映画レビュー 香港ノワールならぬ韓国ノワールとして生まれ変わった『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』




ジョン・ウー監督とチョウ・ユンファが世界的に有名になり、クエンティン・タランティーノ監督ら多くのフィルムメーカーに多大な影響を与えた『男たちの挽歌』が韓国でリメイク(覚醒=“リウェイク”と呼ぶのが相応しい)。監督はソン・へソンで、オリジナル版で監督を務めたジョン・ウーが製作総指揮を担当。韓国映画ということで舞台はもちろん韓国に変更。主人公である兄弟が脱北者という設定も韓国ならではだ。
アクション映画としての見所は前半で二度の銃撃戦が描かれ、キレ味も良い上にテンポよく描かれているので見応えは十分。しかも、二度目の銃撃戦シーンではオリジナル版でも観られた二丁拳銃でブッ放すシーンも観られる。これにはジョン・ウーが絡んでいること以上に、オリジナル版を尊重しているかのようにも感じられた。
クライマックスは、夜の波止場を舞台に大掛かりな銃撃戦と数度の爆破シーンが観られる。最後の見せ場に相応しいダイナミックな演出はとにかく見応え抜群!!その後、壮絶なシーンと兄弟愛を感じさせるシーンが描かれる。観ていて心を揺さぶられ、背筋を振るわせられること間違いなしの最高のラストシーンをソン監督は巧みに演出したのだ!!
オリジナル版同様にスタイリッシュな映像美も魅力的だが、登場人物が男だらけで主な女性の登場人物は食堂のおばさんのみという真の男の世界が大きな魅力だ!!香港ノワールならぬ韓国ノワールとして生まれ変わった『男たちの挽歌』…久々の男臭い男泣き映画だ!!と言っても、近年の韓国映画らしいイケメン役者が顔を揃えていると同時に派手なアクションだけを強化した中身のないB級作品ではないため、男性だけでなく女性にもオススメできるのだ!!
レビュアー:佐々木 貴之
『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』
2月19日(土)全国ロードショー
製作総指揮 : ジョン・ウー『レッドクリフⅠ・Ⅱ』
監督 : ソン・ヘソン『私たちの幸せな時間』
チュ・ジンモ『カンナさん大成功です!』、ソン・スンホン『ゴースト もういちど抱きしめたい』、
キム・ガンウ『シルミド/SILMIDO』、チョ・ハンソン『連理の枝』
主題歌 CHENISTRY「a better tomorrow」Defstar Records Inc.
2010/韓国/シネマスコープ/ドルビーデジタル/123min
配給/東映 配給協力/テレビ朝日映像 フォーミュラエンタテインメント
(C)Formula Entertainment All Rights Reserved.
公式サイト:http://banka2011.com/

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