『アクト・オブ・キリング』『ルック・オブ・サイレンス』で知られるジョシュア・オッペンハイマー監督が、初の長編フィクション作品として手がけた黙示録的ミュージカル映画『THE END(ジ・エンド)』が、12月12日(金)より公開される。
このたび、主演のティルダ・スウィントンがキュートな“猫耳姿”を見せるなど、終末世界の豪奢で歪んだ地下生活を切り取ったシーン写真6点が解禁された。
終末後の地球で描かれる、富裕層の“歪んだ楽園”
物語の舞台は、環境破壊によって地上が住めなくなってから25年後の地球。
地下シェルターで贅沢な生活を続ける富裕層の一家のもとに、外の世界からひとりの若い女性が現れる。
その出会いをきっかけに、閉ざされた生活の中で保たれていた“脆い日常”が少しずつ崩れ、やがて家族は自らの過去と存在の真実と向き合うことになる。
終末を祝祭のように生きる——不穏で美しい“地下の饗宴”
今回公開されたシーン写真には、ティルダ・スウィントン演じる母と、マイケル・シャノン演じる父が仮装を楽しみながら食卓を囲む姿や、
ハリウッドサインのジオラマを前に現実逃避する母、名画の前で歌い出す家族など、幻想と狂気が入り混じった情景が並ぶ。
豪華な衣装や美術が織りなす画面には、滅亡寸前の地球においても“贅”を失わずに生きようとする人々の滑稽さと狂気が漂う。
現実と虚構、歓喜と絶望がないまぜになった映像美は、オッペンハイマー監督ならではの不穏な詩情をたたえている。

『アクト・オブ・キリング』監督が放つ“黙示録的ミュージカル”
監督のジョシュア・オッペンハイマーは、インドネシアの大量虐殺を加害者視点で描いた『アクト・オブ・キリング』(2014)でアカデミー賞®長編ドキュメンタリー部門にノミネート。
続く『ルック・オブ・サイレンス』(2015)では被害者側の視点を描き、世界的な評価を確立した。
本作『THE END』では、ドキュメンタリーの手法を超えて“終末後の世界を舞台にしたミュージカル”という異色の試みに挑戦。
終焉の地で歌い、笑い、壊れていく人間たちを通して、「希望とは何か」「生き延びる意味はあるのか」という根源的な問いを突きつける。
豪華キャストが歌声で魅せる“破滅のオペラ”
主演のティルダ・スウィントンは、母親役としてプロデュースも兼任。
息子役をジョージ・マッケイ(『1917 命をかけた伝令』)、父親役をマイケル・シャノン(『シェイプ・オブ・ウォーター』)が務め、ほかにもモーゼス・イングラム、レニー・ジェームズら実力派が出演する。
彼らは劇中でそれぞれ歌声を披露し、**終末と祝祭が共存する“黙示録的ミュージカル”**を完成させている。
作品情報
タイトル: THE END(ジ・エンド)
公開日: 2025年12月12日(金)
監督・脚本: ジョシュア・オッペンハイマー
共同脚本: ラスムス・ハイスターバーグ
出演: ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン
製作国: デンマーク・ドイツ・アイルランド・イタリア・イギリス・スウェーデン・アメリカ合作
上映時間: 148分
配給: スターキャットアルバトロス・フィルム
宣伝: 東映ビデオ
字幕翻訳: 松浦美奈
原題: The End
公式サイト: https://cinema.starcat.co.jp/theend/
公式X: @THE_END_movieJP
© Felix Dickinson courtesy NEON
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