映画レビュー　血みどろのグロ描写と面白可笑しいコメディーが見事にマッチ！『タッカーとディル史上最低にツイてないヤツら』

タッカーとディルという仲の良い中年男二人組が休暇を過ごすべく森林にある別荘にやってくる。道中で出会った大学生グループもこの森へキャンプするためにやってくるが、学生たちは二人を殺人鬼だと思い込む。その夜、釣りを楽しんでいるタッカーとディルは川で溺れかけている女子大生アリソンを救出するが、これが学生たちの誤解を招き、最悪事態が次から次へと勃発することに…。

血みどろのグロ描写と面白可笑しいコメディーが見事にマッチした実に面白過ぎる作品だ!!

コメディーテイストがスプラッターならではのグロや恐怖、残酷さを和らげているのだ!!だから、不謹慎ではあるものの、酷いシーンでも笑えてしまったりするのだ。

見せ場であるスプラッターは、容赦なく描かれている。タッカーがチェーンソーで木を切っていると、蜂の巣に当たってしまったことで蜂軍団が飛び回り、チェーンソーを振り回しながら逃げるタッカーを観た学生たちは殺人鬼に襲われると思い込んで必至に逃げ回るが、激走する一人が尖った木の一部に突き刺さって死んでしまい、ある者はタッかーとディルを殺そうとする際に勢い余って木材チッパーに突っ込んでしまって上半身が無くなってしまう…という具合にエグい見せ場が随所に観られる。

本作の面白さは、笑いやスプラッターだけではない。男同士の友情を描いたシーンではホロりとさせられるし、ディルとアリソンが仲良くなっていく過程も微笑ましい。こういった描写を用意したことによって観る者にさらなる面白さを味わわせてくれるのだ!!

クライマックスでは危なっかしくてヒヤヒヤ思えるような激しいバトルが観られ、最後の最後までじっくりと楽しませてくれるような作りが最高に素晴らしい!!

レビュアー：佐々木貴之