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【連載コラム】畑史進の「わしは人生最後に何をみる?」 第18回アクティビジョン・ブリザードがMicrosoftに買収されてから世界は変わるか?という“疑問”のお話

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【文・畑史進(編集長Twitter):https://twitter.com/hata_fuminobu

 

 

久しぶりのコラムの更新です。

http://enterjam.com/?p=260540

↑の記事が一時期面倒くさいXboxユーザーの目に止まってなんやかんやと言われてましたが、別にこれにヒヨって更新を止めたわけじゃなく、ここ一年めちゃんこ謀殺されるほど忙しくて金にもならんコラムは後回しにしていたというだけです。

大体2020年の11月時点のコラムがなんで翌年3月の時点の情報棒でぶん殴られなきゃならんのか。というね。これだから箱ユーザーはくぁwせdrftgyふ・・・おっと、これを言うとまーたゲハ思想とか言われる。

 

 

Xbox360も買って、必要に応じてどんなハードでも買うのがわしの信念なのになんかしらんけど、特定の宗教に所属している扱いになるのは堪えられません。悲しい。

 

ちなみに、たったいち意見でTwitterブロックするのはあんまり得策とは思えんけどね。

 

さて、定例の配信でも話したけど今月はゲーム業界に激震が走った。

 

 

あのXbox、Microsoftがアクティビジョン・ブリザード社を7兆円強で買収した。小国の国家予算規模だぞ。ゲーム会社を一社買収するよりも、Microsoftがそれくらいポンとお金を出してしまうことのほうが恐ろしい。神羅カンパニーの世界もすぐそこなんじゃないかと思ってしまう別の方向で衝撃を受けた。

 

というのはさておき、買収されたアクティビジョン・ブリザードって何を持っているのかって言う話から先にすると。

 

・スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド

・クラッシュ・バンディクー

・コールオブデューティー

・スパイロ

・Destiny

・ギターヒーロー

・ウォークラフト

・ハースストーン

・オーバーウォッチ

 

なんかがある。

さすがの超巨大企業ということもあって、AAA級のタイトルが勢揃いしている。

果たしてこんな超巨大企業が7兆円で買えたというのは安いのか、高いのか。調べると2021年2月に同社の株価は100ドルを超えていて、2020年12月時点の総資産は616億ドル超(同年12月の株価は90ドル)、おおよそ7兆円。もう数字がでかすぎてこれが正しい値なのか頭がクラクラするけど、この会社が最高期に近い金額で買えたというのは商機を見逃さなかった点でお得だと思う。買収された1月18日には65ドルにまで落ち込んでいた株価が82ドルにまで上昇して買っただけでプラスに転じている。

今後もAAA級のタイトルはシリーズ化もされていて今後の利益も見込める。2020年の上利上げ高が80億8600万ドル、日本円にして8534億円だったらしいので、年平均8000億円の利益を出し続けると推定すると8年ほどでペイできる。あくまで売り上げ高基準で話しているので実際のところはもっと長期に渡るだろうけど、長い目で見たらよほどのことがない限り損をすることはないと思う。

 

 

なんでこんな価格で買収することができたのかと言うと、推測の域は出ないが昨年の夏頃に情報がでたアクティビジョン・ブリザード社のセクハラ問題がキッカケだろう。近年は特にセクハラ問題が大きく取り沙汰される上、現に同年のゲーム業界超大手の同社のスキャンダルは株価に甚大な影響を与えた。Microsoftにとっては天の恵みにほかならないと感じたのかもしれない。

 

お金の話はここまでにして、アクティビジョン・ブリザード社の買収が今後どんな影響を与えるのか考えていこう。

まぁTwitterはじめとした個人SNSが盛り上がっているように、一つはMicrosoftが展開する「Xbox Game Pass」のラインナップ強化はあると思う。アクティビジョン・ブリザードの過去作品も豊富にあるので、これらが追加されたらかなり充実したラインナップになるとは思う。Xbox Game Passに関しては思うことがあるので最後の方にまとめて話をする。

もう一つはアクティビジョン・ブリザード社のタイトルの独占化

これは過去にも『バンジョーとカズーイの大冒険』や『キラーインスティンクト』を出したレア社の買収や『サイコブレイク』や『Fallout』のベセスダ・ソフトワークス社の買収から今後そうなるだろうと言われている。しかし、本当に独占になるか怪しい部分がある。買収したんだから独占になるのは当たり前という固定概念は一度捨てて考えよう。

 

ベセスダ・ソフトワークス社やアクティビジョン・ブリザード社のタイトルを見たらこれまで「マルチプラットフォーム戦略(複数ハード販売)」で販売されたタイトルが圧倒的に多い。90年代はハード戦争の最激期で1ハード独占タイトルも珍しくなかったが、ゲームソフト制作の高騰化から売上の為にすでに販売したソフトの完全版や、マルチプラットフォームで展開することも珍しくなくなった。

 

アクティビジョン・ブリザード社やベセスダ・ソフトワークス社の買収前の売上はそれぞれマルチプラットフォームで販売されて立ててきた売上実績であって、果たして買収されたあとに同じ売上を出し続けるのかと言われたら難しい部分がある。これは算数のお勉強レベルの話。

幸いなことに現在Microsoftの展開しているXboxの市場はPCにまで伸びていて、PCゲームの土壌が醸成されている海外ではXbox、PCのマルチプラットフォーム展開ができるが、PS、任天堂を削って今までに近い売上を達成できるかとなったらどうだろうね。

買収するというのはそれまでにあった売上を期待して買収するのであって、どこまでの減少幅を想定して買収したのかは気になる所。

仮にXbox Game Passの入会者増の効果は多少あると思う。

個人的に『スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド』の過去作のリマスターなりがXbox Game Pass独占になったらチョット考えなければならない。ただ、これに期待し過ぎたところで、果たして全員が全員アクティビジョン・ブリザード社のゲームを遊ぶかと言ったら、あのサービスの中にも競合他社がいるわけで中々そうはならないだろう。

 

最悪レア社みたいに飼い殺しの可能性も・・・まぁ、買収額もあるからそれはないでしょう。

今まで世界中で展開したマルチプラットフォームでの売上の面で考えると独占は疑問。先行販売が良いところじゃなかろうか?

 

ここまでは世界規模の話であって、じゃあ日本では?という話になるとますます怪しい(と思う。と括弧書きしておく)。

 

どれもAAA級のタイトルラインナップでは有るが、日本でどこまで影響のあるタイトルなのかという話をすると、“影響”という言葉の解釈になるが、『オーバーウォッチ』と『コールオブデューティー』『クラッシュ・バンディクー』あとはせいぜい『ハースストーン』がいい線じゃなかろうか。これらはコア層からミドル層で売れるタイトルであって、大衆向けのライト層に受けるタイトルかとなると疑問が残る。『クラッシュ・バンディクー』がそのへんにカテゴライズするのは悲しいが、直近の作品の話題を振り返ると断腸の思いでするしかない。

 

ゲーム業界全体からみて日本市場規模は大きい方だが、北米、中国、ヨーロッパと比べると小さい。2020年の世界ゲームコンテンツの市場は20兆と推計され、内、日本国内は2兆円に留まっている(参考:https://gamebiz.jp/news/300622)。日本は基本無料からのガチャ課金のスマホゲームがライト層を奪っている現状、ハードを購入してのゲームソフト購入はすでにハードルの高いものとなっている。ハードを購入しても『Fortnite』や『APEX』といった基本無料のゲームに流れやすい。

アクティビジョン・ブリザード社のゲームの購入層と大きく被っていますかという話になると厳しいと言わざるを得ないでしょう?

 

更に現実問題、Xbox360時代に不良品問題や「Blu-ray VS HD-DVD」の企画競争で読み負けてPSと大きく水をあけられた上、前世代時に殆ど力を入れなかったハードメーカーに日本国内で光明が有るのかとなったらいささか疑問(当エンタジャムではXboxの復権を目指してアキバ総研さんに記事出稿したり、当サイトでも更に注力したいと思ってMicrosoftの“PR代理店”にプレスリリースから取材周りの提供をお願いしたんだけど「コラム自体迷惑。なんなんですかこの吉田っていう人とあんた(わし)のコラムは・・・」って暴言を吐くように言う始末なんでお先は真っ暗でしょう。だからこその以前のコラムだったり、Tweetの発言なんだけど、Xboxユーザーには早かったと自省しています)。

 

現状、転売ヤーが大暴れしまくったとはいえ、PS5が122万台、Xbox Series X/Sは12万台を1年で売り上げている。Xbox One自体、6年間で11万台を売り上げたと考えるとかなり健闘しているのだけど、もともとコアなユーザーがそのまま継続して購入、ある程度欲しい層に行き渡ったという見方もできる。ここで本当にある程度行き渡ってしまったらそれこそお先真っ暗なので、もっと健闘してほしい。先から書いている通りアクティビジョン・ブリザード社の買収がライト・ミドルユーザー層購入の起点になるかと言うと疑問だ。

 

 

ここでXbox Game Pass、Xbox Cloudがあるから据え置き機を買うより敷居が低いという声が出てくるだろう(今回はサブスクゲームの実態に関する話は避ける)。

過去のタイトルが月額制で遊び放題、クラウドゲームによってハードを選ばないというのはあるが、PCはともかく圧倒的にゲーム人口の多いスマホ、タブレットで人気を博すかというのはこれも疑問の残るところ。あいも変わらずPRが乏しいのはおいといて、コントローラー向けに開発されたゲームをタブレット機で遊ぶのはかなりしんどい。じゃあコントローラーを買えよという話をするだろうが、コントローラーを買うほどの金があるなら少しでもお気に入りのゲームの課金をしたほうが良いというマインドになると思う。タブレットゲームをする上においてコントローラーを別途買わせるというのは、ゲームそのものが不良品だと言っているようなもの。

 

ましてやクラウドゲームである程度快適に遊ぶなら相応のスペックと、それなりの最新機を用意しておかないといけない。意外にもクラウドゲームを快適に遊ぶには据え置き機以上にお金がかかる。実を言うとこの辺は日本のスマホ市場は優秀で、月賦で最新機器を買わせる仕組みがあるから割りかしクラウドゲームが普及する土壌はできている。だけど通信速度の制限の上限という壁が立ちはだかる。このコラムを読んでいる人は快適な環境にいるだろうけど日本の通信インフラはそこまで利便性は高くなく、発達もしていない。大衆がクラウドゲームを快適に遊べる環境ではない。

 

いかに「魅力的なゲームが揃っているよ!」「これからドンドンゲームが来るよ」と言われても日本におけるアクティビジョン・ブリザード社のタイトルは日本ユーザーのライト層には訴求力が弱いので、これがキッカケに市場が逆転するというのはちょっと考えにくい(2022年1月26日のコラムですよ)。

 

FFの新作、ドラクエの新作かペルソナの新作、Fateの新作。といった知名度の高い系統のものが独占で出るくらいでないと動かないと思う。果たしてMicrosoftが日本市場のためにそこまで動いているかは疑問ではあるが。

 

ここまで来たんで最後にちょろっと。

サブスクゲームに何から盲信している人がいるけど、いささかそれは行き過ぎていると思う。

 

話は脱線したけど、今回のアクティビジョン・ブリザード社の買収はかなりの衝撃ではあった。

がしかし、独占など市場に大きな影響を与える次の一手を出せるかと言うとかなり疑問なところ。というのが率直な感想のわしでした。

 

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