【以下プレスリリース文掲載】
自由を求め、妻と娘を捨て旅立った男が、7年間におよぶさすらいの果て、放浪を共にしてきた親友を伴い家に戻る決意をする。突然の夫の帰還をすんなり受け入れない妻のもと、使用人―hired hand-として真面目に働くことで、少しずつ夫としての信頼を取り戻してゆく。だが、それは一方で友との別れを意味していた・・・・・・。
1966年、全米に吹き荒れたバイカー映画ブームを作り出したパイオニア的作品『ワイルド・エンジェル』で、クールで凶暴なモーターサイクルギャングのリーダーを演じ、1967年には当時全米に広がりを見せていたLSDなどのドラッグ・カルチャーを描いた『白昼の幻想』にデニス・ホッパーとともに出演、そして1969年、約37万ドルの製作費で約7,000万ドルの興行収入を稼ぎ出し、ハリウッドの常識をすべて覆したモンスター・フィルム『イージー★ライダー』をデニス・ホッパーとともに作り出したピーター・フォンダ。その成功により一挙にカウンターカルチャーの象徴、カリスマ的スターとなったフォンダが2年後の1971年、念願の初監督作として撮り上げたのが本作『さすらいのカウボーイ』だ。
ウェスタンというジャンルにもかかわらずあまりに斬新なテーマ、徹底してリアリズムを追求したディテール、空前絶後のオーバーラップやスローモーションを駆使した映像などは、『イージー★ライダー』の再来を期待していた配給元=ユニバーサルにとっては理解を超えたものだった。結局、ユニバーサルに理解されず不本意な公開を余儀なくされた本作は、静かにその姿を消した。その後は本国アメリカはもちろん日本においても、ズタズタに編集され物語もまったく異なるものに変えられたバージョンがたまにTV放映される程度で、完全に葬り去られたかに思えた。しかし一部の人々からは圧倒的支持を受け、伝説の映画として語り継がれるようになっていった。日本では巨匠・市川崑監督のほか、多くの評論家から公開当時生涯ベスト1に挙げられ、本国アメリカではクエンティン・タランティーノやマーティン・スコセッシなどの大物が本作を絶賛した。
共演には本作出演後、長年にわたってピーター・フォンダの親友となり、ともにモンタナのパラダイス・バレーに住んでいたというウォーレン・オーツ。サム・ペキンパー監督やモンテ・ヘルマン監督作品にはかかせない60年代~70年代の名優である。そして撮影には『未知との遭遇』でアカデミー賞受賞のヴィルモス・ジグモンド、美術に『ブレードランナー』のローレンス・G・ポール、音楽にボブ・ディラン作曲の「ミスター・タンブリンマン」のモデルとなったフォーク・ギターの名手ブルース・ラングホーンなど、本作はのちに超一流となる若手・新人スタッフ・キャストによって生み出された。初公開から30年を経た2001年、編集担当のフランク・マゾラと製作のウィリアム・ヘイワード、そしてピーター・フォンダによっていっさいの無駄をそぎ落とす形でディレクターズ・カット版として復活、2001年ベネチア映画祭を皮切りに、各映画祭で上映され大喝采を浴びる。ここ日本でも劇場公開され8週間のロングランヒットを記録した。
この度国内初ブルーレイ化となる本作のマスターは、ディレクターズ・カット版をベースに2箇所/約28秒のシーン追加、2箇所の台詞の追加、そしてディレクターズ・カット版に存在したディレクターズ・カット版制作に関するエンドクレジットを削除した新バージョン。ブルーレイには元のディレクターズ・カット版本編のほか日本でのTV放映版本編、削除シーンなど200分以上の映像特典が収録される。また同時発売のDVDも新バージョンの本編とピーター・フォンダのインタビュー映像が収録される。
今年は『イージー★ライダー』の製作からちょうど50年。そんな節目の年にピーター・フォンダは8月、この世を去ってしまった。享年79。ちょうどアメリカで『イージー★ライダー』50周年を記念したコンサート+上映イベントを企画していた最中だった。そんなピーター・フォンダが最も魂を込めて世に放ち、最も思い入れの強かった作品がこの『さすらいのカウボーイ』。以前来日した際に市川崑監督に褒められたことを誇りにしていた。また今年は双子のような作品であり、『さすらいのカウボーイ』とまったく同じ運命を辿ったデニス・ホッパーの『ラストムービー』(71)が12月20日より新宿シネマカリテほかにて約30年ぶりの公開も控えている。『イージー★ライダー』の劇中で見られるピーター・フォンダ演じるワイアット、デニス・ホッパー演じるビリーのキャラクターがそのまま滲み出たのがそれぞれの次作であり監督作となった『さすらいのカウボーイ』と『ラストムービー』。両作品を観比べつつ、『イージー★ライダー』を鑑賞すれば、フォンダとホッパーの人間性が浮かび上がってくる。
さすらいのカウボーイ
2020年2月5日(水)発売 発売・販売:キングレコード
BD|KIXF-658|¥5,800+税|本編約91分|1080p Hi-def|英語(DTS/2.0ch)|日本語字幕
映像特典:
★ディレクターズ・カット版本編(英語2.0ch+ピーター・フォンダ音声解説)
★ピーター・フォンダ&ブルース・ラングホーンインタビュー
★日本版予告編
★アメリカ版予告編
★ドキュメンタリー「The Return ofThe Hired Hand」
★マーティン・スコセッシ インタビューコメント
★ディレクターズカット版にて削除されたシーン集
★TVスポット、ラジオスポット
★TV放映版本編(日本語吹替)
DVD|KIBF-1690|¥3,800+税|本編約91分|16:9|英語(DD/2.0ch)|日本語字幕
映像特典:
★ピーター・フォンダ&ブルース・ラングホーンインタビュー
★日本版予告編
1971年|アメリカ映画|原題:THE HIRED HAND
© 2001 Universal Studios and The Pando Company, Inc.
●監督:ピーター・フォンダ「アイダホ・トランスファー」「グランドキャニオンの黄金」
●脚本:アラン・シャープ 「ワイルド・アパッチ」「バイオレント・サタデー」
●製作:ウィリアム・ヘイワード「アイダホ・トランスファー」「ハイローリング」
●撮影:ヴィルモス・ジグモンド 「脱出」「スケアクロウ」「未知との遭遇」「ディア・ハンター」
●音楽:ブルース・ラングホーン「アイダホ・トランスファー」「怒りの山河」
●美術:ローレンス・G・ポール 「ブレードランナー」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
●編集:フランク・マゾラ「パフォーマンス」
●衣装:リチャード・ブルーノ「ウェストワールド」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」
●出演:ピーター・フォンダ 「ワイルド・エンジェル」「白昼の幻想」「イージー★ライダー」
ウォーレン・オーツ 「ワイルドバンチ」「断絶」「地獄の逃避行」「コックファイター」
ヴェルナ・ブルーム 「アメリカを斬る」「荒野のストレンジャー」
スヴァーン・ダーデン 「バニシング・ポイント」「ラストムービー」「爆走!狼男」
※本商品は海外から支給されたマスターを使用します。一部映像及び音声にお見苦しい箇所がある場合がございます。
※映像特典はすべて SD 素材となります。
※商品仕様は変更となる場合がございます。
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