綾野剛「『楽園』は“初めての感情”を抱いた作品」 豪華キャスト・監督が映画の完成に感謝 映画『楽園』イベントレポート

STORY
ある地方都市で起きた少女失踪事件。家族と周辺住民に深い影を落とした出来事をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士と、失踪した少女の親友だった紡。不幸な生い立ち、過去に受けた心の傷、それぞれの不遇に共感しあうふたり。だが、事件から12年後に再び同じY字の分かれ道で少女が姿を消して事態は急変する。一方、その場所にほど近い集落で暮らす善次郎は、亡くした妻の忘れ形見である愛犬と穏やかな日々を過ごしていた。だが、ある行き違いから周辺住民といさかいとなり、孤独を深める次第に正気は失われ、誰もが想像つかなかった事件に発展する。2つの事件、3つの運命、粗衣の陰に隠される真実とはー。“楽園”を求め、戻ることができない道を進んだものの運命とはー。

【以下プレスリリース文掲載】

「悪人」「怒り」など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一。その最高傑作と評される「犯罪小説集」が、『64-ロクヨン-』を大ヒットさせた名匠・瀬々敬久によって、遂に映画化。主演にはその実力と人気の高さからトップスターの座を築いた綾野 剛。確かな演技力で急成長をみせる杉咲 花が、緊張感溢れる本編に華を添える。そして日本を代表する名優・佐藤浩市が、重厚なドラマを支えて作品世界を完成させた。更には、柄本 明、村上虹郎などの顔ぶれが揃い、令和元年、新たな衝撃作が誕生する。

世界三大映画祭の一つ、第76回ヴェネチア国際映画祭公式イベント「ジャパン・フォーカス」の正式出品も決定。10月の日本公開を前に、海外からも熱い注目を集めている。

この度、本作の完成を記念して、主演の綾野剛、共演の杉咲花、黒塚久子役の片岡礼子、佐藤浩市、今年一番の衝撃作へとまとめ上げた巨匠・瀬々敬久監督を招き、完成披露試写会を実施いたしました。

舞台挨拶前に行われたレッドカーペットイベントも行われ、豪華キャスト・スタッフが揃った本作にふさわしい華やかな幕明けとなりました。

舞台挨拶が始まると綾野は「これだけ多くの方に集まっていただいて嬉しいです。ようやくこの『楽園』が走り出すんだなと感じています」と挨拶し、杉咲は「どのように受け取ってもらえるかドキドキです」と一言。佐藤はMCより“村八分で孤立する男を演じた”と紹介されると「もはやそれだけでつらいですね、、」と笑いを誘い「瀬々監督作品でよもやタイトル通りの作品を期待している人はいないと思いますが、この映画から何か希望を見出してもらいたいです。」と話しました。片岡はこの場を借りてお礼を言いたいことがあると前置し、「20年前脳出血で命を落としそうなことにもなりました。今回この久子役をやり切れるのか不安だったんですが、共演シーンの多い佐藤さんと監督のおかげで今日ここに立てたことが嬉しいです。」と並々ならぬ思いを打ち明けました。瀬々監督は「今の日本の姿がよく映し出されていると思います。綺麗なシーンもあると思っています。ぜひ皆さんの胸に、、飛び込んで行け―!!」と急なハイテンションな話し方に、「瀬々監督のそういうところ初めて見ました」とキャスト陣からは戸惑いの声が上がるも会場は笑いに包まれました。

先日行われた第76回ヴェネチア国際映画祭でのイベントで村上がレッドカーペットイベントに参加している様子がスクリーンに映し出され、“日本映画の良さをもっと伝えていきたい”という村上のコメントに対して綾野は「虹郎君が言うように、国際映画祭という、いろんな国の作品が集まるところで、自分が世界に行くというよりも、作品を世界に持っていきたいなという思いが強くあります。」と、佐藤も「言語を超えて人が分かり合える、感じ入ってもらえるものが映画だと信じて作っています。宗教や慣習、習慣など難しいことはありますけど、それでも一つ人間として通づるものを映像を通して発信していきたいと思います。」と熱いコメント。瀬々監督も「今、外国との関係も難しい世の中になっていて、この映画では限界集落の差別、外国人への差別などが背景となっています。でも隣の人と手を結んでいくような世界が『楽園』に通づるといいなと思って作った映画なので思いが伝わるといいなと思います。」と話しました。

また杉咲は共演シーンの多かった綾野に対して「綾野さんは役柄に入り込む方だと思っていて、クランクインの日に近づかない方がいいのかな、と思っていたが一緒に話そうと声をかけてくれて、美味しいごはんをごちそうしてくれたり、誕生日にはプレゼントを2つもくれました!」と撮影時の裏話を披露すると綾野が照れた表情を見せる一幕も。

原作の「犯罪小説集」から『楽園」というタイトルについて聞かれた瀬々監督は「タイトルをそのまま「犯罪小説集」とするわけにはいかず、ふと思ったのが『楽園』というタイトルで。吉田さんにも了承してもらいました」とタイトルが決まった経緯について明かしました。 “皆さんにとっての「楽園」とは?”という難しい質問にキャスト陣は言葉を詰まらせると、佐藤は綾野から「どうですか、先輩?」と振られると「自分が打ちひしがれて、“楽園”という言葉の中にある情景を感じるところもあればその反面とても残酷な言葉でもあると思うんです。今回『楽園』というタイトルと聞いて自分中でスッと通るものがあって、監督には感謝しています」と急な振りにも見事に応えました。

映画を楽しみにしている方々へ綾野は「どこがいいと具体的に言ってしまと皆さんを誘導してしまうことになりかねないと思うのですが、この作品にでている人たちの表情をつむいで見てもらいたいです。その表情に瞬間瞬間の全てが出ているのでその瞳に皆さんが感じているものを投影してもらいたいです」と注目ポイントを話しました。最後に綾野は「これまで映画に関わってきて、沢山の方々に何かを伝えたい何かを感じてもらいたい、と思っていましたが、この楽園を見て新しい感情が芽生えました。皆さんに託すということです。この映画は皆さんに託して皆さんの中で通って初めて完成すると思いました。本当に今日は皆さんに心から感謝しています。」と締め、イベントは盛大な拍手の中幕を閉じました。

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