【STORY】
サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、彼氏のトロイ、親友のテッサ、何かとトロイにちょっかいを出してくるアナベルたち同級生と、修学旅行でワシントンD.C.を訪れている。はしゃぐクラスメイトを、ひとり冷めた目で眺めている、どこか物憂げなリリアン。夜、皆で抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。その場にいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込むと、大きな鏡の裏に“秘密の扉”があった。それは地下通路へと繋がっていて……。
【以下プレスリリース文掲載】
第76回カンヌ国際映画祭にて監督週間に選出され、そのクールな映像スタイルと奇妙でアイロニカルに溢れた物語の構築で話題となった注目作『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』が、いよいよ3月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開となります。
本作で監督デビューを飾ったショーン・プライス・ウィリアムズは、これまでに長編映画を約60本、さらに50本の短編と7本のシリーズもの、他にもミュージックビデオなど、計120本を超える作品で活躍してきた、実はベテランの撮影監督。本作でも16ミリフィルムでの撮影にこだわり、被写体に迫る鋭いリアリティと、ラフでありながら味わい深いカメラワークにてその手腕を発揮している点に注目したい。
本作は、どこか物憂げな高校生リリアン(タリア・ライダー)を主人公に、恐怖とユーモアが交錯する現代アメリカ(=不思議の国)の闇(=リアル)を巡る、数奇な旅を描く物語。
修学旅行でワシントンD.C.を訪れた高校生のリリアンが、バーで銃乱射事件に遭遇してしまい、店のトイレへ避難。大きな鏡の裏には秘密の扉があり、彼女は不思議の国アメリカに迷い込んでいく。その後、リリアンが出会うのは、感傷的なネオナチ大学教授、インテリ気取りの映画監督、山奥に集うイスラム主義者など、トランプ時代の現代アメリカを表すような奇妙な人々だった……。
劇中には、実際にアメリカで起こった事件や人物をモデルにしたエピソードのほか、それらを皮肉った展開なども多数登場。また、映画マニアのショーン・プライス・ウィリアムズ監督ならではの映画愛に溢れた、遊び心ある撮影方法やオマージュシーンなどがふんだんに盛り込まれていることから、この度、アメリカ事情と映画事情に詳しい映画評論家の町山智浩さんによる“知っているとより楽しめる”解説動画を作成。一部劇場にて本編上映後に、本作にまつわる10のキーワードから、現代アメリカの闇を皮肉とユーモアで痛烈に描き、奇妙奇天烈シーン満載の本作の謎を解く、「細かすぎる深掘り解説動画」を、3日間限定で上映する。この貴重な機会に是非、劇場でご覧いただきたい。
実施劇場
ヒューマントラストシネマ有楽町
ヒューマントラストシネマ渋谷
シネ・リーブル池袋
アップリンク吉祥寺
テアトル梅田
シネ・リーブル神戸
アップリンク京都
実施日程
3/14(金)、15(土)、16(日)の初回
また、遠藤麻衣子監督や空音央監督、福永壮志監督といった、ショーン・プライス・ウィリアムズ監督ともともと親交の深い日本の映画監督たちやアメリカ在住のジャーナリストで研究者の竹田ダニエルさん、同じくアメリカ在住の映画評論家である町山智浩さんのコメントを追加した計10名の推奨コメントを以下、お送りいたします。(敬称略/五十音順) ※緑=解禁済み、青=新たに解禁
遠藤麻衣子(映画監督)
学校では教えられないことの塊(それは魂)
永遠の映画少年ショーンがカメラ片手に
超新星(タリア・ライダー)爆発の瞬間を記録したミラクル創世記(ジェネシス)
鍵和田啓介(ライター/編集者)
まるでソフィア・コッポラがリメイクした『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』。
トランプ政権以後に皮肉な政治コメディを作るなんて野蛮だ。それでもなお作ってしまった蛮勇に拍手を。
空音央(映画監督)
最後にちょっと、監督のショーンが登場してリリアンに微笑みかけるんだけど、
それも束の間。またとんでもないことが起きて、ショーンが苦笑いする。
うん、笑うしかないよな、崩壊していく不思議な国アメリカを。
竹田ダニエル(ジャーナリスト/研究者)
極端な思想と過激なニュースが蔓延る国、アメリカ
絶望と無関心の世代の若者が迷い込んだ先には、善も悪もない、理不尽な人間の孤独と欲望だけがあったーー
まるで醒めない悪夢のような現代の「意味不明さ」を、美しいフィルターを通して覗くような作品。
福永壮志(映画監督)
ショーン・プライス・ウィリアムズの趣味趣向や哲学、人間そのものがスクリーンから溢れ出てくるようだった。
映画はもっと自由でいいんだと思い知らされる。
町山智浩(映画評論家)
少女が鏡を通り抜けてアメリカの闇を大冒険。
Qアノン、アンティファ、ネオナチ、過激派カルト?
夢のように美しい映像で描かれる、もうひとつの『シビル・ウォー』!
降矢聡(グッチーズ・フリースクール/映画配給)
さすがはメイズルス兄弟に師事したショーン・プライス・ウィリアムズ監督。
不思議な魅力を持つリリアンを通して、アメリカの多様な風景と文化を鮮やかに描き出した。
スウィートで恐ろしい、めくるめく傑作!
村山章(映画ライター)
ここではないどこかへ、という青春映画の永遠のテーマを、最強の空っぽ娘がひっかき回す!
われわれはこの魅惑的な虚無に立ち向かえるのか?
山崎まどか(コラムニスト)
混乱したティーンエイジャーの目には、今の米国がこんな風に見えるのかも。
イデオロギーと男たちを軽やかにすり抜けながら、それでも彼女は「アメリカ」から逃れられない!
ゆっきゅん(DIVA)
わくわくするようながっかりするような世界を、リリアンは軽やかに彷徨う。
狂った時代におかしな場所で生き延びるには、こんなおとぎ話が必要だ。
『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』は、3月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。
『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』
監督・撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ『グッド・タイム』『神さまなんかくそくらえ』(撮影監督) 脚本:ニック・ピンカートン
出演:タリア・ライダー『17歳の瞳に映る世界』、サイモン・レックス『レッド・ロケット』、ジェイコブ・エロルディ『プリシラ』、アール・ケイヴ『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』、ジェレミー・O・ハリス「エミリー、パリへ行く」、アヨ・エデビリ「一流シェフのファミリーレストラン」、リッシュ・シャー『JOY 奇跡が生まれたとき』
2023年|アメリカ映画|英語|104分|16:9ビスタ|5.1ch|原題:The Sweet East|R15+
提供:ニューセレクト|配給:アルバトロス・フィルム © 2023 THE SWEET EAST PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:sweet-east.jp X:@The_Sweet_East
コメント