ポンコツ野郎の人生にフリーダムファイト! by ジャンクハンター吉田 第5回 あおり運転グーパンチ男の被害者は追い越し車線走行で道交法違反に問われないのか?

【文:ジャンクハンター吉田】

あおり運転グーパンチ男のドライブレコーダーの映像がテレビのニュースソースで報道されまくってから一週間ほど経ち、昨夜発表になった韓国のGSOMIA破棄のおかげでようやく過熱報道が沈静下された様子。

今日、警察密着番組の打ち合わせで某警察署へ行き、いつもお世話になっている(悪いことしてお世話になってるわけじゃなくお仕事でだよ)交通課のAさんとランチしながら色々と雑談。お互いの情報交換って物凄く重要で、吉田自身が取材して調べてきた話をすれば交換条件なわけじゃないけどもAさんから内々のお話も教えて貰えるので良好な関係を築き上げられるんですが……Aさんは早速、筆者が書いた先日エンタジャムで掲載したコラムの第4回目を読んだとのこと。まさに職業病でしょ、それって(苦笑)。

で、グーパンチ男のあおり運転問題報道に関してはあおり運転の自衛策など含めフジテレビ( https://www.fnn.jp/posts/00047798HDK/201908201700_MEZAMASHITelevision_HDK )が一番頑張っていたとAさんは言う。
その理由を聞くと「被害者は片側三車線の常磐自動車道を右側の追い越し車線を走行中に後ろからあおられ始めた。そして加害者は被害者車両の左側を中央車線へ車線変更して物凄いスピードで追い抜き、中央の車線から追い越し車線へ強引に移動して目の前へ出る。被害者車両は不穏に思い、中央車線へ追い越し車線から移動するも加害者はそれに合わせて中央車線へ移動し完全に前方を塞ぐようにマーク。ここまで詳細に報道してくれないと被害者の方に落ち度がまったくなかったと思われてしまうので、追い越し車線を走り続けるのは交通違反になると理解してもらえないから、フジテレビはそのあたりを徹底的に調査していたので頑張っていたと思う」とのこと。

なるほど。確かにフジテレビが一番最初に被害者の車内撮影用ドライブレコーダーの映像をスクープ的に流していたような気がする。その車内撮影用ドライブレコーダーの映像には追い越し車線を走行していた被害者車両の左脇、つまり中央車線へグーパンチ男が背後から車線変更し、アクセルフルスロットルで追い抜いていくシーンが見られた。

ここで気になったのが一番最初に被害者がテレビ局へ提供したドライブレコーダーの映像だ。その映像では被害者車両が中央車線をゆっくり走行しながらグーパンチ男がわめきながら前へ出て強制停車させられて殴られるとの顛末しか流されていなかった。この映像を見た筆者は、グーパンチ男は完全に無差別テロのように速度の遅い車両をあおりまくっていた危険なヤツとの認識が生まれてしまったんだけども……後日提供されてテレビで報道されたこの車内撮影用ドライブレコーダーの映像で被害者は追い越し車線を走行していたのが確認できた。ということは、やっぱり被害者にも追い越し車線を普通に走行していた過失が生じる。Aさんは交通課に所属している警察官だから意識して報道を見ていたようだが、道路交通法違反を熟知している側からするとモヤモヤするのは間違いない。

世間は、というか普段クルマを運転しない方は、追い越し車線を走行することが交通違反になるとの認識が希薄なのではないかとの問題が出てくる。グーパンチ男は結構な距離をあおって運転していたそうだが、被害者車両が追い越し車線を走行するのはいいんだけども中央車線へ速やかに移動せず、追い越し車線走行中の滞留時間がかなり長かったんだろうと推測ができる。しかも追い越し車線はそもそも速度を上げて加速した状態で車両を追い越すのが通例なわけで、被害者車両はゆっくりと走行していたようだし、グーパンチ男は邪魔だ邪魔だ、ドケドケと言わんばかりにブイブイ言わせた運転を常にしている輩だからこそ、最悪な結果になってしまったんだろう……とAさんと食事しながら延々にそんな話題ばかり。

これは被害者が追い越し車線の走行を続けていたことで交通違反扱いになるのを恐れて最初から車内撮影用ドライブレコーダーの映像を提供しなかったのか、またはマスメディア側や警察側が被害者側には過失がないように工作してのグーパンチ男を凶悪犯にさせるための情報操作だったのかはわからない。

別にグーパンチ男を救いたいわけじゃない。交通ジャーナリストとして仕事をしていると俯瞰で物事を見て判断しないといけない状況が多々あるためだ。あおったり殴ったりとかしているのでグーパンチ男は暴行罪で捕まるのは当たり前。ただ、交通違反に関して平等に察すると、被害者側もあきらかに通行帯違反で検挙対象になるはず。だって車内撮影用ドライブレコーダーの映像に自ら追い越し車線を普通に運転している姿が記録されているからね。
揺るぎない証拠が映像で残されている……。

こんな話をAさんと小一時間話し込んだすえ、「被害者は道交法で通行帯違反に問われることはこの状況でないんですかね?」と問うと、「最終的には所轄の取手署が判断することだからわからない。世間は被害者が可哀想との風潮で流れてしまっているから罰せられるのはあの加害者だけども、映像で通行帯違反の証拠が残っていても被害者側は交通違反で検挙はないと思うね。殴られた彼には気の毒だけど、高速道路でどんな状況でも停車したらまずハザードランプを点けないと後ろから追突される可能性があるし、パーキングにシフトレバーを入れたりサイドブレーキを引くなりして止めることは運転者責任に問われてもおかしくない。殴られた衝撃でブレーキペダルを足から離してしまい加害者の車両へ追突している映像も残っているので、ここはお互いが弁護士を立てて争うことになったら追及されてしまう部分かもしれないね」との返答。

確かに言われてみればそうだわな。停車したらブレーキペダルだけを踏んだままって何かあったら危険なのでペダルを踏みつつ、パーキングへレバーを入れるかサイドブレーキは必ずするようにカラダに染みついている。何かの弾みでクルマが発信しちゃったら危ないわけだし、グーパンチ男に殴られて被害者車両がゆっくり進んで追突した映像に対し、とてもモヤモヤした気持ちがあったのも事実。

結論だが、被害者の方は普段運転馴れしていないホリデードライバーなのか、それとも道路交通法を良く知らない方だったのか、いずれにしてもどちらかは間違いない。と書きながらもグーパンチ男が圧倒的に悪いのも間違いない! ただ物言いしたいのは追い越し車線の走行を続けていたのは被害者側の落ち度。実際、筆者のところにも今回の一件で「あれって追い越し車線を走行続けていたからあおられる切っ掛けを作ったと思うんですけど」とのドライバーの方から多くご意見を頂戴している。水掛け論にならないようにするため、運輸省はドライブレコーダーを全車両への設置義務させないといけませんなぁ。

ジャンクハンター吉田Twitter:https://twitter.com/Yoshidamian
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吉田武公式サイト:http://takeshi-yoshida.com/

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