージが溜まるので、プレイヤーは使いたいアビリティや魔法、アイテムの選択に集中できるという、オリジナル版のゲームシステムを再現したものである。オリジナルからそれほどゲームに手を出していなかったアクションが苦手なユーザーもこのモードがあれば安心だろう。
<多種多様な攻撃法を持つボス>
雑魚敵を倒して魔晄炉の炉心に辿り着いた後に爆弾をセットするとボスのガードスコーピオンが出現する。このボスはフィールドを動き回りながら、アームや尻尾を使った近接攻撃や、ボディから射出するミサイル攻撃、尻尾から放つテイルレーザー等の様々な攻撃を加えてくるので、プレイヤー側の対応性が求められる内容になっている。具体例で言うとボスが接近戦を仕掛けてきた場合はクラウドで敵の懐へ飛び込んで接近攻撃し、ボスが遠方からミサイル攻撃を仕掛けてきた場合は操作キャラをバレットに切り替えてガトリングで応戦、テイルレーザーなどの強力な攻撃は遮蔽物に隠れてやり過ごすといった感じだ。この状況に応じて戦うボス戦は、絶えず変化が起こるのでゲームプレイとして飽きが来ないし、気が抜けない緊張感を産み出していて非常に楽しめた。また今回戦ったガードスコーピオンは序盤のボスということで本編ではオリジナル版(FFⅦ)で登場したボス戦がどのようなものになっているか期待させられた。
試遊版クリア後に感じた印象は「懐かしいけど新しい」だ。90年代のゲームを現代のハイクオリティなビジュアルと3Dアクションというゲームプレイで表現しつつも、ATBシステムにより昔のターン制RPGの要素も織り込まれていて、良い意味で新+旧のキメラのようなゲームシステムが完成しているように思えた。
TGS2019の北瀬 佳範プロデューサーの発言によると、今作にはオリジナル版(FFⅦ)に関わったコアメンバーと、当時オリジナル版をプレイした若いスタッフが携わってくれているとの事で、新旧のバランスの取れたゲームデザインになっているのはこのクリエイターたちの熱意の結果だと思われる。試遊版でプレイできたのは序盤部分のみだが、製品版に更なる期待を寄せさせるクオリティに仕上がっていたので製品版も是非ともプレイしたい!
取材にご協力して頂いたスクウェア・エニックスの皆様ありがとうございました。
(タイトル)FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE
(発売予定日)2020年3月3日発売(火)
(価格)DL版、パッケージ版(8,980円+税)
パッケージ+フィギュアセット(33,980円+税)
(公式サイト)https://www.jp.square-enix.com/ffvii_remake/
© 1997, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION: © 1997 YOSHITAKA AMANO
※画面は開発中のものです。
<シリーズ開始から23年目の新作「新サクラ大戦」>
「新サクラ大戦」は90年代にメガヒットを飛ばした「サクラ大戦」シリーズの最新作だ。筆者はこのシリーズに関して未プレイで、知り合いから少し話を聞いた程度の知識しかないので、シリーズ初心者の目線からサクラ大戦の最新作はどのように見えるか?という視点でレポートして行きたい。
(公式トレイラー)
今作はアドベンチャーパートとバトルパートの二つの要素を持ち合わせたゲームだ。前半ではアドベンチャーパートで各キャラクターと交流し絆を深め、後半のバトルパートではロボットに乗り込み戦うことが目的となる。それではアドベンチャーパートからレポートをして行こう。
<こだわりのアニメーションと「LIPS」システム>
プレイして印象的だったのはヒロイン天宮さくらをはじめとするキャラクターの細やかなモーションだ。各キャラクターの目、眉、口等の顔の表情や、指や手の動き、さっと振り返って髪をなびかせたり、顔をプレイヤーの方に寄せて話しかけてくる演技はどれも非常に可愛らしく、アニメ的世界観の本作には売ってつけの演出になっている。これらの細やかな感情表現により、キャラクターのモデリングから生命観を感じることが出来て、アニメーションを見るだけでもゲームの世界観に引き込まれた。今作のアドベンチャーパートの基本となるのが「LIPS」というシステムだ。制限時間内に選択肢の中からどれかを選び出し、その結果によって信頼度が上昇したりシナリオの分岐が発生するシステムだ。選択肢を選ぶとキャラクターがそれに応じたリアクションをとるのだが、いずれの選択肢にも専用のモーションが作られていて制作陣のこだわりを感じることが出来る。
<新旧のユーザーを取り込むシナリオ>
主人公の神山誠十郎の目的は、とうに廃れた部隊の華組を立ち上げ直してかつての栄光を取り戻す事だ。華組は旧サクラ大戦シリーズから続く組織で、神山や雨宮さくらは新世代の華組メンバーだ。とうに廃れた旧シリーズの組織の復活というと、シリーズに思い入れが無い人にとっては間口が狭いのではないか?と思われるかもしれない。しかしそんなことは無く、旧キャラクターでは無く、新キャラクターが主軸になってかつての組織の復活を目指す為、華組に何の思い入れのない筆者でも使命感を持つ事が出来た。23年ぶりにシリーズを復活させる為のシナリオとして考えると、新旧両方に向けた上手いアプローチになっていて関心させられた。
<霊子戦闘機のロボットアクション>
アドベンチャーパートが終了すると、ロボットに乗り込んでバトルパートに移行する。神山が乗り込むロボットは「霊子戦闘機・無限」という名称で、シルエットは装甲騎兵「ボトムズ」のAT(アーマード・トルーパー)を思わせるものになっており、ATのようにローラーダッシュも可能だ。主兵装は刀のようなブレードでバディの望月あざみが乗る霊子戦闘機と共に戦っていく事になる。
出撃の際にはハッタリの効いた演出がなされ、大張正巳のロボアニメようなカッコイイ決めポーズと共に、搭乗者の「帝国華劇団参上!」の決め台詞が合わさる。
霊子戦闘機にはそれぞれに特性があり、神山機は地上戦が得意で、あざみ機は空中攻撃が得意な機体になっている。プレイヤーは二機の機体を切り替えて戦えるので、シチュエーションに合わせて機体を切り替えると良いだろう。
ローラーダッシュは無制限に使うことが可能で、ダッシュで敵に接近しつつ、ブレードで切り倒していくのが基本戦術になる。ブレード攻撃以外にも敵の攻撃に合わせてステップをすると「ジャスト回避」が発動し、周りの状況がスローモーションに変化して、派手なカウンター攻撃を食らわすことも出来る。また戦闘を繰り返しているとバディとの間に絆ゲージが蓄積され、攻撃力と防御力が上昇していくので戦いを有利に進めることが出来る。絆ゲージはアドベンチャーパートでのLIPSでも溜めることができるので、戦いを有利に進めたいならお気に入りのパートナーに気に入られる選択肢を選んでおこう。
敵の堕魔のロボットも独特で、主人公側の霊子戦闘機はSD化された人型ロボなのに対し、お椀型、大蛇型、恐竜型の非人間型の対照的なデザインになっている。激しく動くアクションゲームという性質上、敵と味方のデザインは明確に区分けされてる方がプレイヤーにとっても識別し易いので、非常に的確なデザインがなされているといえるだろう。
登場人物との絆をアニメーションとLIPSシステムで楽しめるアドベンチャーパートと、簡単な操作でかっこいいロボットアクションが楽しめるバトルパート、それらが含まれた新サクラ大戦は、一本のゲームでありながら2つの要素が楽しめるお得なソフトとも言える。シリーズファンや筆者のようなシリーズ初心者にも楽しめる間口の広いソフトになっているので発売の暁には是非ともプレイしたい!
(タイトル)新サクラ大戦
(発売予定日)2019年12月12日(木)
(価格)通常版 8,800円(税)
初回限定版 14,800円(税)
(公式サイト)https://sakura-taisen.com/game/shin-sakura/
取材にご協力していただいたセガゲームスの皆さんありがとうございます。
©SEGA
※画面は開発中のものです。
新サクラ大戦付近のブースではVRタイトルの試遊台も設置されていて、各々が激しいリアクションを取りながらプレイを楽しんでいた。筆者が向かう頃には予約が既に埋まり、閉幕時間も迫っていたので試遊出来なかったが残念だ。
(VRタイトルの試遊エリア)
(VR試遊エリアを抜け出すとピポサルとトロの撮影会も行われていた)
試遊ブースの横ではステージイベントも開催され、松島初音をMCに向かえ「ぷよぷよe スポーツ」「PROJECT RESISTANCE」「仁王2」「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のイベントが行われていた。筆者も試遊の合間に観覧させて頂いたが、いずれのステージも毎回座席が埋まる人気ぶりだった。観覧者は皆笑顔に満ちていて、ゲームを愛する者同士が同じ空間でひとつになれたようだった。
「ぷよぷよ eスポーツ」ステージ
「仁王2」ステージ
※「PROJECT RESISTANCE」ステージは写真撮影禁止の為、写真はありません
ステージイベントのアーカイブ映像は下記のリンクからご覧になれるので是非ともご覧になって欲しい。
「PlayStation® presents LIVE SHOW」PlayStation®祭 OSAKA 2019
以上を持って「PlayStation 祭 OSAKA 2019」のレポートを終了する。プレイしたソフトはどれも独自の魅力を持っていて、全てのタイトルの製品版が欲しくなる欲求に駆られた。ステージイベントもゲームファンの熱気に満ちており、音楽ライブのような一体感を感じる事が出来た。そんな様々な魅力の詰まった「PlayStation 祭」は、恐らく来年も公開されると思うので、機会があれば是非ともご来場頂きたい。きっとあなたにとって記憶に残るゲームイベントとなるだろう!
取材に協力してくれたソニー・インタラクティブエンタテイメントの皆様ありがとうございました!
(PlayStation 祭 OSAKA 2019 公式サイト)
https://www.jp.playstation.com/matsuri/
(SIE公式サイト)https://www.sie.com/index.html
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