1月20日(金)公開 映画『母の聖戦』テオドラ・アナ・ミハイ監督オフィシャルインタビュー

 

 

【STORY】

メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い、20万ペソの身代金を支払っても、ラウラは帰ってこない。警察に相談しても相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す。そのさなか、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結び、組織に関する情報を提供したシエロは、誘拐ビジネスの闇の血生臭い実態を目の当たりにしていく。人生観が一変するほどのおぞましい経験に打ち震えながらも、行方知れずの最愛の娘を捜し続けるシエロは、いかなる真実をたぐり寄せるのか……。

 

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

 

 

ダルデンヌ兄弟×クリスティアン・ムンジウ×ミシェル・フランコ共同プロデュース

メキシコの実話をベースに、巨大化された「誘拐ビジネス」の闇に迫った衝撃作

現代のヨーロッパを代表する名匠のダルデンヌ兄弟、『4ヶ月、3週と2日』でカンヌ映画祭パルムドールに輝いたクリスティアン・ムンジウ、『或る終焉』で知られるメキシコの俊英ミシェル・フランコがプロデューサーとして参加し、テオドラ・アナ・ミハイ監督の劇映画デビューとなった本作。犯罪組織に誘拐された娘を奪還するため、命がけの闘争に身を投じた女性の実話をベースに、ごく平凡なシングルマザーの主人公がたどる想像を絶する運命を映し出す。

ある日突然、娘を誘拐された主人公シエロは、容赦なく身代金をむしり取られ、たちまち孤立無援の極限状況に。誰にも頼れないことを悟ったシエロは、危険を顧みず犯罪組織への監視、追跡を行い、軍をも巻き込んで娘の捜索を繰り広げていくー。

 

 

センセーショナルな社会派劇×緊張感みなぎるクライム・スリラー

年間約6万件(推定)の誘拐事件が発生するメキシコを舞台に描かれた、このセンセーショナルにして骨太な社会派ドラマは、決して裕福ではない庶民が犯罪組織に搾取され、警察にも取り合ってもらえない非情な現実を描き出す。全編にわたって主人公シエロの視点でストーリーが展開し、観る者を誘拐ビジネスの闇の奥深くへと誘い、この世のものとは思えない理不尽な暴力が渦巻く光景を目撃させていく。入念なリサーチが重ねられた、リアリスティックな眼差しに貫かれた映像世界の強度に息をのまずにいられない。母の深い愛情と強い怒りを描いた衝撃作であり、並外れた緊迫感がみなぎるクライム・スリラーが誕生した。

 

 

テオドラ・アナ・ミハイ監督 「この物語を人々に伝えなければと感じて、自分のエネルギーすべてを捧げた」

知られざるメキシコの誘拐ビジネスの闇に迫り、我が子の奪還を誓った母親の、想像を絶する愛と執念の物語『母の聖戦』は、ルーマニア生まれでベルギーを拠点に活動するテオドラ・アナ・ミハイ監督の劇映画デビュー作となる。ルーマニア生まれのミハイ監督がメキシコの誘拐ビジネスを題材にした作品を撮るに至ったきっかけは、16歳の時にサンフランシスコに留学した際にメキシコをルーツに持つ友人がたくさんできたことだといい、親しみを持ったメキシコを久しぶりに尋ねた際、麻薬戦争の勃発により街の様子が一変し、市民の日常が危険に晒されていたことに衝撃を受けたからだという。さらに主人公のモデルとなったミリアム・ロドリゲスという一人の女性との出会いが映画化を決定づけたといい、「彼女が私に最初に言ったことのひとつが『毎朝起きるたびに、拳銃で自殺するか、人を撃ちたい』というものだった。この人は主婦なのよ。この人がこんな風に話すには一体どんなことを経験したの?このことが私に、『母の聖戦』の物語を伝えなくてはと決心させた。そして、この環境に生きる子どもではなく、自身の子どもを探す母親の視点でこの物語を語るべきだと気がついた瞬間だった」と語り、「母親の原始的な強さがあって、ライオンの雌のように、子どもを守るためには何でもやるの。これはとても普遍的なもの。なぜならどんな文化的背景を持つ人でもこれを理解するし、自分自身が親でなくても自分は誰かの子どもだから。女性の主人公がこれを表現できると思っていた」と、母親の視点で描くことを決めた理由を明かした。また当初はドキュメンタリーを想定していたが、「この物語とセンシティブな情報の特性上、観察する形式のドキュメンタリーを撮るのは極めて難しかった。フィクションにすることで、私たちが言いたいことを正確に言う自由が得られると考えた」と、安全面に配慮しつつ説得力のある作品をつくるためフィクションで撮ることに決めたという。実際の撮影では安全のために「必要最小限の人にだけ知らせて撮影をしていた」といい、さらに「自分の国じゃない国へ行って映画を撮るのはとてもストレスのかかること。パンデミックの間は特にね。だけど私は挑戦することが好きで、そうすることで自分の一番良いところがひきだされた。この物語を人々に伝えなければと感じて、自分のエネルギーすべてを捧げた」と、逆境を力に変えて決死の覚悟で挑んだという。劇映画デビュー作となった本作がカンヌの「ある視点」部門でプレミア上映されたことに対しては、「素晴らしく光栄なこと。すべての映画監督がこの美しい舞台を夢見ている。(カンヌで上映されるということは)この映画は旅をして、人に観られて、話題になるということだから。物語を語るとき私たちが望むことは、それが共有されることなの。特にパンデミックの中で映画を製作した後にその作品をカンヌの観客と共有することは、より特別に感じる」と、その喜びを語った。

 

 

 

 

 

 

監督:テオドラ・アナ・ミハイ

製作:ハンス・エヴァラエル

共同製作:ダルデンヌ兄弟、クリスティアン・ムンジウ、ミシェル・フランコ

出演:アルセリア・ラミレス、アルバロ・ゲレロ、アジェレン・ムソ、ホルヘ・A・ヒメネス

2021年/ベルギー・ルーマニア・メキシコ合作/135分/カラー/スペイン語/5.1chデジタル/ビスタサイズ 字幕翻訳:渡部美貴 映倫G 配給:ハーク 配給協力:FLICKK 宣伝:ポイント・セット 公式HP:https://www.hark3.com/haha

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1/20(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

 

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