『スキップ・トレース』レニー・ハーリン監督インタビュー「私のアクションシークエンスのベストヒット盤的な位置づけが出来る」


ジャッキー・チェン主演最新作となる映画『スキップ・トレース』が9月1日より全国公開となる。

映画の公開を直前に控え、本作でメガホンをとったハリウッドアクション界の巨匠レニー・ハーリンにジャンクハンター吉田がインタビューを敢行!いろいろと興味深いお話を伺ってきました!

【ストーリー】
香港警察の刑事ベニー・チャン(ジャッキー・チェン)は9年前、犯罪界の大物を捜査中に相棒ヤンを失った。その一人娘サマンサ(ファン・ビンビン)が詐欺犯罪に巻き込まれ、彼女のためにベニーはアメリカ人容疑者コナー・ワッツ(ジョニー・ノックスヴィル)を追って一路ロシアへ。だがたいほしたコナーはロシアンマフィア、香港マフィアなど複数の組織に追われている厄介な男。ベニーも巻き添えを喰らい一緒に逃げるハメに。さらには行く先々で新たな敵を作ってしまうコナー。しかし道中、9年前の事件解決のカギをよりによってコナーが握っていることがわかる。9年前の事件にケリをつけるため、相性最悪なコンビは巨大な悪に立ち向かい・・・ながら逃げる!

(インタビュアー:ジャンクハンター吉田)

—『スキップ・トレース』最高でした!ジャッキー・チェンの相棒役にジョニー・ノックスヴィルがキャスティングされて非常に驚きました!

レニー・ハーリン監督(以下、レニー監督):『スキップ・トレース』は、香港の刑事とアメリカ人の詐欺師がコンビを組むバディ・アクション映画として作りました。ジョニーならアクションスターであるジャッキーと対照的な存在になれると思ったんです。ジャッキーは見事なアクションを次々と披露しますが、ジョニーもそれに負けじと挑戦するも必ず失敗に終わるというように、ユーモア的にお互いを補完しあうコンビ像が描けるとだろうと考えて配役しました。非情に上手くいったと思いますね。

—僕はレニー・ハーリン作品を見て育ったような人間なので、本作を観た時に至る所でこれまでの作品、例えば「クリフハンガー」や「ディープ・ブルー」などの要素が散りばめられていて集大成のように感じたんです。ご自分でもそういうテンションで撮られたんですか?

レニー監督:ありがとう!おっしゃる通りで、『スキップ・トレース』は私がこれまでに撮ってきたアクションシークエンスのベストヒット盤的な位置づけが出来る作品だと思います。長年アクション映画を撮ってきているわけですから、自分でもお気に入りのアクションやシチュエーションというのは沢山あります。この映画は過去作の要素を自然に盛り込むことが出来る内容だったので、いろいろと挑戦してみました。

—すぐにピンと来ましたよ!やっぱり意識的に過去作の要素を入れていたんですね!

レニー監督:それとツイッターで僕の映画を分析してくれた人がいたんですが、私の映画はどれもヒーローが1度失敗してそれを挽回するというものが多いらしいんです。「ダイ・ハード2」ではブルース・ウィルスは飛行機の墜落を止められなかったし、「クリフハンガー」の冒頭でもスタローンは少女を救えなかった。「ディープ・ブルー」でも主人公が自ら凶暴なサメを生み出してしまう。自分では気づいてなかったんですが、指摘されて確かにそうだなと思いました。あと必ず人の足のアップが入るとも言われました(笑)映画監督って誰しもが無意識に必ずやってしまうことってあると思うんですよ。吉田さんのように私の映画を細かい所まで一生懸命見てくれる人がいてくれて本当に嬉しいですね。今作でも、ひょっとしたら意識的にやったところ以外にも無意識なクセが出ているかもしれませんね(笑)

—確かにレニー監督の作品は1度は主人公が追い詰められ、打ちのめされ、それを乗り越えて最後の戦いに臨むというような、クライマックスで観客のテンションをマックスに持っていく演出が多いですよね。ちなみに僕は「エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃」が大好きで、クライマックスに向かうテンションの上がり方は最高ですよ!

レニー監督:ハハハ、ありがとう!「エルム街の悪夢」は私も気にいっている作品です。観客のテンションを如何に引き上げる事が出来るかは常日頃から考えています。僕自身がジェットコースターのような映画が好きなので、手に汗握る展開や息も出来ないような体験を皆さんにしてもらいたくて、『スキップ・トレース』でも脚本の段階から編集まで何度も試行錯誤を繰り返しました。

—レニー監督は女性を強い存在として描くことが多いですよね。これも意識的にやられているんですか?

レニー監督:そこに気づいてくれて嬉しいですね。女性を強く描くのは意識的にやっていることですが、これは母親の影響が非情に大きいです。僕の母は第2次大戦を経験していて、従軍もして戦地で伝令や地図作成などで兵士たちをサポートしていたそうです。彼女はどんなに過酷な状況でも必ず生き抜いていくんだというサバイバー的な精神を持っていたし、とてもポジティブな女性だったんですよ。本当に尊敬できる人で、女性への敬意は母から教えられた気がします。だから僕の描く女性は強い人が多く、出来るならそういう女性を主人公に据えたいと常々考えていますよ。

—今回も強い女性が出てきましたね!ダーシャ役のイヴ・トーレスに至っては本物の格闘家ですし(笑)彼女たちの格闘シーンも最高にキマッてました!

レニー監督:今回も女同士で男勝りに格闘させたわけですが、彼女たちはスタントを使わず自ら格闘シーンを演じています。実は、ジャッキーは女性同士の格闘シーンがカッコよく撮れるか心配していたんですよ。でもそれは無用でしたね(笑)非常に上手く撮影出来て良いシーンになったと思いますね。

—是非ともパート2、パート3と続けていってほしいです!

レニー監督:そのためには『スキップ・トレース』が日本でも大ヒットしないといけませんね(笑)

レニー・ハーリン
1959年3月15日フィンランド出身。ヘルシンキ大学を卒業後、アメリカとフィンランドの合作映画『死線からの脱出』(1986)で監督デビュー。『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃』(1988)が評価され『ダイ・ハード2』(1990)の監督に抜擢、ブルース・ウィリスの人気を不動のものとした。また『クリフハンガー』(1993)では当時停滞していたシルヴェスター・スタローンの人気を見事復活させた。スタローンとは『ドリヴン』(2001)でもタッグを組んでいる。こうしたアクション大作を撮る一方、実話を基にしたインディペンデント系のドラマ作品も手掛けるなど幅広く活躍。30年のキャリアを積み重ねた興行収入はアメリカ市場だけでも10億ドルを超える。主な監督作は『カットスロート・アイランド』(1995)、『ロング・キス・グッドナイト』(1996)、『ディープ・ブルー』(1999)、『エクソシスト・ビギニング』(2004)、『5デイズ』(2011)など。ジャッキーとは20年来の親交があり、本作で念願のコラボレーション実現となった。現在は自らの制作会社ミッドナイト・サン・ピクチャーズのオフィスをロサンゼルスと北京に構えている。

『スキップ・トレース』
9月1日(金)全国ロードショー
配給:KADOKAWA
(C)2015 TALENT INTERNATIONAL FILM CO., LTD. & DASYM ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
公式HP:https://skiptrace-movie.jp/

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