ぶっ飛んだあのレースが更にぶっ飛んで帰ってきた!『クラッシュ・バンディクー レーシング ブッとびニトロ!』プレイインプレッション

90年代後半の12月はクラッシュ・バンディクー一強と言ってもいいほどの人気コンテンツで、4作目としてリリースされた『レーシング』もそのうちの一つで、当時のクリスマスプレゼントとしてねだった人も多いことだろう。

20年の時を経てPS4、Nintendo Switchに向けて発売された『クラッシュ・バンディクー レーシング ブッとびニトロ!』はあの当時の思い出を殆ど損ねることなく、また『爆走ニトロカート』のコースを収録し、パワーアップして蘇ったと言えるクオリティになっていた。

本作は攻撃、補助アイテムを使ってトップゴールを目指すレースゲームだが、相手プレイヤーを妨害するアイテムの効果が弱めで、かつ独自の「ターボシステム」を使いこなせないとトップゴールは難しいシビアな難易度となっている。

その様な高い難易度からか、「おはなしモード」では今作オリジナルの要素としてキャラクターを切り替えられる機能が入っている。これでカーブの多いステージを攻略するのにハンドリングが得意なキャラクターで臨んだり、直線の多い道ではスピードの高いキャラクターで臨んだりと、1キャラ固定でクリアを要求された過去作と比べると若干楽になっている。

ただ、過去作を知っている身からするとそんな甘いモードで遊び倒すのは面白くないので、従来と同じ難易度、システムの「クラシック」を選択。いつもどおり主人公のクラッシュを選んで挑んでみたら、ただのキャラクター変更が効かない縛りプレイではないことに気付かされた。

今作は最新のハードで開発されたということもあって、CPUがたいへん賢くなっており、PS1版の「バリバリ」以上の動きや思考を働かせてくる。つまり難易度が上がっているのだ!最初のステージの「タスマニアだいばくそう」でも、うっかり気を抜いてアイテムに頼ったプレイをすると、あっという間に抜かされることなんてしばしばあるので、常にプレイヤーはインサイドコースからショートカットを積極的に行う必要に迫られる。このようにCPUの妨害工作のレベルが上っているのはゲーマーとしてはやりごたえが出るので嬉しい限りだが、一点気がかりな部分がある。

前作からゲーム内にはコース内に設置された「C」「T」「R」という文字の形をしたアイテム(原作はCBR)をすべて集めてトップゴールをするというモードがあるのだけど、これがなかなか手強くなっていることだ。
他の20個のパワーストーンを制限時間内に集めるコースでも同じことに言及できるのでまとめると、今作はアイテムに接触するときの範囲が厳密に設定されており、アイテムのライン縁に接触しないと取得できないようになっている。

アイテム箱やニトロ箱、爆弾箱の接触ではこの仕様は大歓迎だけど、CTRメダルやパワーストーンにおいてこのシビアな接触が良いのかと言うと個人的には微妙。むしろCTRメダルは今作のCPUのレベルを加味すると、もっと接触判定を甘くしてくれた方が有難い。

広いステージにぽつんと設置されたC、T、Rを取得するにはそれこそ「針の穴を通す」様な繊細な操作が必要で、空中に設置されていた物を取る際に「おっかけミサイル」の様なアイテムで妨害されたときには何とも言えないもどかしさを感じる。その上トップゴールを迫られるのだから、せめて接触判定を0.5キャラ分甘くしてくれないだろうかと感じてしまう。

全体的に皆でワイワイ遊べるクオリティになっているので、久しぶりに「ちょいコア」なパーティーレースゲームを楽しんでほしいと思える作品だった。

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