【抽選で1名様に読者プレゼント】『KINGDOM HEARTS Melody of Memory』インプレッションレポート


 

【文・畑史進(編集長)】

 

「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉があるけど、ゲームもまた同じような点があると思う。
夢中になって遊んだゲームは音楽主体のリズムゲーでないにも関わらず、遊んでいた当時の記憶とセットになって背景BGMを覚えている。という人は少なくないはず。11月11日にスクウェア・エニックスから発売された『KINGDOM HEARTS Melody of Memory』(以下『MoM』)はまさにプレイヤーの過去の様々な記憶を呼び起こすような作品だと感じた。

 

このゲームの簡単な概要を紹介すると「KINGDOM HEARTS」シリーズで流れてきた様々なBGMを題材にしたリズムゲームで、遊んでみた感覚としては同社から出た『シアトリズム ファイナルファンタジー』(以下『シアトリズム』)にかなり近い(リザルト画面で気づいたけどね)。『シアトリズム』が横に譜面が流れてくるのに対して、こちらの『MoM』はというと奥から手前に譜面が流れてくる。そして、アイコンをタイミング良く押したり、ボタンを長押ししつつスティックでリズムよく譜面に合わせてスティックを倒すことでメロディーを奏でていく。
そのため「KINGDOM HEARTS」シリーズの特徴である3Dフィールドアクションゲームをそのままリズムゲームに落とし込んだような構成で、こういった形のリズムゲームはあまり見られないので多くの人にとって新鮮な体験となっているんじゃないかと感じた。

 

    

 

本作のストーリーモードである「ワールドトリップ」はまさに冒頭に紹介したような「記憶をたどる」というもので、シリーズ順にステージBGMやバトルBGMのリズムゲームをこなしていって、本シリーズのストーリーを大まかに振り返っていく内容となっている。
本作はこの「ワールドトリップ」で各楽曲をクリアしていくことで次にプレイできる楽曲を解放していき、解放した楽曲は別メニューの「ミュージックセレクト」で自由に遊べるようになる。
この「ミュージックセレクト」では「ワールドトリップ」で遊ぶことになるスタンダードなゲームプレイの他にも一つのボタンでプレイする「ワンボタン」スタイルや更にもう一つターゲットを増やしてプレイする「パフォーマー」スタイルというプレイスタイルの選択もできる。

 

 

他にもCPUとのオフライン対戦や、他ユーザーとスコアを競い合うオンライン対戦もあり長期的に遊べる設計となっている。

楽曲プレイ中はそのBGMが使用されたステージをソラ、ドナルド、グーフィーが五線譜のスタッフレーンを移動しながら、ターゲットマーカーとなっている敵キャラクターやアクションガイド、アビリティシンボルを楽曲に合わせてリズムよく、タイミングよく叩いていとアクション作品同様にソラたちが攻撃を繰り出したり、アビリティを使用したりする。

使用するボタンは主に○ボタン、R1ボタン、L1ボタン、✕ボタン、△ボタン、Lスティックの5種類(モードやコンフィグで増えることがある)。○ボタン、R1ボタン、L1ボタンは攻撃ボタンとしての役割を持っており、ターゲットマーカーをタイミングよく押すと敵やオブジェクトを攻撃するモーションを取る。同時押しのターゲットが出ていたらL1、R1を同時に押すよう心がけていたら難所を突破しやすくなると思う。

 

 

△ボタンはアビリティアクションで、アビリティシンボルに合わせてボタンを押すことで、使用しているキャラクターの特徴的なアビリティアクションを繰り出して敵を攻撃していく。

 

 

✕ボタンはアクション作品同様にジャンプの効果を持っていて、楽曲プレイ中ソラの歩く先に上を向いたターゲットマーカーがあったらタイミングよく押すことでジャンプをして、状況によっては敵の攻撃を回避したり、直後に攻撃ボタンを押して敵を攻撃することになる。このゲームを遊んでいて特に感心させられたのがこのジャンプアクションのタイミングのよさ。ジャンプをするタイミングで「シュッ」というジャンプのSEが入るのだけど、これが曲のタイミングとバッチリ合っていて、直後に敵を攻撃する場合でも楽曲とシンクロしているので成功するととても気持ちがいい。

 

 

これをどの難易度でもバッチリ合わせるように調整したスタッフには感心させられるし、楽曲もメインストーリーと絶妙なバランスで絡み合う「KINGDOM HEARTS」ならではの特徴だと感じた。スタッフも下村陽子氏にかなり敬意を払い、神経を尖らせて制作に臨んだに違いない。

やっぱりこのゲームシリーズはBGMが非常にいいのでどの楽曲も久しぶりに訊くものばかりでも、ゲームの思い出はもちろんのこと初作からプレイした中学生時分の様々な記憶が抱合せで蘇ってくる。

ただ、いくつか気になるポイントはある。
一つは「ディズニー楽曲が出るのが遅い」。このゲームは『KINGDOM HEARTS』シリーズを順になぞっていくというコンセプトの為、仕方ない部分ではあるけど、おなじみのディズニー楽曲が出るのが遅くなっている。体感としては『リトル・マーメイド』「Under the Sea」や『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の「This is Halloween」までに30分以上かかった。
元々このゲームは「ディズニー」と「スクウェア・エニックス」」から生まれ、双方のファンをうまく取り込んでいる。せめてチュートリアルくらいは「Mickey Mouse March」で初めたほうがディズニーのファンのテンションをぶち上げてくれたんじゃないだろうかと思った。ましてやこのゲームは「ディズニーの作品の楽曲が収録されている初のリズムゲーム(実際は『KINGDOM HEARTS Ⅱ』のアトランティカステージだけどね)」というアドバンテージを持っているのに非常にもったいない。

 

 

それに拍車をかけているのがモーグリの合成システムだ。
ステージをクリアするとアクション作品同様に様々なアイテムを入手する。これらのアイテムの中には合成の足しになる素材アイテムがあり、掛け合わせることで「新しい楽曲」が入手できる。中にはオーケストラアレンジされたものから同じ楽曲でも見た目が変わっているものもあるのでそういったものは面白い部分だし、合成システムの存在によって「KINGDOM HEARTS」らしさがより出ていると思う。ただ、この合成結果の中に「ディズニーの作品の楽曲」が含まれている。もちろん制作陣の「ゲームを遊び込んでほしい」という意図もわからないでもないけど、早い段階でディズニーの楽曲を遊びたいという人の気持も悟って早い段階で解放されるか最初から遊べるようにしておくべきでしょ・・・

 

あとリズムゲーム的に厳しいのが「予測線」を張り辛いこと。だいたいのリズムゲームではプレイヤーの頭の中で次に押すターゲットアイコンを譜面上のどこかで線引をして、タイミングよく叩いていくことになるけど、このゲームはその線引がし辛い。
その理由もこのゲームが「KINGDOM HEARTS」のアクション性をそのままリズムゲームに落とし込もうとしている部分にあって、敵が立体的に動いていたり、配置されている前後関係がわかりづらく、同時入力に反応できないことが多々起きている(30過ぎたおっさんの視認からの反射神経の問題もあるかもしれない)。このゲームの目指しているゲーム性を否定することになるけど、これを再現したことでリズムゲームとして難解な部類になっている。
ただ、そうした部分も分かっているのか「ミュージックセレクト」では楽曲に合わせて一つのボタンを叩くだけで攻略できる「ワンボタン」スタイルが用意されていたり、「シアトリズム」シリーズと比べてスコアランクのボーダーがやや低めに設定さいれたりしているのだろう。これはこのゲームの特徴的な部分もあるので否定することは出来ないけど、ミスを犯してもあまり深く考えず楽曲を楽しむことに集中すればいいと思う。

 

とまぁ全体的に遊んだ感想として、かなりカジュアルな内容になっているのでこのコラムを読んで手にとってもらえたら書いたかいがある。「「KINGDOM HEARTS」の内容忘れたな」という人もざっくりと思い出せる構成になっているので、手短に振り返りたい人にもおすすめできると思う。

 

 

というわけで今回こちらのインプレッションレポートを最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

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応募締め切りは11月29日(日)の23:59までとなります。

発表は発送をもってかえさせていただきます。

 

 

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