『ハムネット』アカデミー賞®衣装デザイン賞ノミネート 本編映像解禁|真紅ドレスに込められた物語の核心

クロエ・ジャオ監督最新作『ハムネット』(4月10日公開)が、第98回アカデミー賞®にて衣装デザイン賞にノミネートされたことが発表された。
あわせて、本編映像と、アグネス役ジェシー・バックリーを彩る〈真紅のドレス〉に秘められたコンセプトを明かすインタビューテキストが解禁されている。

本作は、第93回アカデミー賞®で作品賞・監督賞を受賞した『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督による最新作であり、第83回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)・主演女優賞(ドラマ部門)の2部門を受賞。さらに第98回アカデミー賞®では、作品賞、監督賞、主演女優賞など主要部門を含む合計8部門ノミネートという評価を獲得している。


本編映像解禁|アグネスとシェイクスピアの象徴的なワンシーン

今回解禁された映像は、ウィリアム・シェイクスピアがアグネスの心をつなぎ止めようと不器用に語りかける印象的な場面を切り取ったもの。
緑豊かな自然の中でひときわ強烈な存在感を放つのが、アグネスの〈真紅の衣装〉だ。

「君に鳥用の手袋を」「もうある」
――短いやり取りの中に、2人の距離感と感情の揺れが凝縮されており、視覚的にも物語的にも象徴性の高いシーンとなっている。

本編映像



衣装デザインの核心|真紅ドレスに込められた象徴性

衣装デザインを手がけたのは、Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」や、A24製作の『X エックス』『Pearl パール』などで知られ、第98回アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされたマウゴシャ・トゥルジャンスカ。

ジェシー・バックリーは、アグネスの赤いドレスについて次のように語っている。

「まるで開いた傷口のような色で、時間をかけて縫い上げられ、いくつもの穴が繕われています。誰にも見えないほど小さなものまで」

このドレスは、鷹匠、薬草採集者、治療師として自然と深く結びつくアグネスの精神性を象徴する衣装として設計されている。

トゥルジャンスカは着想について、

「思い浮かんだのは鼓動する心臓、生命力と血で満ちた筋肉でした」

と語り、生命力と危うさを同時に内包する存在としてアグネスを造形していることを明かしている。


色彩と素材に込められた物語構造

アグネスの衣装は、物語の進行とともに色彩が変化していく構造になっている。

  • 初登場:ベリーレッド、オレンジ、さび色

  • 物語進行:灰紫、プルーンブラウン(深みのある濃い黒紫色)

  • 終盤:成熟した深い赤

これは「癒えない傷」と「成熟」を同時に象徴する色彩設計であり、視覚的にキャラクターの時間と感情の変遷を描き出す構造となっている。

素材面では、リネンなどの植物繊維を中心に、本物の樹皮から作られた有機的テキスタイルも使用。大地と結びつくアグネスの存在性を、衣装素材レベルで表現している点も本作の大きな特徴だ。


作品情報

作品名:『ハムネット』
監督:クロエ・ジャオ
脚本:クロエ・ジャオ、マギー・オファーレル
製作:スティーヴン・スピルバーグ、サム・メンデス
出演:ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン

2025年/イギリス/1.78:1/126分/カラー/英語/5.1ch
原題:HAMNET
日本語字幕翻訳:風間綾平
日本語字幕監修:河合祥一郎
映倫区分:G
配給:パルコ/ユニバーサル映画

©2025 FOCUS FEATURES LLC.

公式サイト:hamnet-movie.jp
公式X:@hamnetjp


まとめ

『ハムネット』は、物語・演出・演技だけでなく、衣装デザインによっても物語構造そのものを可視化する映画作品となっている。
真紅のドレスに込められた意味を知ることで、本編の見え方は大きく変わり、アグネスというキャラクターの内面世界がより立体的に浮かび上がる構造となっている。

アカデミー賞®衣装デザイン賞ノミネートという評価は、その設計思想と表現力の完成度を裏付ける結果と言えるだろう。

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