[取材:畑史進、ジャンクハンター吉田]
これまでに「ダンガンロンパ」シリーズ、「ZERO ESCAPE」シリーズ、『Ever17』などの名作を世に送り出してきた、小高和剛、打越鋼太郎、高田雅史、小松崎類ら7名のクリエイターが集まって先日新会社「Too Kyo Games(トゥーキョーゲームス)」の設立がファミ通のYou Tube Liveにて発表され、この配信上で新作3タイトルの制作が進行していることが明らかになった。今回、9月20日から開催された東京ゲームショウ2018にて,小高和剛氏、打越鋼太郎氏、高田雅史氏に独占インタビューを敢行し、今後の展望と野望についてたっぷりと話を伺った。
小高氏によると、今回の会社設立は「もっと大きく、もっと広く自身の作品を展開し、『Fate』みたいなコンテンツを作ってみたい。寧ろ『Fate』を超えるため、大きな野望を果たすためのインディーズにも挑戦したかった」と話し、IPを自由にクリエイトして例えそれがニッチであっても大きいものに成長させ「ニッチを世界中から集めてみたい」というチャレンジから設立に至ったことを明かした。また、今後展開する作品についても「自分たちが自分たちの得意とする作品を企画し、自分たちの土俵で戦っていけるものを作る」と話しつつ、その上で出していく世界観、シナリオ、音楽、これらにマッチングするイラストが多くのユーザーに受け入れてもらえることが重要であると力説。これは、仮に大型IPのタイトルに関わることが出来たとしても、トゥーキョーゲームスにとって苦手なジャンルだった場合は失敗する可能性もある。そうなるとトゥーキョーゲームスのブランドを下げることになり、あまり好ましくないことである。と前置きを置き、そうではなく自分たちの得意とするジャンルでユーザーが好きなものを提供する、そうしたニッチなマッチングを世界中に広げていくことがトゥーキョーゲームスの目標であると話した。
一方で世界的な戦略においては「僕らは日本のことしかわからないので、セカイセカイせずに僕らから無理に合わせるようなことはしません」と明言。また、海外ローカライズの現状について伺うと現在は「作品を好きな人が一度翻訳した後に再度、ネイティブの方にダブルチェックの様な形で翻訳していただいているのでその辺は心配していない」と話してくれた。加えて、現在発表の作品についても今後2~3年でリリースを目指し、なるべく早く提供できるよう努力する旨も明かした。
インタビュー中は小高氏の代表作「ダンガンロンパ」についても話が及び、当初声優のニアミスキャスティングについては「大山さんをお呼びして台本を読んでいただいたんですが、まんまドラえもんでした(笑)。でも面白いと思ったのでそのままキャスティングした」とコメント。そこで今後の作品においてもニアミスキャスティングを行うのかと訪ねたところ、「一発ギャグみたいなもので、あまりやりすぎると寒くなるので思いついたらやるぐらいです」と話した。
(テーブル奥、左から小高和剛氏、高田雅史氏、打越鋼太郎氏)
当時、衝撃的な作品で倫理観的に難しい作品である「ダンガンロンパ」のスパイクの内情についても聞くと以下の様に答えた。
編集部:当時社長の櫻井さんはこの企画にどんな反応を示されたんですか?
小高:スパイク内で営業やマーケティング、開発の部長が集まる審査会議がありまして、そこでは2回くらい、「いじめを助長する恐れがあるという」倫理的な問題で弾かれたんです。ところが、その時プロデューサーの寺澤さんが「絶対にやったほうが良い」って社長に直談判するのを勧めたんです。櫻井社長は開発の人間が好きという事もあって、僕が行って、直接話すと「良いんじゃない?」とすんなりOKが出ました。
編集部:でもある意味これが良いブランディングになったんじゃないんですか?
小高:予想はしていませんでしたが、希望はしていましたね。そうなれば良いなぁと思っていたことが現実になって嬉しかったです。
編集部:当時のスパイクとしては洋ゲーとかのローカライズやライセンス物が多くて、キャラクターのブランディングは出来ていなかったじゃないですか。ダンガンロンパの成功以降、小高さんは会社の重要なポジションを取れたんじゃないでしょうか?
小高:そうですねぇ・・・仰る通りスパイクという会社は海外のローカライズやデベロッパーとしての仕事が好調なので、国内のタイトルとしてダンガンロンパがちょっと売れたとしても会社的にどうこうというのは別にないですね。
■今後期待するユーザーに向けて
小高:僕らにしか出来ない作品を今作っていますし、今後も作っていきますので、是非注目してください。
高田:僕はどちらかと言うと今までやってきたことをそのまま続けているという感じで、今後も小高と同じ会社になりましたが、作り方もこれまでと全然変わらず面白楽しく色んなものを作れたら良いなと思います。
打越:全部のタイトルがすべて自信作で傑作だと思っているので、是非期待して頂きたいと思っています。これからもよろしくお願いします。
Too Kyo Games
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