『SEKIRO: NO DEFEAT』沓名健一監督が徹底解説!全編手描き2Dアニメーションと坂本龍一「Blu」起用の理由を語る

劇場アニメ『SEKIRO: NO DEFEAT』のトークショー付き試写会が8月30日(日)に開催され、沓名健一監督が登壇した。イベントでは、原作ゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をアニメーション映画化するにあたっての脚本作りやキャラクター造形、アフレコ現場、音楽、そして全編手描きによるフル2Dアニメーションを選択した理由など、本作の制作舞台裏が明かされた。

『SEKIRO: NO DEFEAT』は、株式会社フロム・ソフトウェアが手掛けたアクション・アドベンチャーゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を原作とする劇場アニメーション。2026年9月4日(金)から全国劇場にて3週間限定で上映される。アニメーション制作はQzil.la株式会社、製作とプロデュースは株式会社KADOKAWAとアーチ株式会社がそれぞれ担当し、全編手描きによるフル2Dアニメーションで描かれる。レーティングはPG12。

『SEKIRO: NO DEFEAT』沓名健一監督、原作ゲームのプレイから制作をスタート

トークショーの冒頭では、沓名監督が原作『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をプレイした際のエピソードを披露。

監督を受けるかどうかを判断するためにゲームを始めたものの、なかなかクリアできなかったという。

「早くクリアして、この企画をやれるかどうかを判断したいのに、全然クリアできない。会社から帰ってきたら家で『SEKIRO』を始めて、鬼庭形部が倒せないのにまた朝になっている。それが繰り返されるんですよね」

また、沓名監督が客席に「『SEKIRO』をプレイしたことがある人、手を挙げていただけますか」と問いかけると、会場のほとんどの来場者が手を挙げ、原作ゲームをプレイしたファンが多数集まっていることがうかがえる一幕となった。

『SEKIRO: NO DEFEAT』で狼と九郎に焦点を絞った脚本

映画化にあたって最も時間をかけた点として、沓名監督が挙げたのが「脚本」だった。

「この長大なゲームの要素を本当に全部やったら、映画5本分くらいになってしまうと思うので、それをまとめる作業が非常に難しい」

膨大なゲームの物語を一本の映画にまとめるにあたり、本作では狼と九郎の2人に焦点を絞ることを選択したという。

「おはぎを作るくだりだったり、この狼と九郎の2人の時間というのをどう扱っていくか」

ゲーム原作からの変更について「ゲームと違うと怒られるかもしれない」と考えながらも、狼と九郎の2人に穏やかな時間を用意することについて、「1つの役割なのかなと思っていて」と語った。

孤独な主従である狼と九郎の関係を、映画という媒体にどのように翻訳していくのか。その脚本制作の過程が明かされた。

狼と九郎、それぞれのキャラクター造形

キャラクター造形について、寡黙な狼は「基本的に狼は、もう最初から腹の座っているキャラとして描いた」と沓名監督。

一方の九郎については、ゲーム原作よりも感情の起伏を増やしているという。

「ゲーム原作よりもちょっと気持ちの上がり下がりが多いと思います。ゲームの印象だと、もっと落ち着いた対応をしていたと思うんですけど、これもゲームと映画の翻訳の違いというところで、九郎にはちょっと苦労してもらおうかなという……ダジャレになっちゃったんですけど」

ゲームと映画という異なる媒体の違いを踏まえ、それぞれのキャラクターの描き方にも調整が加えられていることが語られた。

浪川大輔らキャスト陣とのアフレコ現場を振り返る

アフレコ現場については、ベテラン声優との収録が印象に残っていると振り返った。

梟役の土師孝也、仏師役の浦山迅、葦名一心役の金尾哲夫について、沓名監督は次のように語った。

「本当の大ベテランとアフレコすることが自分もあまり経験のなかったことなんですけど、ほぼワンテイクで全部行ったかなというくらいの勢いで、キャラ作りも芝居作りも完璧にしてきていただけて。息遣いだったり、たたずまいだったり、芝居で醸し出すみたいな、そのレベルの高い、声の芝居を目の当たりにできて、すごい幸せな時間だったなと思います」

主人公・狼役を務める浪川大輔の起用については、『ターミネーター2』を例に挙げたエピソードも明かされた。

沓名監督は「『SEKIRO』の構造って、ちょっと『ターミネーター2』に似ているところがあると思うんですね。シュワちゃんとジョン・コナーの関係みたいな」と説明。

さらに浪川が子役時代にジョン・コナーの声を担当していたことに触れ、「ジョン・コナーの浪川さんの頃からファンです。ただ、今回はシュワちゃんが浪川さんです」という話をして出演を依頼したという。

寡黙な狼の芝居については、「感情を込めて喋るキャラクターでは当然ないので、感情を込めない中に感情を込めるという、微妙な差異みたいなところをうまく演じていただいたので、非常にありがたかったです」と語った。

坂本龍一「Blu」を主題曲に起用した理由

音楽については、主題曲として坂本龍一の「Blu」(『The Best of ‘Playing the Orchestra 2014’』)を起用した理由が語られた。

沓名監督は「まずもって、自分が坂本さんのファンでした。いつか自分が作品を作る時に坂本さんの音楽を使えたらなというのは、ずっと夢として持っていたものです」と説明。

複数の候補を挙げ、完成した映像に音楽を当てながら検討を重ねた結果、「Blu」に決定したという。

「音楽の構造で言うと、クラシックの『ボレロ』の構造を取っていて、クライマックスに向かうに従って壮大になっていくという構造が、映画のエンディングに合うなと感じました。そして坂本さんの持つ、ただエモいだけではないというか、ただ悲しいだけではないという複雑な感情を描くというところにおいて、この作品に合うなと感じたので、選ばせていただいたという感じです」

劇伴を担当する蓮沼執太の起用理由についても、「坂本さんとシームレスに接続できる音楽家は、日本にそんなに数は多くないと思います」と説明した。

また、沓名監督には音楽の使い方について明確な考えがあったという。

「キャラクターの感情の添え物のような音楽の使い方をしたくないという思いがずっとあって。音楽って本来いろんな使われ方があったはずで、そこをうまく噛み砕いて音楽にしてくれそうな人を探していたんです」

『SEKIRO: NO DEFEAT』を全編手描きのフル2Dアニメーションで制作した理由

原作ゲームでは3Dによる映像表現が用いられている一方、『SEKIRO: NO DEFEAT』は全編手描きによるフル2Dアニメーションで制作されている。

この制作手法を選択した背景について、沓名監督は予算という現実的な問題にも触れながら、自身の考えを明かした。

「2Dならば日本のトップレベルの現場も色々見てきていて、世界にちゃんと通用するクオリティを出せるかな、という思いがありました。原作に失礼のないように、自分が出せるものを最大限ぶつけるしかなかろうというところで、そういう選択をして、フロムさんに提案させていただいたところがあります」

原作ゲームに向き合いながら、自身が持つ2Dアニメーションの経験を生かして制作手法を選択したことが語られた。

「葦名の水」天然水配布イベントを9月5日に渋谷で開催

トークショー終了後には、『SEKIRO: NO DEFEAT』に関連する最新情報も発表された。

公開2日目となる9月5日(土)には、渋谷にて「葦名の水」天然水の配布イベントを実施。数量限定での配布となるほか、狼と九郎のフォトスポットも設置される。

『SEKIRO: NO DEFEAT』×東京タワーのプロジェクションマッピングも実施

さらに、『SEKIRO: NO DEFEAT』と東京タワーによるプロジェクションマッピングショーが、9月11日(金)より実施されることも発表された。

クリエイティブ制作は株式会社ネイキッドが担当。本編のバトルを東京タワーの夜景ガラスを通して追体験できる内容となっている。

沓名健一監督が来場者へメッセージ

イベントの最後には、沓名監督から来場者へメッセージが贈られた。

「今は口コミが大事な時代になってきておりまして。面白いなと思っていただけたら、何かしらのリアクションをネット上に痕跡として残していただけると、3週間がひょっとしたら4週間になったりということもあるかもしれませんので、ご協力いただけると嬉しいなと思っております」

一方で、作品に対して率直な意見を寄せてほしいという考えも示した。

「なんですけど、つまらなかったと思った人は、書いてもらった方がむしろいいと思っていて。完全にみんなが良かったというのは、このゲームが原作だとあり得ないとは思うんです。私は私なりに最大限やってみました。なので、何の忖度もなく、素直なご意見を表明いただけると非常に嬉しいなと思っております。本日はお越しいただきありがとうございました」

大きな拍手の中、トークショー付き試写会は幕を閉じた。

『SEKIRO: NO DEFEAT』作品情報

タイトル(日本国内):SEKIRO: NO DEFEAT

タイトル(海外):Sekiro: No Defeat

原作:SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(株式会社フロム・ソフトウェア)

公開日:2026年9月4日(金)

上映期間:3週間限定

上映劇場:全国劇場

レーティング:PG12

アニメーション制作:Qzil.la

製作:KADOKAWA

プロデュース:ARCH

配給:ANIMEC

『SEKIRO: NO DEFEAT』STORY

時は戦国。雪深い峠を越えた先に、「葦名」という国がある。

狼は、葦名の戦場で拾われ、忍の技を仕込まれた熟達の忍びである。狼が仕える少年・九郎は、「竜胤(りゅういん)」と呼ばれる特別な血を引く一族の末裔。二人は寄る辺なき孤独な主従であった。

九郎の竜胤の血は、人を不死に変える力を持つ。それを狙う葦名の侍から逃れる狼と九郎だったが、そのさなか竜胤が不死の見返りに人々に「竜咳(りゅうがい)」という致死の病をもたらしていることを知る。

竜咳を治める方法を探す九郎は、自らの命を代償にそれがなせることを知り、苦悩の末に竜胤断ちを決意する。一方、九郎が隠していた覚悟を知った狼は、独り九郎の運命を変えるべく苦難に満ちた戦いへ――

『SEKIRO: NO DEFEAT』STAFF

原作:SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(株式会社フロム・ソフトウェア)

監督:沓名健一

脚本:佐藤卓哉

キャラクターデザイン:岸田隆宏

副監督:福井俊介

総作画監督:茂木海渡

アクション作画監督:向田隆

美術監督:金子雄司

色彩設計:佐々木梓

撮影監督:野澤圭輔

編集:村上義典

リキッドアート:ハラタアツシ

カラーグレーディング:福本達也

音楽:蓮沼執太

主題曲:坂本龍一「Blu」(『The Best of ‘Playing the Orchestra 2014’』より)

音響監督:名倉靖

音響効果:川田清貴

プリプロダクションポストプロダクションプロデュース:スタジオベタ

プロデュース:ARCH

アニメーション制作:Qzil.la

配給:ANIMEC

『SEKIRO: NO DEFEAT』CAST

狼:浪川大輔

九郎:佐藤みゆ希

葦名弦一郎:津田健次郎

仏師:浦山迅

エマ:伊藤静

半兵衛:高瀬右光

梟:土師孝也

葦名一心:金尾哲夫

変若の御子:清水理沙

公式情報

アニメ公式サイト: sekiro-anime.jp

原作公式サイト: sekiro.jp

公式X:@sekiro_nd_anime

公式Instagram:@sekirond_official_studiobetta

著作権表記

©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

©KADOKAWA/Sekiro: No Defeat PARTNERS

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