【ラ・ヨローナ伝説とは】
ジェームズ・ワンが手掛ける映画「死霊館シリーズ」でも描かれている、中南米で古くから伝わる怪談。二人の子どもと共に夫に捨てられた女は、子どもを溺死させて自らも自殺する。女の悲しみは死後も魂となって彷徨い続け、その嘆きの声は人々を怖がらせる。日本で言うところの「お岩さん」(四谷怪談)のような存在。
【以下プレスリリース文掲載】
第76回ヴェネチア国際映画祭 ヴェニス・デイズ部門受賞、第32回東京国際映画祭 コンペティション部門選出の他、世界の映画祭で絶賛された傑作ホラー『La Llorone』(原題)が邦題『ラ・ヨローナ ~彷徨う女~』として、7月10日(金)よりシネマカリテ、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺 ほか全国順次公開の運びとなりました。この度、日本版ポスタービジュアルと予告編、場面写真をあわせて解禁いたします。
「泣いたら、殺す」という言葉と共に、母親と子どもたちは兵士に殺害された―。大勢の犠牲者を出したグアテマラの軍事政権による大虐殺から30年が経ち、当時将軍だったエンリケは虐殺を指揮した容疑で裁判にかけられるが、証拠不十分として無罪となる。国民が糾弾する中、家族と共に屋敷に戻ったエンリケの耳にその夜から不思議な泣き声が聞こえるようになる。ある日新しいメイドのアルマがやってくる。若く美しいアルマは家族に受け入れられ屋敷で働き始めるが、やがて彼女の周囲で奇妙なことが起き始める。
本作を手掛けるのは『火の山のマリア』で第65回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞を受賞し、世界が大きな期待を寄せる新鋭ハイロ・ブスタマンテ監督。25万人の死者を出したと言われる、1960年から36年もの長きに渡ったグアテマラの内戦の血塗られた歴史をベースに中南米に伝わる怪奇伝説<ラ・ヨローナ>を取り入れ、悲劇に彩られた歴史と幻想的な世界感を現代の恐怖の物語として恐ろしくも美しい映像で生み出した。
今回解禁されたポスタービジュアルに水面に浮かぶ謎のメイド・アルマの姿が。その女の儚く悲しげな表情は何を訴えているのか、そして彼女は一体何者なのかー。美しく謎めいた世界感に引き込まれる印象的なビジュアルとなっている。そして、予告編には内戦時の事件をめぐる歴史的裁判が続く中、自身の正当性を訴える元将軍エンリケとその家族が、突如聞こえてきた女のすすり泣く声、混乱の中現れた新しいメイドの存在により、徐々に何かに追い詰められていく姿を映し出す。背筋をゾクゾクさせながらも、物語の奥に隠された重く深い悲しみが観る者の胸を突き刺す、繊細かつ巧妙に組み立てられた、この夏必見の極上のホラーストーリーにぜひご注目ください。
出演:マリア・メルセデス・コロイ『火の山のマリア』、マルガリタ・ケネフィック、 サブリナ・デ・ラ・ホス、フリオ・ディアス
監督・脚本:ハイロ・ブスタマンテ『火の山のマリア』
原題:La Llorona/2018年/グアテマラ/カラー/シネスコ/97分/字幕翻訳:佐藤恵子
配給:ギャガ © COPYRIGHT LA CASA DE PRODUCCIÓN – LES FILMS DU VOLCAN 2019
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