『言の葉の庭』 公開記念 新海誠監督 × KASHIWA Daisuke × 天門“音楽”トークショーレポート


2013年5月26日(日)、タワーレコード渋谷店8F「Space HACHIKAI」で開催中の“『言の葉の庭』公開記念「新海誠展」”会場にて、本作の監督・新海誠氏と劇伴音楽を手掛けたKASHIWA Daisuke氏、これまで新海作品5作品の音楽を担当した天門氏による、“音楽”トークショーが開催された。

新海監督自主制作アニメーション『彼女と彼女の猫』を皮切りに、商業デビュー作『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』まで、新海作品5作品の劇伴音楽を手掛けた天門氏。そして5月31日(金)公開となる監督最新作『言の葉の庭』の音楽を手掛けたKASHIWA氏。新海作品にはなくてはならない“音楽”というテーマで、3人が語り合った。

新海監督と天門氏はゲーム会社に勤務する後輩・先輩の間柄で、その縁から天門氏は新海作品の音楽を担当するようになったという。新海監督は天門氏について「僕が97年に作った『彼女と彼女の猫』の曲を天門さんに作っていただいてその曲を聴いた時、「ああ、すごい人が会社にいるんだな」と思いました。」と当時を振り返った。天門氏は、「監督の商業デビュー作となる『ほしのこえ』は僕にとってもターニングポイントになった作品。それまで劇伴というものをやったことがなかったので、仕事をしていて楽しかった」。

一方、新海作品に感銘を受け、監督に手紙と自らのCDアルバムを送ったことをきっかけに監督と出会ったKASHIWA氏は、『言の葉の庭』で初めて新海作品へ参加。そんなKASHIWA氏は、天門氏の音楽について「水が流れるような流麗な音楽。現実では場面場面で音楽が流れたりはしないが、天門さんの音楽はごく自然にその場面に溶け込んでいくよう。」と話す。対して天門氏はKASHIWA氏に、「僕自身もまさにKASHIWAさんの音楽は水が流れるというようなイメージがあった。綺麗な旋律の中にドキッとするような音が入ってきて、いい意味での緊張感もある。」とコメント。新海監督も「KASHIWAさんの音楽は、否応無く天から降ってくるもののようなイメージがあり、『言の葉の庭』のテーマのひとつである“雨”に合うと思った。そして、人生の中でさまざまに上から降ってくる出来事、出会いだったり試練だったり、そういったものをすべて表すような、“避けようのない音楽”という感じがする。」と評した。トークショーに集まった観客も、これまでの新海作品を彩ってきた天門氏の音楽とはまた味わいの違う、KASHIWA氏の『言の葉の庭』の音楽に対して、大いに期待をよせていた。

最後に、『言の葉の庭』の劇場公開に向け3人がコメント。「ぜひ観てください!その一言に尽きます。」(天門氏)、「世界で一番進んだアニメーションだと確信しています。今まで気づかなかった葉や雨の美しさに改めて気づかされる。アニメを観ることで現実がより美しく見える、そんな作品です。」(KASHIWA氏)、新海監督も「観て後悔させることはないと思っています。」とそれぞれ力強く話し、イベントを締めくくった。

『言の葉の庭』は、新緑の季節の雨の日に庭園で出会った、靴職人を目指す高校生・タカオと、謎めいた年上の女性・ユキノを主人公に、2人の揺れ動く気持ちと心の機微を繊細に綴っていくラブストーリー。“デジタル時代の映像文学”で世界を魅了する新海誠ならではの、独自の感性と言葉選びにより、まるで小説を読むような繊細なドラマを、アニメーションでしか為し得ない表現で紡ぎ出す本作。主演には「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の入野自由、「化物語」「STEINS;GATE(シュタインズゲート)」の花澤香菜。エンディングテーマとして、実力派シンガーの秦 基博が、大江千里の名曲「Rain」をカバー。普遍に届くメッセージを現代の感性で歌い上げている。

新海誠監督最新作 劇場アニメーション『言の葉の庭』は、5月31日(金)新緑の季節 全国ロードショー。

『言の葉の庭』
2013年5月31日(金)新緑の季節 ロードショー 
http://www.kotonohanoniwa.jp/

コメント

タイトルとURLをコピーしました