スター・ウォーズ ゲーム研究本を出すために 第14回 DICE版『スター・ウォーズ バトルフロント』シリーズ 【執筆者:畑史進 (ハタフミノブ)】

 

【執筆者:畑史進 (ハタフミノブ)】

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■『スター・ウォーズ バトルフロント』(2015)

 

『スター・ウォーズ バトルフロント』はEA Digital Illusions CE(DICE)開発、EAから販売されたマルチプレイヤー・アクションシューティングゲーム。2015年にPlayStation 4、Xbox One、PCに向けて発売された。

同じEAの『バトルフィールド』や『コールオブデューティ』のようなチーム制のガンシューティングゲームなんだが、この手のゲームはキャラクターの視点にカメラを置く、一人称視点で戦うFPSか、キャラクターの背後にカメラを置く三人称視点で戦うTPSのいずれかに分けられるが、このゲームでは一人称視点、三人称視点どちらか好きな方をプレイヤーが選択することができる珍しい作りとなっている。

少しシリーズを紐解くと、2012年にディズニーにルーカスフィルムが買収される前からPlayStation2やXbox、PCに向けて『スター・ウォーズ バトルフロント』シリーズが展開され、このときから一人称視点、三人称視点の切り替えが実装されていた。一人称視点、三人称視点視点ではゲームのバランスを取る上で難しいところもあるが、あえて採用しているのははキャラクターゲームとしての側面が非常に強いスター・ウォーズゲームならではといったところ。

このときはパンデミックスタジオ、ルーカスアーツが開発、EAが販売を手掛けていた。

今はSteamで発売中:https://store.steampowered.com/app/2446550/STAR_WARS_Battlefront_Classic_Collection/?l=japanese

 

PlayStation 3、Xbox 360の時代から『バトルフロント3』、いわゆる続編の期待が高まってきていたのだが、ルーカスフィルムの買収の連鎖からゲーム部門のルーカスアーツの閉鎖によって中止となった。

動画サイトも黎明期で、開発中とされる映像がいくつか見られたが、噂によると地上戦と宇宙船の切り替えが導入されていたり、ストーリーモードもイフストーリーとしてアナキン、オビ=ワンがドゥークー伯爵に倒された後の話が作られていたとか様々な情報が飛び交っていた。

 

『スター・ウォーズ』ファンの間でも新ハードのスペックで作られる新たな『バトルフロント』シリーズの新作は期待されていただけにショックは大きく、何としてでも続きを見たいという声が強かった。

これに応じて開発、発売されたのがDICE版『スター・ウォーズ バトルフロント』だった。よくEA版と言われるが、昔からEAの流通網で販売されていあのでそれもEA版と言えなくもないのでちゃんと開発会社で表記したい。

 

DICEと言えば『バトルフィールド』シリーズを手掛けている会社なので、この手のチーム制のシューターゲームを手掛けるのであればプロ中のプロ。『バトルフィールド』には戦車や戦闘機も多数出てくるのでそのあたりのバランス調整やゲームとしての作り方も理解できている。餅は餅屋的な考えでの起用だったのだろう。

ゲームは5つのコントロールポイントを奪い合いながら相手よりも優位な状況を形成するものから、ルーク・スカイウォーカー、ハン・ソロ、レイア、ダース・ベイダー、皇帝パルパティーン、ボバ・フェットといったアイコニックなキャラクターを互いが操作して戦う「ヒーローVSヴィラン」。そしてX-ウィングファイターやTIEファイターといった戦闘機で戦い合うモードまである「スター・ウォーズ大乱闘」ともいうべき無いようなものになっている。

 

ただ、残念なことに前作にあたるのか微妙なところだがルーカスアーツ版『バトルフロントⅡ』では『エピソードⅠ』から『エピソードⅢ』のプリクエル・トリロジーに登場していたダース・モールやジャンゴ・フェット、メイス・ウィンドウがいたのにたいしてヒーローやヴィランはオリジナルトリロジーに限定されていたためボリューム不足感が否めないプレイヤーもいたこと。

どうでもいいけど、インストール待機中には「反乱軍のクズどもを一掃せよ!」というとんでもミッションが始まる!

 

僕としては後述するDICE版『バトルフロントⅡ』より断然こちらのほうが好きだ。

理由はこのゲームのテーマにある。パッケージの裏面には「夢に見たあの『STAR WARS』の戦いに飛び込もう」とあり、CMでは『スター・ウォーズ』で育った人物がこのゲームにコンバートされて戦うといった内容で作られていて、発売まではかなりワクワクしたものだった。

多人数でのバトルにおいてダース・ベイダーやルークのようなヒーロー・ヴィランユニットをプレイするには条件があるのだが、マップ上に堕ちているヒーロー・ヴィランユニットアイコンを取るだけで数秒の時間を使って切り替える事ができた(切替時に他プレイヤーに殺されることもあるので切り替え時には周囲に敵がいないことを確認するしか無い!)。

手軽でかつ最も公平だったので割とカジュアルに楽しめた。

TIEファイター相手にミレニアム・ファルコンで無双。逆ならスレーブⅠでX-ウィングファイターを撃墜しまくれるのも楽しかった。特に素晴らしいのが拡張コンテンツのデス・スター攻防戦で、帝国軍目線、反乱軍目線でそれぞれプレイできるだけでなくルークのレッド5でプロトン魚雷をぶち込むシークエンスを追体験できるほか、逆にベイダーのTIEアドバンスドX-1で阻止するついでに雑魚狩りができるという楽しみもあってこの手のゲームではかなり個人ランキング上位にきている。

 

このゲームはストーリー性が薄いことが評価に影響している。というのも帝国軍の残党を追い詰め、壊滅させた最後の戦い「ジャクーの戦い」をテーマにしたジャクーのマップが収録されている割にはこのあたりのストーリーがまるでないところ。ただユーザーがマップの上で戦うだけなので味気なさだけが残る(それになぜか死んだベイダーや皇帝、ボバ・フェットまでやってくるから余計にね・・・)。このジャクーの戦いだけでもストーリーを用意できていれば評価は全然違っていたと思う。

 

2016年には『ローグ・ワン』の公開に合わせてデス・スターの設計図を奪取する目的の「スカリフの戦い」が追加された。加えてPlayStation版のみPlayStationVR対応のX-ウィングファイターに乗船して戦う「VRミッション」が追加された。

ふざけんな!

残念なことに自分の環境ではEAアカウントにサインインできないことから遊べなくなってしまっている。「サインイン」する場所がないのにどーしろっていうんだよ。これはどうにかしてほしいもんだがなんだよ・・・

ちなみに超余談だが、このゲームを原作にした『バトルフロント: トワイライトカンパニー』(アレクサンダー・フリード:著、出版社:デルレイ)という小説が発表されている。もちろん日本では発売も翻訳もされていない。

Amazon:https://amzn.to/4gncyNk

Steam:https://store.steampowered.com/app/1237980/STAR_WARS/?l=japanese

ジャンル: マルチプレイヤー・アクションシューティングゲーム

対応機種: PlayStation 4、Xbox One、Steam

開発元: EA Digital Illusions CE

発売元: エレクトロニック・アーツ

発売日:2015年11月19日

 

 

■『スター・ウォーズ バトルフロントⅡ』(2017)

 

『スター・ウォーズ バトルフロントⅡ』は2017年にPlayStation 4、Xbox One、Steamで発売されたマルチプレイヤー・アクションシューティングゲーム。開発は前作と同じEA Digital Illusions CE(DICE)、発売はEA。

 

今作はストーリーモードの追加やプリクエル・トリロジーそして『エピソード7 フォースの覚醒』や『エピソード8 最後のジェダイ』の要素が追加されるようになった。プロモーションビデオではヨーダと相まみえるダース・モールの様子が出て大興奮ものだったのだが、発売当初はいわゆる課金でのガチャ要素が問題視されて大荒れに荒れた。

先に前作と比較した大きな違いについて話すと、前作は大変カジュアルな作りのゲームで一般兵のユニットキャラクター、ベイダーやルークのようなアイコニックなユニークキャラクターはそれぞれ固有の武器やスキルで戦うだけのシンプルなものだった。

これについて自由度が低いなどの意見があり、これに大幅な手入れをして一般兵からユニークキャラクターにスキルや武器変更(ユニークキャラクターはスキル装備のみ)、レベルアップなどいわゆるロードアウトを追加した。

このロードアウトやレベルアップのシステムに批判が集まったのだ。

装備やキャラクターのカスタマイズに関わるところがゲーム内マネーを使ってのランダム入手という日本ではすっかりおなじみのガチャ要素が強く、肝心のヒーロー・ヴィランも入手(という開放)難度が高い上に育成もままならないという状況で皮肉にも第1作目の「夢に見たあの『STAR WARS』の戦いに飛び込もう」とは真逆で、ただただ自分にとって楽しいゲームをするために前準備をひたすら続けるという苦行に近いものになっていた。

ガチャ要素に関してなぜここまで海外の嫌悪感が高かったのかと言うと端的に「Pay to Win」金払いで勝ってしまうという要素を嫌うからだ。ゲームは購入した以上対等に戦うのが筋であって、そこからさらにお金をかける。それがキャラクターの育成や装備、武器の強さが影響するならそれは勝利に直結するではないか。ということで至極真っ当だ。この声の大きさにEAも対応を行って普通のゲームというのはなんだが、プレイヤーのプレイに応じた成長、スキル育成・開放ができるようになった。

ガチャで手に入れないと当時は手に入らなかった衣装・・・

そういった背景があったからか、このゲームの後に公開された『ハン・ソロ』や『エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』などの追加コンテンツは全て無料アップデートという形で提供されることになり、現在は良作になったと評価されている。

コスプレと揶揄されたハン・ソロ

ストーリーモードは『エピソード6 ジェダイの帰還』の後を描いた作品となっており、主人公は帝国の将校を父に持つアイデン・ヴェルシオという女性のエリート兵が主人公。内容はエンドアの戦いでシールドジェネレーターの破壊任務を遂行中の反乱軍を背後から攻撃して阻止するミッション中に第2デス・スターの爆発を見届けるという『スター・ウォーズ』スピンオフ作品群史上最低最悪な間抜けの幕開けから始まる(最高に笑えるからプレイしてみてほしい!)。その後、皇帝の遺言から帝国存続のためにバックアップとして用意してある作戦「シンダー作戦」を実行するように命じられ、これを遂行していくというもの。

アイデン・ヴェルシオの日本語吹き替えを演じたのは志田有彩さん。『ザ・スーパーマリオブラザーズ ムービー』ではピーチ姫を演じたが、そんな彼女はかなりのFPSゲーマーらしい。

ゲームではアイデン以外にもルークやハン・ソロなどを操作して物語を楽しんでいくのだが、あくまでヒーローユニットの操作を学ぶチュートリアル的な側面が強い。ただ、この物語の終わりは『エピソード8 最後のジェダイ』へと繋がる終わり方となっており、一応映画とのシンクロが取られるとように作っていたのは良かった。

さらに、前作では完全に取ってつけただけの設定となってしまった「ジャクーの戦い」もこのゲームでストーリーが用意されたため、一応帝国軍の終焉を見届けることもできる。

 

色々とゲーム業界の問題を凝縮したような事件もあったが現在は楽しく遊べるゲームへと生まれ変わっているので気になれば遊んでみてほしいものだ。

Amazon:https://amzn.to/3ZlhZ9z

Steam:https://store.steampowered.com/app/1237950/STAR_WARS__II/?l=japanese

ジャンル: マルチプレイヤー・アクションシューティングゲーム

対応機種: PlayStation 4、Xbox One、Steam

開発元: EA Digital Illusions CE

発売元: エレクトロニック・アーツ

発売日:2017年11月14日

 

 

次回以降も書いていくので支援をお願いします。

 

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