【ストーリ―】
あの夏、僕は仲村さんと出会い、リビドーに目覚めた。
山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった・・・。仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう・・・
【以下プレスリリース文掲載】
鬱屈とした青春と、行き場のない衝動を描き、思春期の暗黒面をえぐり出した本作で主役・春日高男を務めるのは、今最も勢いに乗る若手俳優の伊藤健太郎。春日の中に自分と通ずる何かを見つけ、執拗につきまとう仲村役には、「ViVi」の専属モデルを卒業後、女優として大躍進を続ける玉城ティナ。春日が片思いをするクラスのマドンナ・佐伯奈々子役には、雑誌「ニコラ」で注目を浴びた16歳の次世代モデル、秋田汐梨が数百人以上のオーディションを経て大抜擢されました。そして、今回初の映像化となる高校時代、お互い文学が好きなことをきっかけに春日と交流を深める常磐文役に、モデル、女優と大活躍中の飯豊まりえが扮するなど、最旬キャストの共演も見逃せません。
原作「惡の華」は、別冊少年マガジンに2009年から5年間に渡って連載され、「このマンガがすごい!2011」にランクイン、「マンガ大賞2012」にもノミネートされ、コミック連載中にはテレビアニメ化・2016年に舞台化を果たしました。そして今回、原作者の逆指名によりメガホンをとったのは井口昇監督。瑞々しいタッチで青春を描き続ける岡田麿里の脚本との化学反応が見事に生まれ、思春期に、今、苛まれているすべての少年少女と、かつて思春期に苛まれたすべての少年少女に捧げる映画が誕生しました。
この度映画評論家として人気の町山智浩さんをスペシャルゲストに迎え、原作者の押見修造先生、井口昇監督の豪華鼎談を開催!町山さんは2013年「まんが秘宝 男のための青春マンガクロニクル」の中で「惡の華」論を寄稿。その際Twitterから上がった「実写化するとしたら監督は誰が良いでしょう?」という質問に「井口昇監督はどうでしょう?」と答えています。まさに予言者!また、漫画執筆中の押見先生とも交流のあった町山さん。今回は、知られざる『惡の華』誕生の裏側を御三方に深く、アツく語って頂きます!そして3人がミューズと崇める玉城ティナさんも飛び入り参加!
以前から業界内で度々持ち上がっていた『惡の華』の映画化。町山さんは「映画プロデューサーと『惡の華』に関して話すと、中学生の性描写がある点でこのまま映像化することは危険で難しい、高校生に設定を変えないとまずいんじゃないかという話もあったけれど、これは突破しましたね!」と一言。監督は「僕もそういうことは言われたことがありましたが、映像化するのであればやはりなるべく忠実にしたかった。そうでないと全く意味が変わってしまうので」と話します。「実現できたというのも日本映画界がだんだん変わってきたからだと思うんです。それまではキラキラ映画が主体というか、『惡の華』が映画化しにくい環境だった。それが少しずつ変わってきたのだと思います」と、今だからこそこの作品が映像化された背景を説明しました。
押見先生が唯一訪れたのは桐生市での撮影。本作のハイライトとなるお祭りの櫓のシーンですが、町山さんはこのシーンを「非常に美しかった」と話します。井口監督は「あのシーンは11月の寒い時期に撮ったのですが、少しずつエキストラさんが減っていくんですよ。気づいたら1時間後くらいに100人ぐらいいなくなっていて。カットが進むごとに画が狭くなっていくんです」と裏話を披露し会場には大きな笑いが起きました。
「空の色がとても綺麗だった」と、町山さんがもう一つ美しいシーンとして挙げたのはクライマックスの海のシーン。撮影の順番が変わり、急遽海に入ることになったキャスト陣でしたが、ウエットスーツを着ることなく撮影に臨んだといいます。それによってリアルな姿を撮ることができ、「もしウエットスーツを着ていたら、あんな風には撮れなかった」と監督は撮影当時を振り返りました。
玉城さんが仲村さんとして目の前に現れたときの感動を聞かれた押見さんは、「感動しました。恋をしてしまいました」と真っ直ぐに答えます。そこへ町山さんから「そんな玉城さんが今日ここへ来ています!」とサプライズ発表。「あ!そうなんですか!」と驚く押見先生の横から現れた玉城さんに、客席からも大きな拍手が起きます。舞台に出るや否や、町山さんからのお願いで、映画とは打って変わり穏やかな声で「クソムシが」とキメ台詞を披露してくれた玉城さん。劇中で度々ショッキングなセリフを口にするキャラクターを演じましたが、撮影前に「言えない日本語はありません」と監督に宣言したといいます。押見先生は玉城さん演じる仲村と、自身の描いた仲村に「全くズレを感じなかった」と話します。更には「仲村さんのシーン全部最高。改めて自分の漫画を読み返すと、なんてショボいんだと思いますね」と衝撃発言をし、会場は笑いに包まれました。
出来上がった作品を観ての感想を聞かれた玉城さんは、「1回目観た時は自分が仲村さんに近づけているのかという不安が残ってしまっていたんですけど、2回目では『惡の華』の世界観としてちゃんと一つの仲村というピースになれているのかなと思えました。観たことの無い邦画になったなと思いました」と作品に対する自信をのぞかせ、町山さんは「僕はこの映画を観た時にスターの誕生する瞬間を見た時の感動を味わいました。『愛のむきだし』を観た時に感じた“これはすごいことになるぞ”という衝撃を受けました。玉城さんをキャスティングした時点で勝ったね!」と大きな太鼓判を押しました。監督はもちろん、原作者、映画評論家からも寵愛を受けることとなった映画『惡の華』での玉城ティナ。是非彼女の新境地を劇場で目撃せよ!!
伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 / 飯豊まりえ
北川美穂 佐久本宝 田中偉登 松本若菜 黒沢あすか
高橋和也 佐々木すみ江 坂井真紀 鶴見辰吾
原作:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載) 監督:井口昇 脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」 製作:『惡の華』製作委員会(ハピネット ひかりTV ファントム・フィルム 角川大映スタジオ 日活)
配給・宣伝:ファントム・フィルム ©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会 公式サイト:akunohana-movie.jp twitter:@akunohana_movie
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