【レビュー】『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』を数年ぶりに触ってみた【執筆者:畑史進(編集長)】

 

大作ひしめく11月の下旬、21日(木)に『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』がアークシステムワークスから発売された。

格闘ゲームに疎い人に向けて説明すると、『鉄拳』の様に手前、奥の移動がなく、『ストリートファイター』の様に横移動だけで戦う2D格闘ゲームに分類される。

2D格闘ゲームにも色々ジャンルがあって、『モータルコンバット』の様なリアリティを交えたものもあれば、『ストリートファイター』のように必殺技と通常攻撃を組み合わせてコンボを狙い、必殺技の性質や相性を利用して駆け引きするものがあるなど細かく分類すると多岐に渡る。

 

で、『BLAZBLUE』シリーズは大体どんな格闘ゲームかって物凄く簡潔に説明すると、「滅茶苦茶コンボが続く格闘ゲーム」っていう感じ。長いものだと10秒くらいぼーっとする時間ができるほど。

コンボを仕掛けている側や観戦者はアニメーションの綺麗さからエキサイトしていても、食らっている側は「はよ終わってくれないかな」って気持ちになる(もちろんコンボを抜けるシステムもあるけど、使いみちを見極めないと余計にコンボを受ける時間が長くなる)。

僕の『BLAZBLUE』のプレイ遍歴は、過去に何本か触ったことがあるくらい。ちょっと練習を積んだくらいでゲーセンに繰り出したら、あっちゅうまにコンボを食らってなけなしの100円を無駄にする。しょうがないから自宅でオンライン対戦に繰り出してそこそこランクを上げていくと、割と早く上級者の壁にぶつかって徐々にプレイの機会が減っていってたまに仲間内で遊ぶくらいのゲームになっていった。

 

そもそも格闘ゲームって、コンボを覚える以前に「技を覚える」という作業も入るから、敷居の高いジャンルではある。ましてや本作みたいにタッグバトルをテーマに置いた作品だと、単純に倍の数は覚えないといけないので、頭を柔軟にしてキャラクターごとにコマンドを押したあとの効果を切り分けて覚えておかないといけないから尚更大変だ。

さて、ここまで「大変だ~大変だ~」と言い切ってしまうと格闘ゲーム未経験者、ならびに苦手意識を持つ人にブラウザバックされてしまうので前向きなエピソードを話そう。

9月ごろに友人から「『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』はお前の好きな『閃乱カグラ』のキャラ出てくるし、システムもゆるくなったから遊びやすいぞ」と聞いていたので、どんなふうになったのか興味が湧いたのと、eスポーツをずっと追っている身としても最近の『BLAZBLUE』を多少知っておかないといかんな。と思ったので、久しぶりに復帰。今回はプレイインプレッションがてら遊んだ感想をお伝えする。

 

 

プレイを開始すると、プレイヤーは最初にSD化されたアバターキャラクターを操作して、様々なモードを選択できるロビー画面を移動することになる。

おや?どこかで見たことがあるなと思ったら、これは『ドラゴンボール ファイターズ』と同じ仕様のものだ。そういえばあの作品も同じアークシステムワークスが開発したな(個人的にアークシステムワークスと聞いたら格闘ゲームよりメガドライブの『美少女戦士セーラームーン』の印象が強い)。

確かにあのゲームもコマンドは単純だったし、元がパイのデカイ漫画、アニメのゲーム化ということもあってシステムもかなり簡素のものにしていたからそれなりに期待できそうだと思った。

 

まずは久しぶりのプレイ(実に5~6年ぶりくらいか)なので、記憶の引き出しを開けるためにタクティクスモード(いわゆるトレーニングモード)から入る。

今回一番良いなと思ったのが個別キャラの解説方法で、ちゃんとキャラクターの特徴を説明しているだけでなく、他じゃ余り見られないコマンドガイドとなっている。

画面左側にはズラッとコマンドが並んでいるのだけど、プレイヤーがこれを上から順に押していくとコンボとして成立するというわけだ。

 

 

一見すると

「ジャンプB」

「立ちA」

「立ちA・A」

「立ちB」

「立ちB・B」

「立ちB・B・B」

と少々癖のある表記になっているが、「ジャンプB」を入力するとコンボガイドの一番上の部分は暗転し、続けて「立ちA・A」を入力すると、左側の「立ちA」から「立ちA・A」のコンボガイドも連続して暗転する。

どうしてこんな回りくどい表記になっているのか最初は疑問に思ったけど、ふと個人的な興味で「立ちA・A」からコンボを始動した時に「ジャンプB」のコンボガイドが暗転しないまま「立ちA」からガイドが暗転していった。そこで今度は「ジャンプB」からコンボを開始して「立ちA」から「立ちB」にコマンドを進めたら「立ちA・A」が暗転しないままになった。

つまりどういうことかと言うと、このシステムはプレイヤーが一連のコンボのどこかをミスした時にゲーム側から「ここが抜けていますよ」と親切に教えているということで、この親切なシステムのおかげで自分のコマンド入力のどこに抜けが発生しやすいかを直ぐに把握できるわけ。

 

画像は文章の一例とは違うけど、コンボが抜けると赤で囲って教えてくれる

 

似たようなシステムとして、格闘ゲームの入力履歴を表示するシステムがあるけど、これは表記が結構小さい上に、ボタンを連打してしまいがちな人にとっては自分がミスをした時に把握がしづらく、本作のようなコンボを続けることに主眼をおいたゲームでプレイヤーに基本コンボを習得させるためのシステムとしては分かりづらい部類に入ると思う。

とくに初めて触るキャラクターだったら、キャラクターの動きだけでコンボが成立したかどうかんなんてわからないし、コンボの締めがド派手なエフェクトやの入るものだったら自分が失敗した原因を把握できずにフラストレーションが溜まるばかり。仮に成功したとしても、たまたま上手く言ったのでは本質的な成長にならない。成長を感じる楽しさを覚えるのが格闘ゲームの面白さであって、この様なコマンドを順に並べて視覚的に分析できるシステムは凄いなと思った。

 

 

また画面上にはデフォルトでバーチャルのパッドが表記されており、自分のレバー入力の軌跡をリアルタイムで反映してくれるので、自分が本当に適切なコマンド入力をしているのかどうか知ることもできるようになっている。凄いことに各種攻撃ボタンを入力すると8方向のレバーの上にボタンが表示されている。

これのありがたい点は、自分のレバー入力がコマンド表通りに入力していたと思っていて失敗した際に原因を知ることができるということ。

↓↘→のいわゆる波動拳コマンドで方向キーをスライドさせてから攻撃ボタンを押したのに、早まって押してしまったせいか出たのがしゃがみパンチだったなんていうよくあるケースで、最初の↓を入力した時に押したのか、それとも↘を押した時に押してしまったのか自分がどのくらい早まっていたのか冷静に分析ができる。普段からコマンド入力を十中八九の正確さで入力できる熟練者にとっては何ということもないことかもしれないが、上昇志向の高い初心者にとっては非常にありがたい機能で、気配りを感じられるシステムだと感じた。

 

話が長くなりすぎたので、軽く最後にストーリーモードについて触れて終わりにする。

そもそも格闘ゲームのストーリーモードがなんのために存在するのかと言うと、キャラクターのさわり心地を知ってもらうためである。デフォルトに設定されている難易度は、チュートリアルを済ませていると普通に遊べるレベルに設定されていて特にストレスを溜めることなく遊べると思う。

 

また、コラボしている作品も本作の作風にあっているので、コラボ先からやってきましたという人にとっても楽しく遊べる内容になっているのはよくできていると感じた。

少しだけオンラインを遊んでみても、快適にマッチングするので、久しぶりに数時間ほど時間を忘れて熱中できた。ただ、ゲーセンに行って100円打ち込んでやるかどうかと聞かれたら、そもそもアケコンが触れないので無駄にするのがオチだろう。

 

以上すごく簡単な紹介のようなレビューだけど、久しぶりに遊んでみたというのもあるけど、システム的にはブラッシュアップされているにも関わらずちゃんと『BLAZBLUE』していて、初心者への教育もちゃんとしているのでこの手のコンボメインの格闘ゲームにしては広くおすすめできる内容だと感じた。

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