オードリー・タン 絶賛の注目作! 映画『私たちの青春、台湾』 10月31日(土)初日舞台挨拶

【STORY】

 

2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。

台湾学生運動の中心人物・陳為廷(チェン・ウェイティン)、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡博芸(ツァイ・ボーイー)。やがて為廷は林飛帆(リン・フェイファン)と共に立法院に突入し、ひまわり運動のリーダーになった。“民主”が台湾でどのように行われているのか伝えたいと博芸が書いたブログは、書籍化され大陸でも刊行される人気ぶりだ。

彼らが最前線に突き進むのを見ながら、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。

しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。

ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。

それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——

 


【以下プレスリリース文掲載】

 

この度、2020年10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開となります、台湾アカデミー賞こと金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞受賞した映画『私たちの青春、台湾』の初日舞台挨拶がポレポレ東中野にて開催されました。台北の傅楡監督はオンラインにて参加し、ポレポレ東中野の会場には本作の字幕を担当した吉川龍生先生(慶應義塾大学)が登壇されました。

 

≪映画『私たちの青春、台湾』初日舞台挨拶詳細≫

■日 時:10月31日(土)11:30回 ※上映後の舞台挨拶~

■場 所:ポレポレ東中野 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下

■ゲスト:傅楡(フー・ユー 38歳/本作監督)、吉川龍生(よしかわ・たつお 44歳/慶應義塾大学教授)

 

■レポート

台湾アカデミー賞こと金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞受賞した、『私たちの青春、台湾』10月31日(土)よりポレポレ東中野にて公開となった。2020年はコロナ禍においてマスクマップを作成した、IQ180の天才オードリー・タン(デジタル担当大臣)の活躍など、台湾に注目が集まった1年となった。台湾の民主化が前進したきっかけとなった、2014年ひまわり運動に参加していたオードリー・タンは「『私たちの青春、台湾』は、運動の過程での喪失や奮闘を真摯に記録しており、民主的な社会にとって最も意義のある教訓になっていると言っていい。」と、本作に絶賛コメントを寄せている。

本作の映画字幕と、傅楡監督の人生と台湾の民主化の歩みを書いた書籍「わたしの青春、台湾」(五月書房新社)の翻訳監修を担当した、慶應義塾大学教授の吉川龍生先生がポレポレ東中野に登壇した。台北からオンラインで参加した傅楡監督とポレポレ東中野を繋ぎ、上映後に初日トークイベントが開催された。

吉川先生はまず映画の見せ場ともなっている、2014年3月18日のひまわり運動の立法院突入の瞬間に監督が立ち会えなかったことについてどう感じているかを問い、「本作の主人公のひとりでもある陳為廷がこの時を迎えるために自分はカメラをまわしていたのに、自分が立ち会えなかった事にはいまでも映画監督として反省している。」と傅楡監督は後悔の念をにじませた。

「監督自身が後半から主人公のひとりとして登場するのが本作の面白さ」と吉川先生が語ると、「主人公は陳為廷、蔡博芸の二人であったが、編集の段階で何かが足りないと感じ、それは自分自身であると気付いた。そしてその気付きは作品にとっても、自分自身にとっても重要なものになった」と監督が答えた。

2018年金馬奨授賞式で監督の傅楡が涙を流しながら、「いつか台湾が“真の独立した存在”として認められることが、台湾人として最大の願いだ」とスピーチをしたことは大きなニュースとなった。「映画を撮り終わったあと自分は高揚しており、なんだってできるようない大きなエネルギーに包まれていました。でもあれから様々なことがあり、今考えるとあの頃の自分はなにか焦ってしまっていたのかもしれません。その後、海外巡回上映などもあり、私自身はとても疲れてしまいました。いまはまだ新しい映画を作る気持ちにはなれませんが、私はドキュメンタリー制作会社に所属しており、同僚と一緒に台湾にとって重要なテーマとなる作品の企画を作っている所ではあります。」と、本作が監督自身にもたらした影響と現在の心境を語った。

日本公開に対し、「台湾、香港、中国に社会運動に関するドキュメンタリー映画ということにあり、日本の方にはどう受け止められるのかが気になっています。この作品は金馬奨授賞式でも話しましたが、「多くの人々はこの映画が政治を語っているだけのものだと思うでしょうが、実はそれよりもさらに広く、青春を論じて」います。是非日本でも多くの方にご覧頂き、感想をSNSでシェアして皆でそれを共有してほしいです。私もそうした感想を読みたいので、是非映画をご覧になってもっと台湾について知りたいと思った方は、私自身について語った「わたしの青春、台湾」(五月書房新社)も手にとって頂ければうれしいです。」と話し、大きな拍手とともに初日舞台挨拶は終了した。

 

 

唐(オードリー)鳳(・タン)(台湾デジタル担当大臣)

三・一八ひまわり運動は、一九八〇年代以降の台湾における最大規模の学生・市民による抗議運動で、台湾における行政をも巻きこむ社会活動の展開に、現在に至るまで深く影響を及ぼしている。運動の主力として、多くの若者が痛みや熱い思いを体験し、改めて人生の進むべき道を決めていった。

『私たちの青春、台湾』は、運動の過程での喪失や奮闘を真摯に記録しており、民主的な社会にとって最も意義のある教訓になっていると言っていい。それは、単に未来を夢見るだけではなく、困難と向き合い勇気を持って挑戦してはじめて、本当に自分の進むべき道に出ることができ、私たち自身を通して未来を呼びこむことができる、ということなのだ。

 

■書籍発売情報

映画監督・傅楡、そして台湾の、等身大の物語

傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。5歳の時に戒厳令が解除され、台湾は民主化へと動き出す。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行し、アイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた。

やがて彼女はドキュメンタリー映画と出会い、「ひまわり運動」を撮り始める——。

本書では、葛藤、挫折を繰り返しながら成長する、台湾の民主化の歩みと傅楡自身の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。

書籍情報

書籍名:わたしの青春、台湾

語り:傅楡 筆記・構成:陳令洋 翻訳監修:関根謙(慶應義塾大学名誉教授)、吉川龍生(慶應義塾大学教授)

翻訳:藤井敦子、山下紘嗣、佐髙春音 翻訳協力:劉怡臻

発売日:10月23日(金) 本体価格:1,800円+税  ISBN:978-4-909542-30-4  発行:五月書房新社

 

 

 


 

監督:傅楡(フー・ユー) 出演:陳為廷(チェン・ウェイティン)、蔡博芸(ツァイ・ボーイー)

製作・出品:七日印象電影有限公司 7th Day Film プロデューサー:洪廷儀(ホン・ティンイー)

主題歌:《我們深愛的青春 Our Beloved Youth》詞 /曲 / 演唱 : 楊彝安(ヤン・イーアン) 原題:我們的青春,在台灣-Our Youth In Taiwan

後援:台北経済文化代表処台湾文化センター 日本語字幕:吉川龍生 台湾語協力:劉怡臻 提供・配給・宣伝:太秦

© 7th Day Film All rights reserved 2017|台湾|カラー|DCP|5.1ch|116分 公式サイト: www.ouryouthintw.com

 

 

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