小路幸也の同名小説を豪華キャストで映画化 『東京公園』完成会見



6/2(木)、東京、恵比寿Q.E.D. CLUBにて、映画『東京公園』の完成会見が行われた。登壇者は、青山真治監督、三浦春馬さん、榮倉奈々さん、小西真奈美さん、井川遥さん。『東京バンドワゴン』で多くのファンを生んだ小路幸也の同名小説『東京公園』を、世界的映画監督であり三島賞作家でもある青山真治監督が映像化。そばにいるからこそ、気づくことのできなかった思い。失くしてしまった存在と正面から向き合う勇気。自分自身の心の奥底を見つめ、相手のまなざしを受け止めたとき、ようやく新たな時間が動き出していく―。やわらかな陽射しが差し込む東京の公園を舞台に、再生と再出発の瞬間を切り取った作品。映画は6/18(土)より、新宿バルト9ほかにて全国公開される。
—お互いに、青山監督とみなさん、初めてお仕事をされたと思うのですが、いかがでしたか?
(青山)実にまばゆい方々で、今もまっすぐ見られません。まぶしすぎてね、みなさん。久しぶりの撮影で、こういう言い方もなんですが、毎日がお祭りのようで、楽しくてしょうがない日々を過ごしました。
(三浦)青山監督の演出は、次はこう動いて、とか突発的な演技指導が多く、僕もスタッフも思いつかないようなものでした。寝転んで井川さんにカメラを向けるシーンがあるのですが、とても斬新で、スタッフ一同、この演出は素晴らしいねと話していました。
(榮倉)監督は現場で楽しそうだなって毎回思いました。衣装合わせの時に急に居なくなったり、現場では居間で寝転がってたり、自由なネコちゃんみたいな動きでした。(上記の発言で、まぶしすぎて)目が見れないなんて嘘だろう、と思います(笑)。
(小西)突拍子もない演出を監督はしてくださいました。おもちゃを見つけた子供みたいに、キラキラしていて、監督をみているだけで明るい気持ちになりました。演出している監督を見るのが幸せでした。
(井川)監督の姿を探すのが大変でした。公園を散歩する役なので、監督との関わりと言えば、カットの声がかからないのかなぁ、と思いながら歩いているくらいでした。カットの声がかかったのか分からず歩いていたことも。遠くから監督に視線を送ると、うんうん、とうなずいました。監督はシャイなのかな、感覚的なことだからなぁ。今日と同じくらいの距離感だった気がします。
—自分の役との共通点は?
(井川)メッセージを送りながら公園を散歩している女性の役なのですが、私自分も撮影を通して散歩を満喫した点で一緒かな。子供をのせてベビーカーを押しながら歩いているので、「あ、うちの子、置いてきちゃった」みたいな気持ちにもなりました。
(小西)あまり共通点という共通点は意識してはいませんでした。私には弟がいないので、クランクインのシーンが兄弟で言い合いながら自分の気持ちを出す、という重要なシーンで、不安もありながら現場に行きました。が、すごくスムーズに「姉貴!」なかけあいができて、自分の中にもこういうところがあるのかな、と新発見ができました。
(榮倉)共通点は食べるのが好きなところですかね。とにかく良く喋りました。幼なじみの空気が出せるかなと思いましたが、監督が現場で寝転んだりされていて、ぼーっとしている空気感で、現場が作れた気がします。
(三浦)これまで僕が演じた中で一番、実際の僕に近い役だと思いました。普段はスローテンポなところとか。光司という人は、周りの人にあわせられる人じゃないのかな、という風に考えて役づくりをしました。富永にはリズムがあってそれにも付いていけるし、お姉さんにも付いていける。バイト先のマスターにも。とはいえ、自分のペースを守りつつ、影の部分があるんじゃないかなと思って、光司というキャラクターに興味を持ってやらせてもらいました。
—三浦さん、素敵な女性陣に囲まれましたがいかがでしたか?
(三浦)美しすぎてまっすぐみられませんでした(苦笑)。
—苦労した点や思い出に残っているシーンは?
(三浦)苦労はない、って言ったら頑張ってないとおもわれますかね。空気感も良くて、のびのびさせてもらいました。終盤で百合香(井川)さんの旦那さんの初島さんとの長いシーンがあって、長ゼリフをしゃべりました。それを1発でOKがでたのですが、「すばらしい!」と青山監督が叫んだんです。それまで普段、青山監督にほめられたことがなかっただけに、ここだけ、心の叫びに聞こえました。役者として、心の底から素晴らしい、と言われて、誇りにもなったし、支えでもあります。一生支えになる言葉を頂いた、と思います。
(青山)はい、心の底から叫びました(笑)。
(榮倉)富永は、台本の中ですごく喋っているのに、人柄がつかめないな、と思って読んでいたら、演じてみて実際そういう人になりました。本性を出さないけど、言葉には深い意味がある女の子です。本当に一番苦労したのは、富永という人をつかむ、ということでした。監督は自由に操ってくださいました。台本を読んで色々と考えるという作業を与えてくださいました。お芝居させて頂いてありがとうございます。
(小西)大島にロケで、初めて行ったのですが、南国をイメージしていたら想像を超えるほど風がとてもすごくて。岬の先の岸壁に、光司と父親と私で立つシーンがあるのですが、気合いを入れて仁王立ちして立たないと倒れちゃうくらいでした。風のすごさに、長い髪が顔にかかったりするので、スタッフさんが風よけを作ってくださるほど、大変でした。リハの時は、そのスタッフさんによる風よけの姿が見えて気になっていたら、本番の瞬間にスタッフの気配がまったく消えて、集中してそのシーンにのぞめました。監督スタッフともに一体感があって、すごかったですし、そういう現場に参加できて幸せでした。
(榮倉)(※榮倉さんが感動して思わず)そのシーンの小西さんがすごく綺麗で、大好きなシーンで、そんなに大変だったとは知らず、今のお話を聞いて鳥肌が立ちました!
(小西)仁王立ちしたって言わない方がよかった(笑)??
(榮倉)本当に素晴らしいシーンでした。
(井川)私の役は台詞がなくて、術がなく。言葉にすると、それ以上のそれ以下でもないという、別の難しさがありました。私の意識は、東京の公園を満喫すれば、楽しめばいいんだな、と思いました。完成した映画を観てとても楽しめましたし、監督がインタビューでおっしゃっていた「(井川さんには)存在そのものでいてくれればいい」という一言で不安が取り除けました。
『東京公園』
6/18(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督・脚本:青山真治(『EUREKA ユリイカ』、『サッド ヴァケイション』)
出演:三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥
原作:小路幸也『東京公園』(新潮文庫刊) 共同脚本:内田雅章、合田典彦
製作:「東京公園」製作委員会  配給:ショウゲート
(C)2011「東京公園」製作委員会   
公式サイト:http://tokyo-park.jp/

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