【記事:畑史進】
本作は2017年8月にダウンロード形式で発売された作品『ソニックマニア』に新ステージと新キャラクター、アルマジロのマイティ(アーケード版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』)、ムササビのレイを迎え入れ、更にオリジナル・サウンドトラックや設定資料集を付属させたお得な作品となっている。
2000年代のソニックは立体的なCGモデルで描かれ、3Dフィールドを高速で駆け抜け、時には宝探しに奔走し、またあるときはメカに乗ってステージを攻略、果てはマリオと拳を交わしスポーツに興じるなど、バラエティ豊かな作品として認知されてきた。もしかしたら、この時代のソニックしか知らないという人にとっては、斜に構えたツンツンヘアーの“かっこいい”青いハリネズミという印象が強いかもしれない。いやただのゲーセンのイメージキャラクターという線も無くはない。そういった人たちに是非触ってほしいのがこの『ソニックマニア・プラス』だ。
ソフトを起動して最初に流れる「セーガー」という謎のおっさんたちのハーモニー。その後にポコンと出てくる丸い顔でツンツン頭のくりっとした目がこちらを向いている。そうこれが“昔”のソニックだ。 この青いハリネズミに海外のゲーマーは心を奪われ、セガは一躍市場を広げた。言うなれば彼は隠れた日本のヒーロー、なぜ安倍マリオのオリンピック告知動画に彼が登場しなかったのか今でも理解できない。
その後に広がる緑いっぱいのグリーンヒルのステージを右に直進すると徐々にソニックは足早に加速して、ステージの先をじっくり観察できないほどに猛スピードで駆け抜けていく。操作方法は左右の方向キーで進行方向を選んで突っ走り、ジャンプボタンで敵や障害物を避けたり、攻撃するだけ。時折バネで進行方向が反転したら直ぐに対応した方向キーを押してスピードを落とすこと無く、道中設置されているリングを多く集めてゴールまで駆けて行く単純明快なゲームだ。ただ1点決して敵キャラクターにぶつかるなどして、ここまで集めたリングを失ってはいけないというシビアさがこのゲームに良いスパイスを与えている。
ソニックは一見キュートな見た目でも凄まじいスピードを落とすこと無く、それに負けない動体視力で敵からのダメージを受けずにクリアするという極度の集中力とテクニックを求められる作品なのだ。これが1991年に登場した作品でかつ、スーファミの『マリオワールド』と比べたら如何に驚くような作品であるかおわかりいただけただろうか。
話が長くなってしまったが『ソニックマニア・プラス』はソニック黎明期のメガドライブで発売された2D ソニックシリーズ3作品をアレンジしたステージが収録された物で、ソニックベストアルバムと言っても過言ではない決定版だ。アレンジされた箇所としては、ステージ途中にエッグマンとの「ぷよぷよ」対決が仕込まれたりとセガの小ネタが随所に仕込まれているので、セガファンは是非抑えてほしい。また本作は最大4人プレイまで対応しているため、ニンテンドースイッチで気軽に2人協力プレイをしたり、多人数で集まってワイワイやるのも面白い。ソニックレガシーとして『ソニックマニア・プラス』。ビジュアルショック、スピードショック、サウンドショックを知らない子供のいる人は是非、かつて時代が求めた作品を伝えてほしい。
『ソニックマニア・プラス』
対応機種:PlayStation®4/Nintendo Switch™
発売日:2018年7月19日(木)発売予定
価格:パッケージ版:4,490円(税抜)
ジャンル:2Dハイスピードアクション
プレイ人数:1~4人
発売・販売:株式会社セガゲームス
CERO表記:A区分(全年齢対象)
(C)SEGA
公式サイト:http://sonic.sega.jp/SonicMania/
公式Twitter:https://twitter.com/sonic20th
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