【イベントレポート】『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』プロデューサートークショー第三弾が実施!

サンダーボルト

2015年12月より有料配信中の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』全4話に新作カットを加えたディレクターズカット版『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』が6月25日(土)より全国15館にてイベント上映(2週間限定)している。

今回、『オリジン VS サンダーボルト プロデューサートーク round.3』と題し、『サンダーボルト』より小形尚弘プロデューサー、『オリジン』」より谷口理プロデューサー、河口佳高プロデューサー、アニメ評論家の藤津亮太さんが登壇した。

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会場は『サンダーボルト』の本編上映直後ということもあり、興奮冷めやらぬなか、本作の音楽を担当した菊地成孔が作曲したジャズとともにゲストが登場。歴代の「ガンダム」シリーズを制作してきたサンライズの制作作品年表を見ながらトークショーが開始され、中でもサンライズの歴史を深く知る河口プロデューサーが歴代のガンダムシリーズ担当スタッフを紹介しつつ、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』や『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』などの制作秘話や「昔はサンライズも厳しい時代がありましたね。ガンダムを作るのはお金がかかるんですよ(笑)」とここでしか聞けない話を披露した。

『オリジン』谷口プロデューサーも「最初は『オリジン』もよく知らず、コミックを読ませて頂いてから「あの安彦さんが描かれているんだ」と。そこからだったので大変でしたね」と意外な一言。中盤では河口プロデューサーから「昔はガンダム枷というか、ある種の中二観が望まれる感じがしてしまっていて、それが原因でガタついたこともありましたが、今ではいっぱい作られているから、ガンダムをつくるのはだいぶ楽になったでしょう?」と後輩プロデューサー達に向けて一言。それに対し小形プロデューサーは「作家とか現場は相変わらずしんどいけど、こうじゃなきゃいけないっていうのはなくなってきて、何でもガンダムになろうと思えばなれるんだと思いますね。あとは覚悟の問題です(笑)」と観客の笑いを誘った。

そんな中、急遽豪華サンライズプロデューサー陣に対し、客席からの質問コーナーが設けられ、漫画原作の太田垣康男がモビルスーツのデザインをリファインしたり、設定を自由に作っていたためにアニメ化は難しいと言われていた『サンダーボルト』が今回アニメ化した経緯について聞かれると『サンダーボルト』は正史か、パラレルかっていう問題はあったんですが、正直つくっているこっち側は、そんなに意識している訳じゃないんです。前までは映像化されたものが正史という考え方だったんですが、河口さんも先ほどおしゃっていたように、ガンダムの幅がどんどん広がってきて、『サンダーボルト』に関しては、たまたまスタジオ的にタイミングが良かったという理由が大きいですね。制作する中で、もちろんサンライズがやるからには正史に組み込んで良いようには作るんですけど、ただそれをあんまりやり過ぎると太田垣先生の味がなくなってしまうので、そこに関しては半分パラレルでいいのかなって思いながら作っていましたね」と『サンダーボルト』の小形プロデューサーが回答した。

そこにアニメ評論家藤津さんが「確かに観てる側からすると『オリジン』は歴史もので、史実を想像力で補っている感じですが、『サンダーボルト』はどっちかというと架空戦記っぽくて、『∀ガンダム』や『ガンダム Gのレコンギスタ』のように、シリーズのどこかにこの時代があってもおかしくない世界観ですね」とガンダムシリーズ全体から見た『サンダーボルト』にコメントした。

最後に小形プロデューサーは「『サンダーボルト』は、ガンダムという舞台設定だけ借りた、富野さんが昔言っていたように何回目かの宇宙世紀っていう考え方でいいじゃないかと思いますね(笑) 海外のコミック映画みたいに監督が代わると見え方も変わるっていうやり方も、今のガンダムというコンテンツであればこその許容力は出来ているんじゃないかと思います」とガンダムシリーズで異彩を放つ『サンダーボルト』のプロデューサーとして、会場を埋め尽くしたガンダムファンにこれからのシリーズ展開に期待が膨らむ一言を残し、大盛況の中トークショーは幕を閉じた。

告知:7月8日(金) 新宿ピカデリーにて「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」スタッフトークショー開催決定!
【登壇者】松尾 衡(監督)、小橋泰文(アシスタントプロデューサー)、仲 寿和(制作デスク)
【内容】「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」本編4K上映+トークショー

■「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」あらすじ
宇宙世紀0079、地球連邦とジオン公国が戦った一年戦争の末期。サイド4のスペースコロニー群、ムーアはジオン軍の攻撃により破壊され、多くの住人が命を落とした。破壊されたコロニーや、撃沈された戦艦の残骸が無数に漂う暗礁宙域では、ぶつかり合い帯電したデブリによって絶えず稲妻が閃くようになり、いつしかそこは、『サンダーボルト宙域』と呼ばれるようになった。ムーア市民の生き残りで構成された地球連邦軍所属部隊、ムーア同胞団は、故郷であったサンダーボルト宙域の奪還を悲願とし、宙域のジオン軍を殲滅せんとしていた。連邦の進軍を足止めせんとするジオン軍も、義肢兵の戦闘データ採取を目的に設立されたリビング・デッド師団を展開。ムーア同胞団に所属しながら、故郷や自身の出自に束縛される事を疎ましく思うイオ・フレミングと、過去の戦闘により両足を失い、今はリビング・デッド師団でエーススナイパーとして活躍するダリル・ローレンツは、戦場で対峙した時、互いに悟るのだった。ふたりは、殺し合う宿命なのだと……。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』
6月25日(土)~7月8日(金)2週間限定
全国15館にてイベント上映中!
配給:松竹
公式サイト:gundam-tb.net

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