『第28回東京国際映画祭』ラインナップ発表会 報告レポート

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10月22日(木)~10月31日(土)で開催の第28回東京国際映画祭に先駆け、本日、六本木アカデミーヒルズ タワーホールにてラインナップ発表会が行われた。

開催まで遂に1ヶ月を切った第28回東京国際映画祭。会期中、総合司会を務める羽鳥慎一アナウンサー、西尾由佳理アナウンサーを迎え、各部門のラインナップや見所を紹介、さらに今回フェスティバルナビゲーターを務める季葉、野村雅夫の二人が登壇し、映画祭をさらに楽しむことのできる各種イベントの魅力を伝えた。

また、86カ国、1409本もの応募の中から厳選なる審査を通過したコンペティション部門にて、見事作品がノミネートされた 3名の日本人監督に加え、作品に出演する竹内結子とブライアリー・ロングも登壇。また、オープニングイベントではオープニング作品『ザ・ウォーク』のロバート・ゼメキス監督、クロージング作品『起終点駅 ターミナル』からは佐藤浩市、本田翼の参加も予定しており、映画祭を訪れる新たな豪華ゲストなども発表され、更なる盛り上がりに期待が高まる。

■日時:9月29日(火)13:00~
■会場:六本木アカデミーヒルズ 49F タワーホール
■司会:羽鳥慎一アナウンサー、西尾由佳理アナウンサー
■登壇者:椎名保(東京国際映画祭 ディレクター・ジェネラル)
矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門 プログラミング・ディレクター)
石坂健治(アジアの未来 プログラミング・ディレクター)
季葉(映画祭オフィシャルナビゲーター)
野村雅夫(映画祭オフィシャルナビゲーター)
■ゲスト:竹内結子(『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』主演)
ブライアリー・ロング(『さようなら』主演)
小栗康平監督(コンペティション部門ノミネート『FOUJITA』)
中村義洋監督(コンペティション部門ノミネート『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』)
深田晃司監督(コンペティション部門ノミネート『さようなら』)
 

【第28回東京国際映画祭 ディレクター・ジェネラル 椎名保コメント】
本日このように記者会見が開けますのも支えて頂いております皆様のお陰だと思っております。本日は盛りだくさんの発表を致しますが、私からはひとつだけ大きなニュースを発表させて頂きます。比類なき感性で常に時代を切り拓き続けている人の実績を称える「SAMURAI(サムライ)賞」です。今年は、山田洋次監督、ジョン・ウー監督の両氏に贈らせて頂きます。SAMURAI(サムライ)賞の授賞式は 10月26日「東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト」にて開催致します。また、ジョン・ウー監督には10月25日にスペシャルトークにご登壇頂きます。

【竹内結子(『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』主演)コメント】
(始まって早々に配役が決まっても全然脚本を読んでくれなかった経緯を暴露され)最終的には読みましたよ!(笑)最初、企画書を渡された時、その表紙に『手元に置いておきたくない』って書いてあって。こんなに私、怖いものが嫌いだったんだ、って思わせるような内容だったんです。(色々と脚本を読むチャンスはあったが)いよいよ撮影が始まるぞ、という時に事務所の明るい場所で、大勢の人がたくさんいるところでようやく読んだんです。撮影のときは、毎日、一刻も早く家に帰りたかった(笑)。撮影場所も、倉庫とか、不穏な空気の流れるロケセットとかばかりなんですよ。早く家に帰って、なんなら、塩でも撒いておきたいくらいでしたね。まだ本編を観ていないのですが、試写の時は、心してかかりたいな、と。 中村監督と仕事をする時はいつも役作りをしないように言われるので、今回も、なるべく何も考えないようにしました。セリフを言う時も、できれば独り言のような感じ、と指示されましたね。(今回、コンペで主演女優賞を競う事になるのですが?)私は、「映画祭」というくらいだから、是非いろんな人にお祭りとして楽しんでもらいたいなと思っています。(賞の結果よりも)レッドカーペットでドレスを着て、転ばないかが心配ですね(笑)。

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【ブライアリー・ロング(『さようなら』主演)コメント】
撮影前に深田監督と一緒に福島に行きました。原発によって非難している方々とお会いできて、彼らの気持ちが印象的で、心動かされました。それまではフィクションとはいえ、原発を一つのテーマとした作品に出演することに大きな責任を感じました。果たして、彼らの(原発で非難している方たち)状況を完全に理解できるとは思いませんが、想像力によって彼らに近づけたと思いました。私のデビューは東京国際映画祭なので、本当に私を育ててくださり深く感謝しております。こちらに呼んで頂き本当に嬉しく思っております。

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【小栗康平監督『FOUJITA』コメント】
東京国際映画祭には今回が初めての参加です。年齢的にはかなり上なんですが(笑)。(この映画では 1940 年代のパリに生きた画家・藤田嗣治をオダギリジョーさんが演じているのですが)、2015 年の現代に生きる我々の中に何を問いかけてくるのか、そんな事を意識しました。(オダギリジョーさんの起用の理由と実際に仕事をしてみての印象は?)とてもよかったですよ。犬(小栗監督)と猫(オダギリ)の関係っていうんですかね、実際の藤田がそうだったように、猫の様な、ナヨっとした感じとか、独特な身体感覚が似ているな、と思って。これが手掛かりでした。オダギリさんは、一般的な俳優と違って、「監督がよければ結構」という感じで任せてくれるスタイルなんです。「自然」や「共演者」に対して、“無限に”任せるという感覚が、この映画を豊かにしてくれていると思います。(今回、コンペで賞を競う事になるのですが?)作った人同士が競う訳じゃないんですけどね(笑)。みなさんが、どんな風に見て下さるのかな、と期待を持ち続けるだけですよ。

【深田晃司監督『さようなら』コメント】
この映画は完成してまだ 2 か月も経っていないのに、こうやって見出してくださったのは大変うれしく思います。この作品は、(良い意味で)原作がとても余白のある内容だったので、連想ゲームみたいにいろいろと膨らま
していく感覚でした。とてもやりやすかった。以前、(主演の)ブライアリーさんとは 2012 年に一緒に作品(TIFF にも出品)を作りました。以前と変わったのは、より自分が作りたい作品を作るには、どうしたら良いのか(二人で)もっと考えるようになった事。(今回、コンペで賞を競う事になるのですが?)競うといってもスポーツみたいな世界じゃない。審査員さんとのご縁やタイミングもあると思いますね。どういう風に観てくれるのかな、というのが楽しみです。

【中村義洋監督『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋ー』コメント】
東京国際映画祭は初めてで、いろいろな映画を観て楽しみたいです。ホラー映画を撮っていると怖いものに慣れてくるのですが、それでも、原作(著・小野不由美)は読んでいても本当で読むのをやめたくなるくらいでした。コンペティションの審査員の方々が怖くて見れなかったら、元も子もないですよね(笑)

【片岡愛之助『歌舞伎座スペシャルナイト』映像コメント】
「今回ご覧頂く、歌舞伎舞踊『雨の五郎』は、春雨の中、遊女・化粧坂少将(けわいざかのしょうしょう)の恋文を手に廓へ通う五郎の色気とカラミとの豪快な立ち廻りが見どころです。さらに見得を切るようなザ・歌舞伎という場面もある歌舞伎らしい華やかさが満載です。歌舞伎も映画同様娯楽です。見たことのない映画、新作映画には興味を持って劇場へ足を運ばれるように、歌舞伎にもこの東京国際映画祭プレゼンツ歌舞伎座スペシャルナイトをきっかけに足をお運びいただければ本望です」映画『虎の尾を踏む男達』は歌舞伎の演目(『勧進帳』)が題材に選ばれていますので、歌舞伎俳優としてはうれしい作品です。映画の題材にするということは当時はそれだけ多くの人が『勧進帳』を知っていたということですのでそれがうれしく思います。検閲に引っかかりましたが、GHQ の方々のご尽力で、歌舞伎と同様に復活できた歴史を持つ作品が、戦後 70 年目の節目に歌舞伎座で上映されることにはご縁を感じます。『雨の五郎』とともにぜひ楽しんでいただければと思います。

フェスティバル・ナビゲーターのコメント

【季葉(きわ)コメント】
私も映画を観ることが大好きなので(ナビゲーターを務めることを)とても嬉しく思っています。この機会にぜひ大勢の方に東京国際映画祭に足を運んで頂けるよう、野村さんと共に映画祭をアピールできればと思っております。よろしくお願いします。

【野村雅夫(のむらまさお)コメント】
僕も大の映画ファンなので、こういった機会を与えて頂いたこと大変光栄に思っておりますし、多くの方に東京国際映画祭に馴染みを持って頂けるように精進して参ります。よろしくお願い致します。多くの方においで頂きたいので、是非巻き込んでいくような仕事ができればと思っております。個人的には、寺山修司が大好きで、大きなスクリーンで寺山作品をもう一度見れるというのは、新作だけではない映画祭の楽しみ方だと思います。

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『第 28 回東京国際映画祭』
開催期間:10 月 22 日(木)~10 月 31 日(土)
会場:六本木ヒルズ(港区)、新宿バルト 9、新宿ピカデリー、TOHO シネマズ 新宿 他
オフィシャル HP:http://www.tiff-jp.net
併設マーケット:TIFFCOM2015 10 月 20 日(火)~10 月 22 日(木)
チケット発売 :10月10日(土)よりticket boardにて発売開始!

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