『バーフバリ』2部作誕生の原点、S.S.ラージャマウリ監督の傑作『マガディーラ 勇者転生』が8月31日(金)から全国順次ロードショーとなる。
今回、“バーフバリ”のルーツである『マガディーラ 勇者転生』誕生秘話が明らかになる、S.Sラージャマウリ監督の最新オフィシャル・インタビューが解禁された。
昨年末12月29日の公開以来、≪今映画館で上映されている映画で間違いなく一番面白い!映画≫として、噂が噂を呼び観客が主人公バーフバリの名前を叫ぶ《絶叫上映》も話題となって半年を超えて驚異のロングラン・ヒット中の奇跡の映画『バーフバリ 王の凱旋』。S.S.ラージャマウリ監督の来日に続く6月1日公開の<完全版>も大好評で、クマラ・ヴァルマ役のスッバラージュ氏の緊急来日なども話題となって既に全国興収2億2000万円を突破して現在も絶賛続映中で、日本中に吹き荒れる“バーフバリ旋風”はとどまるところを知らない。その熱狂と興奮を受け、ついに『バーフバリ』2部作誕生の原点として、日本公開が待望されていたS.S.ラージャマウリ監督の傑作『マガディーラ 勇者転生』の劇場公開が決定した。
本作は、2009年に4億ルピー(約6億4000万円)という当時テルグ語映画史上最高の製作費を投じて製作され、本国では1000日を超えるロングランを記録した大ヒット作で、400年の時を越えた“運命の恋”がスケールの大きなアクションと共に描かれる。『バーフバリ』の原点ともいうべき史劇スペクタクルの見せ場も数多く、歌と踊りが満載の<マサラ・ムービー>としての楽しさも存分に味わえる傑作として高い評価を獲得、今も圧倒的な人気を誇るテルグ映画史上屈指の1本とされている。
監督・脚本のラージャマウリはじめ、原案、撮影、音楽、編集などスタッフはほぼすべて『バーフバリ』2部作と同じチーム。4月の来日時、日本のファンの熱狂ぶりに感動したラージャマウリ監督は彼の代表作の1本でもある本作の日本での上映を熱望、ラージャマウリ監督が帰国直後自ら再編集を行ったディレクターズ・カット国際版での上映となる。
■S.S.ラージャマウリ監督インタビュー
インタビュアー:江戸木純
—『マガディーラ 勇者転生』は輪廻転生を核にした物語ですが、監督は本作以前や本作に続く『マッキー』でもユニークな輪廻転生の物語を描かれています。監督が輪廻転生にこだわる理由と本作の構想はどこから生まれたのかを教えてください。
S.S.ラージャマウリ(以下、SSR):輪廻転生を扱う理由にさほど深い意味やこだわりはありません。現在と過去が交錯する面白くユニークなドラマを語るための装置のようなものですね。この映画に関して言えば、『バーフバリ』2部作と同じように父が物語の草案を練りました。部分的にはさまざまな神話や民話、過去の古典的な映画の要素も取り入れています。また、観客のみなさんに喜んでもらえるようにという商業的な視点から、現代と過去、それぞれのシーンで歌と踊り、そしてハードなアクションや格闘シーンを入れ込みました。
—この物語はラージャスターンに栄えたウダイガル王国と現代のハイダラーバードという2つの場所で語られます。この2つの土地を設定されたことに何か特別な理由がありますか?
SSR:私は、ラージャスターンはインドの中で最も美しい場所のひとつだと思っています。美しい砦の数々をはじめ、広大で素晴らしいロケーションがたくさんあるのです。それらの場所は、私が400年前の物語を語るために完璧な場所ばかりでした。一方、私たちが熟知しているハイダラーバードはまさに現代都市で、現代の場面を描くのにこれ以上の場所はありませんでした。
—『マガディーラ 勇者転生』の成功は、『バーフバリ』2部作の製作に対し、どのような影響を与えましたか? また、本作での経験が『バーフバリ』2部作に活かされた部分はありますか?
SSR:映画製作の最終権限は各作品のプロデューサーが持っていて、作品が実現するかどうかは、プロデューサーがいかにその物語を信じるかにかかっています。『マガディーラ 勇者転生』の場合は、プロデューサーが脚本をとても気に入ってくれ、その物語を語るために必要なテルグ映画史上最高となる高額な製作費を集めてくれました。『バーフバリ』2部作に関しても状況は同じで、他の作品の成功の影響というわけではなく、別のプロデューサーがその物語を信じて、莫大な製作費を集めてくれたのです。経験という面では、本作だけではなく、これまでのすべての作品の経験が次の作品に活かされています。VFXを多用し、多くのスタッフと共同作業を行ったこの映画での経験は『バーフバリ』2部作以上に、『マッキー』の企画の構想や製作実現に活かされたと思います。『バーフバリ』2部作はある意味さらに次元の違う挑戦でしたから。
—『マガディーラ 勇者転生』は『バーフバリ』2部作以上に歌と踊りが作品の重要位置を占めています。特に冒頭の埠頭でのダンス・シーンはとても印象的ですし、ウダイガル帝国でのスペクタクル・ダンスシーンも素晴らしい見せ場となっています。この映画のダンス・シーンの創造の過程を教えてください。
SSR:第一に、ラーム・チャランが最高のダンサーだということはインドでは周知の事実で観客は彼のダンスに大きな期待を持っています。ですから、私は彼と彼の父親でもある伝説的なスター、チランジーヴィ氏とのダンス対決をこの作品で実現させたいと思いました。チャランにとっては父の前で踊ることは大きなチャレンジでもあります。彼はそれを見事にやり遂げ、素晴らしいシーンにしてくれました。ウダイガル帝国でのダンス・シーンは作品に優美さとスペクタクルな雰囲気を加えるために重要でした。有能な音楽監督のM.M.キーラヴァーニや素晴らしい歌手たち、ダンス・マスター(振付師)たちが常に最高の仕事をしてくれますので、ミュージカル・シーンを作るのはとても楽しく、実はそれほど難しい作業ではありません。
—俳優ラーム・チャランの魅力を教えてください。
SSR:彼は常に物語を頭に入れ、自然体で演技します。踊りも抜群にうまいですが、特に乗馬の腕は抜群で、いくつもの場面でその技を発揮してくれました。本作で彼は全力を完全に出し切り、魅力の総てを発揮してくれたと思っています。
—ヒロインのカージャル・アグルワール起用の理由を教えてください。
SSR:彼女の過去の出演作を見てエレガントで素晴らしい才能を持つ女優だということは知っていましたし、ぜひ一度私の作品に出て欲しいと思っていました。この映画では王女にふさわしい気品と美しさを持つ女優を探しました。同時に私たちのハードな撮影スケジュールにも合わせてもらわなければなりません。彼女はまさにそんな女優でしたし、完璧な仕事をしてくれました。
—悪役ラナデーヴ/ラグヴィールキャラクターは監督の作品の中でも特に強烈な存在です。あのキャラクターにモデルはありますか?
SSR:私の映画の中には数多くの悪役が登場します。過去の作品では悪役は見た目も悪く粗雑なキャラクターが多かったのですが、本作ではヒロインが外見的には騙されそうなハンサムな悪役を設定しました。デヴ・ギルは、外見は良いが内面が悪魔のようなキャラクターを見事に演じてくれました。—この映画にはスケールが大きく、想像を絶するアクションとスタントの見せ場がたくさんありますが、あれらのアクション・シーンは監督のアイデアでしょうか?
SSR:アクション・シーンの撮影は私が最も好きで、得意とするものです。アクション・シーンがうまくいったときの気持ちよさは格別です。私はまず、私の考えや構想をアクション監督にしっかりと伝え、それぞれのアクションやスタントを構成してもらいます。実際のアクションとスタントの最終決定はアクション監督に任せます。本作ではアクション監督(ピーター・ハイン)との共同作業が完璧にうまくいき、最高の結果を出すことができました。彼とはその後の映画でも何度も組んでいます。本作のアクションではウダイガルでの「100人斬り」のシーン特に気に入っています100人以上のスタッフとキャストがひとつになった思い出深いシーンです。
—最後に日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
SSR:最初に、すべての日本の観客の皆様に『バーフバリ 王の凱旋』の大成功に関して感謝いたします。現在も上映が続いているというので驚いています。本当にありがとうございます。『マガディーラ 勇者転生』は『バーフバリ』2部作を応援していただいた皆さんなら、必ず気に入っていただける作品だと信じています。楽しんでいただければ幸いです。
【ストーリー】
1609年、ウダイガル王国。近衛軍の伝説的戦士バイラヴァは、国王の娘ミトラ姫と愛し合っていたが、王国とミトラ姫を我が物にしようと企む軍司令官ラナデーヴの邪悪な陰謀により、非業の死を遂げる。400年後のハイデラバード、バイラヴァはバイクレーサーのハルシャという若者に生まれ変わっていた。ハルシャはある日、町で偶然にある女性の手に触れた途端、脳裏に前世の記憶が甦るが、その女性を見失ってしまう。やがてハルシャはミトラ姫の生まれ変わりインドゥと運命の再会を遂げるが、かつて二人の仲を裂いたラナデーヴも、インドゥの従兄弟ラグヴィールとして生まれ変わっており、再び悪逆非道な罠を仕掛けてくる…。
『マガディーラ 勇者転生』
8月31日(金)より新宿ピカデリー、なんばパークスシネマほか、全国順次ロードショー!
配給:ツイン
公式HP:http://baahubali-movie.com/theater_maga.html
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