ワーナー・ブラザースホームエンターテインメントはPS4版『LEGOワールド 目指せマスタービルダー』を4月6日に発売する。価格は2980円。
開発は数々のレゴゲームを世に送り出したTTGames。今回、制作経緯や今後の展開についてプロデューサーであるロズ・ドイル氏にインタビューを敢行した。
本作はレゴ・ブロックを使って想像力の赴くままに、あらゆる物を作ることができるビルドゲームの決定版。ゲームを進め、アンロックするキットを使えば、豪華なお城などが可能になる。もちろん、より本物らしさを求めて1ブロックずつの組み立てることも可能。既にある建物や地形をはじめ、すべて壊すことができるので、世界を思うままに作り変えることができる。ドリルカーやバズーカなど、破壊のためのツールも様々で、地面に穴をあけたり、山を平たくしたり、思い描く世界を自分の手で作り出すことができる。
これまで『マインクラフト』や『ドラゴンクエストビルダーズ』を始めとして、様々なビルドゲームが存在したが、『LEGOワールド 目指せマスタービルダー』は元々のレゴの特性から世界中の多くのゲーマーが待ち望んだビルドゲームと言っても過言ではない。
[取材:ジャンクハンター吉田・畑史進]
Q:この『LEGOワールド 目指せマスタービルダー』は開発期間が3年と聞きましたが、開発のきっかけは何だったんでしょうか?
ロズ:実はこの『LEGOワールド』のようなクリエイティブなゲームは前々から作りたかったのですが、他のゲームの開発に忙しくなかなか時間を割くことが出来ませんでしたし、コンソールのパワーも足りませんでした。今は性能も随分と上がったので、制作に踏み切ることが出来ました。
Q:TTGamesは「レゴ・スター・ウォーズ」から始まって今に至りますすが、今回の作品はエンジンが違うように思えるのですが、如何でしょうか?
ロズ:基本的なエンジンは変わっていませんが、既存のエンジンに何かを追加したと言うくらいで、100%変わったことはありません。少しビルディング要素に対してブラッシュアップしたというだけですね。
Q:今、世界中で『マインクラフト』が大ヒットしていますが、LEGOがあったからこそ出来たと聞いています。そして、ようやく『LEGOワールド』でそのオリジンが登場したと感じました。また、日本では『ドラゴンクエストビルダーズ 』というビルディングゲームがあるんですが、それぞれ住み分けが出来ると思っています。日本での『LEGOワールド』の展開は3番目のビルディングゲームとしてどのように行っていきますか?
ロズ:このゲームを開発する際に『マインクラフト』のLEGO版を作ろうとは思っていませんでした。むしろ究極のLEGOゲームを作ろうと思っていてそこが出発点で、市場に出たことで他のゲームからスイッチしてほしいとも思っていません。このゲームはLEGOというブランドからはじまり、箱に入ったLEGOをそのままゲームに入れ込んだので、なんでも作れます。一つ一つブロックをくっつけていってもいいですし、キャラも大勢いることや乗り物がたくさんあることから様々な遊びをしてほしいと思っています。
Q:『マインクラフト』が売れてからLEGOもじわじわ売れていると聞いているのですが、どうお考えですか?
ロズ:私にはちょっとわかりませんが、知っている限りではLEGOは複数の理由から人気が上がっていると思います。その理由として会社自体がブロックにフォーカスを当てたことから始まって、「スター・ウォーズ」やマーベル作品、「ハリー・ポッター」、「ロード・オブ・ザ・リング」などのIPに力を入れ、さらにゲーム好きな子どもが多いことから人気が出ていると思います。
Q:この『LEGOワールド』に期待しているのは、これまで関わってきた様々なIPのキャラクターたちがDLCとして一同に介するということです。
ロズ:将来的には可能になるかもしれません。現時点ではまず最初に純粋にピュアなLEGO体験をしてほしいと思います。確かに「ハリー・ポッター」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキャラクターを入れたら非常に面白いことになると思います。Steamのアーリーアクセス版ではユーザーが『レゴバットマン3』のキャラクターをハッキングして入れていましたが、彼は非常にクールだと思いました。
Q:DCコミックスとマーベルのものが一同に介するのは夢のような世界だと思います。
ロズ:私も大きな夢だと思いますが、IPを握っているライセンスホルダーの方の中には、それをあまり好ましくないと思っている方もいらっしゃるので、今のところは難しいと思います。ライセンス料がべらぼうに高いとは思いませんが、ユーザーは期待しているでしょうね。
Q:『LEGO ムービー』でバットマンが出てきたように、「バットマン」と「スター・ウォーズ」のコンテンツが共演するというのことにLEGOファンは期待していると思います。
ロズ:私も賛成ですが、映画では作中で環境をコントロールできるんですが、ゲームでは制御が難しいのです。ダース・ベイダーが馬に乗ったり、バットマンがバズーカをぶっ放したりとかすることをライセンスホルダーは賛成しないんですよね。
Q:本作では宇宙にも行けるじゃないですか、スター・ウォーズのスターファイターやデス・スターを作って待っている人もいると思います。
ロズ:デス・スターは作ろうと思えば作れるんですけどね。実はアーリーアクセスでAT-ATを作った人もいたくらいですよ。
Q:巨大なダース・ベイダーやバットマンを作って歩かせたり、動かすことも出来るんですか?
ロズ:歩かせることは出来ませんが、巨大なデカールを作ることは可能ですよ。
Q:価格の面でもお伺いしたいのですが、かなり挑戦的な価格となっていますが、どうしてこのようなお手軽な価格が可能となったのでしょうか?
ロズ:私達も多くの方々にプレイしていただくためには、安くすることが『LEGOワールド』にとって正しいことだと思っていたからです。価格の面では勉強させていただきました。
Q:今後様々なDLCが展開されていくと思いますが、IP物以外ではどのようなものを想定されていますか?
ロズ:現時点では話せることはありませんが、有料のDLCに限らず無償のアップデートで様々なコンテンツを入れていきたいと思っています。これからも頻繁にアップデートしていきたいと思いますし、それはより良いものを追求していきたいという最初から一貫している信念でもあります。締切の関係からリリース版に盛り込めなかった部分を盛り込みたいと思います。
Q:プレイムービーを見た限りではティーン・エイジャー向けの細かいブロックが多いようですが、低年齢層向けの大きいブロックは無いのでしょうか?
ロズ:そのようなものはありませんが、予めお城のキットなどプリセットされたものが用意されているので、これ等を使って簡単に配置して遊ぶことが出来ます。ここから小さい子供でも自由に遊ぶことが出来ます。さらに便利な機能としては作ったブロックをコピー・アンド・ペーストすることも出来るので、例えば、壁を作った後に窓を入れ込むことも簡単に出来てしまうんです。
Q:日本では『マインクラフト』のPSVita版が出た時にタッチ機能が便利なことから凄く売れたのですが、タッチ可能なデバイスに向けての販売はありますか?
ロズ:海外ではNintendo Switchに向けて販売する事は決まっていますが、タッチ機能を追加するかどうかは考えていません。実際に『マインクラフト』のモバイル版を遊んでいますが、タッチオンリーは難しいところもあると思っています。
Q:PS4には録画機能がありますが、それを使ってオリジナルの『LEGO ムービー』を作りたいという人も出ると思います。その際に画面上のメニュー・情報を消すことは可能でしょうか?
ロズ:今はできませんが、それは素晴らしいアイデアですね!アップデートで対応させましょう!
Q:『LEGOワールド』にはゾンビのキャラクターが登場しますが、これを100体くらい並べてAIで動かすのは可能ですか?
ロズ:今開発しているんですが、異なる性格を付けて環境ごとに違う動きをさせようと計画しています。
Q:オブジェクトを置き過ぎると動作が重くなることはありますか?
ロズ:その点はコンソールのパワーがあるので問題は無いです。
Q:ソフトの価格がとても安いので、DLCをたくさん売らないと商売にならないんじゃないでしょうか?
ロズ:お手頃な価格にしているので、多くの方に購入していただければ賄えると思います。もちろんDLCは制作してきます。私も遊んでいますが、非常に楽しいですし、遊ぶたびに環境が変わるので飽きるということは無いと思いますよ。
Q:自分のキャラクターの動きを記憶させてカメラアングルを操作して映像を取るということは可能でしょうか?
ロズ:実は「ムービーメイキングパック」というものが開発中にあったんですが、まだ実現に至っていません。しかし諦めたわけではありません。とりあえず現在はユーザーたちがどんなムービーを撮るのかよく見てみたいと思います。
Q:昔アクティビジョンで『ムービーズ』というゲームがあったんですが、そのゲームでは自分が監督になってカット割りから俳優の動きまで細かく指定することができたんです。それを一本の映画にして公開することも出来ました。
ロズ:結構古いゲームですよね、忘れかけていましたよ!ただ私達もやるべきリストが多くて手がつけられないのが現状ですが、我々もこのゲームのサポートは長く続けていきたいですし、沢山の方に買っていただけるとその分だけサポートできると思います。
Q:最後に日本のユーザーに向けたメッセージをお願いします。
ロズ:一言で言えばリラックスして楽しんでもらうゲームだと思います。世の中にはシリアスで肩を凝らせて取り掛かるゲームなど様々なものが存在しますが、このゲームはとにかく遊んでて気持ちよくなって自由になれるゲームだと思いますし、そんなゲームはマーケットにはあまりないと思うので、挑戦して楽しんでいただければなと思います。
『LEGOワールド 目指せマスタービルダー』
機種: PlayStation4
CEROレーティング:B
発売日: 2017年4月6日発売予定
価格: 2,980 円(税抜) DL版2,980 円(税抜))
ジャンル: アドベンチャー/サンドボックス/フリースタイルビルド
プレイ人数: 1~2 人(オンライン時:1~2 人)
(C)2017 The LEGO Group. TM & (C) WBEI. (s17)
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/game/legoworlds/
LEGOワールド 目指せマスタービルダー |
コメント