映画レビュー 目覚めたら世界から自分以外の人間が消えていた!!『リセット』


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ある夜、突然の大停電で街は暗闇に包まれます。それと同時に人々が服や靴だけを残し、こつ然と姿を消してしまったから、さぁ大変。いつまでたっても電気は復旧しないし、なぜか日に日に夜の時間が長くなっていくので夜勤の人はさらに大変です。そんな中、生き残った人々が明かりの漏れる一軒のバーに次々と集まって来ます。人気テレビ番組のリポーター、映写技師、看護婦・・・・彼らはなぜ生き残ったのか?そしてなぜここに集まったのか?これは闇に潜む何かの罠なのか?この闇の世界から抜け出すために、彼らは対策を練り始めるのですが、発電機の燃料は残りわずかとなっていた・・・・
監督はクリスチャン・ベイルが鶏がらスープになる衝撃作『マシニスト』のブラッド・アンダーソン。主演は『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセン。役名はルーク。そして『2012』のタンディ・ニュートンが赤ちゃんを捜してバーにやってくる看護婦を熱演。役名はローズマリー。そんなこんなのフレッド・デッカーテイストを感じさせる役名の付け方となっております。
あと、みんな大好き『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』のルイージ役でお馴染みのジョン・レグイザモも出ております。
ある朝、目覚めたら世界から自分以外の人間が消えていたという、グローバルな視点で考えるホーム・アローンシリーズの一本とも言えるこの映画。また、衣服だけ残して人間が消えるというビジュアルもよく見かけるのですが、特に『SF姿なき侵略者/地球から人間が消えた!』というテレビムービーに似ているなぁと思いました。こちらは、ある日、謎の光を浴びた人々が衣服を残して消えてしまい、洞窟にいた親子や、何らかの理由で光を浴びなかった人がサバイバルするお話です。
あと、黒沢清監督の『回路』に強く影響を受けているなぁと思いました。飛行機が落ちてくるのは『回路』へのオマージュだと勝手に思っております。ホラー描写はさておき、人間が存在する意味とか、世界で独りになっても生きる意味はあるのかとか、描こうとしているテーマは同じだと思います。
闇は恐ろしい。それは人間の根本には闇への恐怖があるからだと思います。
そして、その闇は人の心にまで浸食し、生存者を苦しめます。暗闇に包まれたら最後、一瞬でこの世から消失し、自分も闇の一部になってしまうのです。今さっきまでそこにいた人間が一瞬で消えてしまうデビッド・カッパーフィールド的な驚きと恐怖。この映画は「暗闇」が重要ですので、是非とも映画館でご覧になって下さい。恐さ倍増でございます。
レビュアー:ミヤヂ
『リセット』
シアターN渋谷ほかにて全国順次ロードショー
ある夜、世界規模の大停電とともに、地球上の人々が、衣服や靴をその場に残して謎の消失を遂げる。電気は復旧せず、夜の時間がどんどん長くなっていく。発電機による光がもれる一軒のバーに、消失を免れた4人の人間たちが引き寄せられてきた。襲い来る“闇”の恐怖。一体何が起こっているのか!?灯りを掲げ、生き残ろうともがく主人公ルークは、教会の壁に刻まれた奇妙な文字を発見する‥。
監督:ブラッド・アンダーソン
キャスト
ヘイデン・クリステンセン、タンディ・ニュートン、ジョン・レグイザモ
原題:Vanishing on 7th Street  配給:リベロ/日活
2010/アメリカ/シネスコ/ドルビーデジタル/91min
(C) 2010 VANISHING ON 7TH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED 
公式サイト:http://reset-movie.com/

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