『逆襲!スケ番☆ハンターズ』『爆発!スケ番☆ハンターズ』亜紗美&奥田真一監督&中平一史監督インタビュー

 キラキラじゃなくギラギラ生きろ!黒ビキニトップの亜紗美が日本刀と拳銃でヤクザを血祭りに!『逆襲!スケ番☆ハンターズ 地獄の決闘』『爆発!スケ番☆ハンターズ 総括殴り込み作戦』亜紗美&奥田真一監督&中平一史監督インタビュー



露出度MAXのセクシー系お姉ちゃんファイターが活躍する作品は数あれど、CGでフルコーティングされたアクションに腰砕けになった男子に向けて、ついに真打登場!
5月22日(土)より連続公開される『逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘』『爆発!スケ番☆ハンターズ/総括殴り込み作戦』だ。セクシーかつスタイリッシュだけでないアクションを体現できる稀有な女優・亜紗美に惚れ込んだ、マカロニウエスタンマニアの奥田真一監督、東映活劇マニアの中平一史監督による、映画が見世物として最も輝きを放っていた70年代ピンキーバイオレンスを再現した快作だ。

セクシーかつ弾力ある肢体で繰り出す殺気溢れるアクションと、媚びない女の潔さを体現した演技力を見せる亜紗美。墓から蘇えり、上半身裸のまま十字架を背負って復讐に向かうシーンや、バラを鞭代わりにした拷問シーン、といった衝撃シーンも見逃せない。残酷効果は邦画界のトム・ザビーニこと西村喜廣が手掛け、亜紗美の本気アクションに人体破壊と血飛沫の大放射で応える。


劇中、ヤクザが絶叫する「アサミが来たぞー!」そのままに、合わせて5本の作品が公開と、亜紗美・怒涛の露出ラッシュがスタートした2010年。
姐御肌と明るいキャラクターから平成の池怜子とも言われている亜紗美と二人の監督に突撃インタビュー!



水を得た亜紗美~「運動がキライで、体育はずっと1でした」

亜紗美がアクションで注目されたのは、井口昇監督『おいら女蛮』(2006年)でのパンティ1枚でのケンカバトル。その後、井口監督『片腕マシンガール』(2008年)での、主役のグラドル・八代みなせを盛り立てつつのマシンガンバトルで熱狂的ファンを獲得。数々のオリジナルDVD作品や井口監督『ロボゲイシャ』(2009年)に出演し、アクション女優としての地位を確立していく。2007年に発売されたDVD-BOX『893239』(ヤクザ23区)の特典映像として制作された亜紗美主演の中平・奥田共同監督作品『やくざハンター』をグレードアップしたのが、今回のハンターズシリーズ。『~地獄の決闘』は奥田監督、『~総括殴り込み作戦』は中平監督がそれぞれ担当した。


―アクション女優としてのイメージが定着してきた亜紗美さんですが、アクションに目覚めたきっかけは何ですか。また、アクションのどこにはまりましたか。
亜紗美:きっかけは井口さんの『片腕マシンガール』ですね。でも明確に「ここが」って言えなくて、なんか面白いっていうふわっとした考えで。基本的に疲れるのがキライで、運動もキライ。体育はずっと1(笑)。アクションっていうケンカ格闘技を演じるジャンルに上手いこと落ち着いたっていうか。居心地が良かったんでしょうね。言葉が下手でスミマセン(笑)



【ココを観ろ!その1】こだわりの長廻しアクション:奥田組

―印象的だったのは、ヤクザ事務所に殴りこんだ亜紗美さんが倉庫で闘うシーンの長廻し。凄い緊張感でしびれました!
奥田:亜紗美と組んでやる上でのこだわりですね。アクション俳優と呼ばれている方でもカット割りで見せることが多くて、長廻しは、本当に体現できる人しかできない。亜紗美のトレーニングを見て、ブルース・リー映画のように切らずに全身を入れた引きサイズで見せたい!と思いました。
-どれくらいで準備できるものなんですか。
亜紗美:アクション監督の田中清一さんが動きながら2分くらいでアクションをつけて、動きながら覚えるのが3分くらいですね。敵役の内ヶ崎ツトムさんはアクションチームPASS GUARDの先輩なんですけど、ほんっとコワイんですよ!凄い威圧感(笑)。覚えないとあたしが危ないってことでとにかく必死でした。



【ココを観ろ!その2】こだわりのムチャ振りアクション&サイケデリック70年代ファッション:中平組
―中平監督の方は、スピーディーにカットを割る華やかな演出ですね。
亜紗美:PVみたいな見せ方なんですけど、ワンカットワンカットで要求されることがコムズカシイ。「亜紗美これできる?」「初めて見ました!」「やれよ!」とか(笑)。
―松村雄基さんが登場するクラブシーンのコスチュームや歌謡曲は、見事に70年代の雰囲気を再現されていましたね。
中平:『野良猫ロック』のイメージですね。当時のピンキーバイオレンスは提携しているレコード会社の歌手が必ず出て歌う歌謡シーンがあるんです。大好きな70年代ファッションとライティングの一番の見せ場として押さえておきたかったところです。ロケで使ったのは、実際にあるサイケ調の店でUFOクラブというお気に入りのライブハウスです。



【ココを観ろ!その3】こだわりの残酷オマージュラッシュ:奥田組&中平組
―思い入れのあるものを詰め込んだとのことですが、オマージュをささげた作品はありますか?
奥田:『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』ですね。マカロニウエスタン的なものをベースにしつつ、ヤクザ事務所のシーンは北野武監督の世界。初期の作品が大好きですね。『3‐4X10月』『その男、凶暴につき』とか。バイオレンスは、ポール・バーホーベン監督『ロボコップ』のやり過ぎな残酷描写やクリント・イーストウッドなど、自分がしびれたものを集めて1本にしています。吉行由実さんのシーンは『ロボコップ』のまんまですね。10代から自主映画撮っていて、若い頃は人に認められたいって野心が強かったけど、今回は原点に戻って中学時代に憧れたものを素直に撮れた気がします。



中平:僕の方はオープニングはもろフランコ・ネロのジャンゴ(「続・荒野の用心棒」)。そこから後は、東映活劇に東映ピンキーバイオレンスですね!深作欣二監督、鈴木則文監督、山口和彦監督の『ずべ公番長シリーズ』の横並びで闊歩するシーン。あれもベースは『ワイルドバンチ』なんですけどね(笑)男らしいところに女の子を被せて行った。クライマックスは70年代後半のイメージにしたかったんで、工藤栄一監督。音楽の福田裕彦さんの素晴らしいブルースにインスパイアされて演出しました。脚本に関しては、40歳過ぎてやっと定番ものが書けたなぁと。ストレートに感情を出したり、佐藤佐吉さんと柊瑠美さんの親子関係など、20代、30代では照れて絶対書けなかった。最近、昔の歌謡曲の良さがわかるようになって、ちあきなおみって本当にいいなぁとか(笑)



【ココを観ろ!その4】こだわりの熱い涙:奥田組&中平組

中平:ラストで涙を流すシーンは元々脚本ではなくて、もっとドライだったんです。これはスケ番連中と亜紗美がものすごく仲良かった結果。リハーサルで女の子が本気で泣いて、現場の空気が一気に変わりましたね。演出も青春映画っぽく変化しました。
―亜紗美さんはハンターズのみなさんといかがでしたか。
亜紗美:画面で観るとかっこいいんですけど、全員バカ。だからこそ仲良くなれましたね。スタジオに落ちているクラッカーを食ってるやつもいれば、へっこました腹にハードスプレーのケープをかけて、やりすぎて痛い~ってやつもいる(笑)。ハンターズがあいつらじゃなかったらラストのアサミの行動にならなかったし、絶対泣いてない。やよい役の柊さんもホント可愛くて、現場の疲れを癒してもらいました。ハンターズ側は物凄い連携が取れていて心強かったんですけど、孤独なのは奥田組でしたね。吉行由実さんは、普段からお世話になっている姉さんで先輩なので、違った癒しはいただきましたけど…。
奥田:中平さんと僕の一番の違いは、仲間と闘うか、孤独に闘うか。どちらも好きなんですけど、自分が描くときには「孤独で闘いに向かう美しさ」にひかれますね。遺品を持って闘う時に、僕はファッションセンスがいまいちで、白ストールでも巻けば、って。
亜紗美:黒マントに白ストールってダサい!ネックレスだよ!(笑)ってことでクロスペンダントに替わって。
奥田:クライマックスで涙を流すって僕も指示してないんだよね。でもそれですごく厚みのあるシーンになったね。
中平:僕はやっぱり任侠。例えば『昭和残侠伝』で高倉健さんが独りで殴り込みに行く時に、橋のたもとで池部良さんが待ってる、みたいな(笑)その仲間意識が邦画的なのかな。



総括!女優・亜紗美

―お二人の監督は亜紗美さんを総括していかがでしたか。
亜紗美:いかがでしたか(笑)
中平:今後どんなジャンルでも、この“昭和テイストで野蛮な亜紗美”を撮り続けたいなと(笑)。
―挿入歌でありましたけど、キラキラじゃなくてギラギラですね(笑)
奥田:被写体としても人間としても魅力的ですね。現場を和ませたり、ちょっと緩んでくるとひきしめてくれたり。ハンターズの撮影は本当に過酷で、中平組を5日やって中日もおかずに奥田組が5日間と、彼女は10日ぶっ続け。そんな現場を乗り切ってくれたのは、言葉もなく感謝するしかない。
亜紗美:タバコ一箱でいいよ。その気持ち(笑)。



総括!2人の監督

―亜紗美さんからお二人の監督を総括するといかがでしょう。
亜紗美:こだわり方は2人とも違っているんですけど、共通しているのは芯が通っていて、アツイ。奥田さんは、いい意味で頑固。台詞の言い回しや、ここでタバコを吹かした方がいいとか、役者の意見をよく取り入れてくれるんですけど、長廻しのカットでアクション監督とギリギリまでカットを割るか話をしていて「そこはやはり1カットで」というこだわりの厚さ。間違いないものができるんだろうなって心強かったですね。現場でテンパってる姿を見るのも楽しかった(笑)そういうチャーミングな一面もありますね。中平さんの方は前からの知り合いで、「ヘンタイ」っていうのは知ってて(笑)。
中平:ここ10年くらいヘンタイって言われるのが嬉しい。
奥田:僕はバカって言われると嬉しい。
亜紗美:周りにそれをホメ言葉と感じる人しかいない(笑)。今中平さんがどんな絵を欲しがっているのか理解できるし、自分のことも分かってくれているから現場はやり易かったですね。
中平:遠慮なくモノが言えるのは亜紗美ならでは。今回、亜紗美にいろんな液体を出してもらいましたね。ウンコ以外は(笑)。
亜紗美:せめて可愛くウンチって言ってよ!(笑)。



ボーイズラブより2人の亜紗美!
―最後に見所を一言でお願いします!
中平:亜紗美が築き上げてきたアクションの素晴らしさが全開した新しい活劇。女の子も楽しんでいただける作品です!
奥田:亜紗美の魅力に触れたければこの2本を見ろ!と。
亜紗美:照れるね(笑)。あなたはどっちの亜紗美がお好き?(笑)男性はもちろん、女性の方にも観て欲しいですね。今、ボーイズラブが流行っていますけど、あたしも結構いけるよ!主題歌も歌っていますのでiPodにぜひ!(笑)。
                                         インタビュー・記事:デューイ松田
『逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘』
5月22日(土)~6月11日(金)
『爆発!スケ番☆ハンターズ/総括殴り込み作戦』
5月29日(土)~6月18日(金)「5月22日より、シアターN渋谷にて2作連続レイトショー公開!」
(c)2010ハンターズ製作委員会

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