インディーゲームシーンにおいて、新たな注目作が浮上している。EBA GAMEが手がけるホラーノベル『怪異番号~20××(ニーマルバツバツ)~』が、発売からわずか1週間で販売本数1,181本を突破。実況配信をきっかけに話題が広がり、Steam上で存在感を強めている。

本作は2026年3月31日にSteamでリリースされたテキストアドベンチャー作品。価格は400円(発売セール時は20%オフの320円)と手に取りやすい設定ながら、プレイヤーからは“価格以上”との評価が相次いでいる。
実況配信から火がついた口コミ的ヒット
本作の拡散に大きく寄与したのが、人気実況者による配信だ。
レトルトやポッキーといった影響力の高い配信者が取り上げたことで、一気に認知が拡大。SNSや動画コメント欄でも感想が活発に投稿されている。
ユーザーからは以下のような声が多く見られる。
- 「上半期最高の傑作」
- 「一本の映画を見たような気持ち」
- 「読了後の高揚感がすごい」
- 「グロに頼らないのが良い」
- 「ホラー初心者でも遊べる」
特に、「怖さ」だけでなく「物語としての完成度」が評価されている点が特徴的だ。
“電話番号の落書き”から始まる平成怪異ホラー
『怪異番号~20××~』の導入は非常にシンプルだ。
舞台は平成中期の日本を思わせる地方都市。公衆トイレに書かれた“恋愛番号”と呼ばれる電話番号を巡る噂が物語の発端となる。
「好きな相手との相性を占ってくれる」——そんな軽い興味から主人公は夜の町へと足を踏み入れるが、電話の先に待っていたのは、恋占いとは程遠い不可解な存在だった。
物語は4つの独立したエピソードで構成され、それぞれがやがて一つの“怪異”へと収束していく構造を持つ。プレイ時間は約2時間とコンパクトながら、密度の高い体験が味わえる設計だ。
ジャンプスケアなし。“じわじわ侵食する恐怖”が核
本作最大の特徴は、いわゆるジャンプスケア(突然の大音量や演出による驚かし)を排除している点にある。
代わりに描かれるのは、「日常の延長線上にある違和感」だ。見慣れた風景、聞き覚えのある噂、子どもの頃に感じた得体の知れない恐怖——そうした記憶に訴えかける演出が積み重なり、プレイヤーの内側から不安を引き出していく。
このアプローチにより、ホラーが苦手な層でもプレイしやすく、それでいて印象に残る“後味の怖さ”を実現している。
ノスタルジーと都市伝説の融合
『怪異番号~20××~』は、平成中期の空気感を強く意識している。公衆電話、落書き文化、口コミで広がる怪談——いずれもインターネットが現在ほど発達していなかった時代特有のリアリティを持つ要素だ。
この“少し昔の日本”という設定が、怪異の説得力を一層高めている。
「こんな話、どこかで聞いたことがある」と感じさせる距離感こそ、本作の恐怖演出の核心と言えるだろう。

ウィッシュリスト2,600件超え。インディーとしては順調な滑り出し
Steamにおけるウィッシュリスト登録数はすでに2,600件を突破。インディーのホラーノベルとしては堅調な数字であり、今後のセールや口コミ次第でさらなる伸びも期待できる状況だ。
実況との相性が良い構造であることも追い風となっており、今後も配信経由での認知拡大が続く可能性は高い。
開発者が描く“記憶に残る恐怖”
開発元EBA GAMEは、本作について「子どもの頃に感じた正体不明の恐怖」をテーマに据えたと語る。
単なる怖さではなく、プレイヤー自身の記憶と結びつく体験を重視し、“思い出すことで怖くなる”構造を意識して制作されたという。
その結果として生まれたのが、プレイ中よりも“プレイ後に効いてくる”タイプのホラー体験だ。
低価格×短時間で濃密な体験を求めるなら有力な一本
『怪異番号~20××~』は、約2時間という短さと低価格ながら、物語体験としての満足度を重視した作品だ。
- ジャンプスケアが苦手
- ストーリー重視のホラーが好き
- 短時間で印象に残る作品を探している
こうしたプレイヤーにとって、本作は有力な選択肢となるだろう。
実況発のヒットという側面を持ちながらも、内容そのものがしっかり評価されている点は見逃せない。今後の展開次第では、“静かに広がる名作”として長く語られる可能性もある。
© EBA GAME



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