アカデミー俳優マシュー・マコノヒーと日本を代表する国際派スターとして活躍を続ける渡辺謙が初めてタッグを組み、ガス・ヴァン・サント監督と共に生み出した、驚きと感動に満ちた泣けるミステリー『追憶の森』が4月29日(金)より公開となる。
今回、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催されたプレミアムイベントに渡辺謙さんが登壇した。
満席の会場から大きな拍手で迎えられた渡辺謙さん。アメリカから帰国して今回が初めての公の場となった謙さんは、「シリアスな映画ではあるけど、ふと立ち止まって、初夏の風の匂いなどを感じてもらえるような映画です。本日ご覧いただけることを本当に嬉しく思います」と挨拶。
青木ケ原の樹海で、マシュー演じるアーサーと渡辺謙さん演じるタクミが偶然出会い、そこからふたりが出口を求めて、<旅>が始まる本作。残念ながら、仕事の都合で来日がかなわなかったマシューですが、なんとこの日は、マシューからビデオメッセージが到着!
謙さんとの共演は念願だったと話すマシューは「ケンと一緒に頑張った作品を見てもらえるのは幸せです。」とコメント。謙さんの印象について「ケンとの共演は楽しかった。ケンには独特の雰囲気がある。自分が何者かをよく分かっているね。だから君からは威厳を感じるんだろう、王様のようだよ。」といい、続けて「しかも非常に面白い。あんなにユーモアがあって愉快な人とは知らなかった。撮影の合間の笑い話で気持ちが和んだよ。」と撮影中のエピソードを披露した。
それを受け、謙さんもマシューの印象について「似てるタイプの俳優だと思っていました。きっちり準備していくというよりは、この映画に関しては、その場で生まれるものを大切にしたいと思っていたんです。マシューは、的確に拾って返してくれますし、やりやすかったです。お互いプロだと感じました。」と言い、続けて「撮影は現場まで2,3キロ離れているんだけど、撮影でお互いびしょ濡れで疲れている中、そこまで歩いていかなければならなくて、夜中に2人で懐中電灯をそれぞれに渡されてトボトボと歩いていたら、靴の音だけクチャクチャと響きわたっていて(笑)俺たちなにやってんだろうって思わず2人で笑ってしまったことがありましたね」と撮影での思い出を振り返った。
また、東京での撮影も行われ、”渋谷”の印象についても語ったマシュー。「ものすごい数の人がいてにぎやかだった。これは日本の特徴かな。」しかし、オスカー俳優である世界的なハリウッドスターであるにも関わらず、存在に気づかれなかった語るマシューは、謙さんだったら違ったと食いつく。「僕に気づいて振り返ったのは300人中 1人程度だ。もし君が渋谷の交差点を歩いていたら、300人中 299人が気づいただろう。“ケン!”と歓声が上がったりしてね・・・!役名は“タクミ”だし現場が混乱したはずだ!」とジョークを交えながらコメントした。
劇中で謙さんが歌声を披露しているのも注目シーンのひとつだが、そのことについても触れたマシューは、謙さんの歌声を「いまいましいほど歌が上手なんだよ。みんなは聴いたことある?聴きたい?」とマシューが煽ると、謙さんは風邪を引いているから・・・と拒否!マシューのユーモアたっぷりのコメントと笑ってスルーする謙さんの姿に、会場からは笑いが起きていた。
最後にこれから鑑賞する観客に向けて「今回の熊本での震災や難民問題やテロなどが様々な問題が多発する中で安住の地はどこにあるのんだろう、どうやったらそこへ辿りつけるんだろうと、みんな悩み続けていると思います。その中で、どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、ガスが優しく描いています。この映画は、ふと立ち止まってみてもらいたい映画です。こうしなければいけないとかこうあるべきだと、今世の中でがんじがらめになっていることが多いと思うんです。だけど、一旦立ち止まって、今自分の周りには誰がいるのか、誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います」とメッセージを寄せた。
『追憶の森』
4月29日(金・祝)ロードショー
配給:東宝東和
(C)2015 Grand Experiment, LLC.
公式HP:http://tsuiokunomori.jp/
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