第29回 『2012』

小宮山雄飛の東京DVDライフ 第29回 『2012』komiyama_a.jpg
文章/小宮山雄飛
画/黒木裕貴



今回のDVDは、2012年に人類が滅亡するという古代マヤ人の言い伝えを元に作られた

『2012』

おそらく映画会社としたら、2012年という近くもあり遠くもあるこの時期が、映画の一番の『売り』なんでしょうね。
(公開は2009年11月20日)

だって「3000年に人類は滅亡する!」とか言われても、誰も観ないっしょ?
「そうなんじゃん?」くらいの反応ですよ、きっと。

逆にあまりに近すぎて「2010年春には滅亡する」とかって言っても、DVD化される前に結果出ちゃったらね「滅亡しなかったじゃねーか!」って、DVDが全然売れないでしょ。

映画会社としては、とりあえず映画公開して、DVDにもなって、テレビ放映もして、得れるだけの収益は全部得て、100円レンタルのコーナー(あるいは1枚1000円の販売コーナー)に置かれ始めたくらいの時期に「あ、滅亡しませんでしたね、それはそれで良かったね人類!」となるのが良いわけですね。

そう考えると、2012年というのは、2009年に映画化するのに時期的にちょうど良かった。というのが映画会社がこの題材を映画化した一番の理由ではないかと思うのです。

僕はSFやパニックムービーというジャンルをほとんど観ないので、正直この映画がそれらのジャンルの中でどのくらいに位置する作品なのか、全然分からないのですが、街が崩壊していくシーンとかはすごかったですね。

いや、ほんとこれがパニックムービー界でどのくらいなのか分からないので、相対的には分からないですよ。
「アルマゲドンの方が全然すごいぞ!」
とか
「ディープ・インパクトの方が良かった!」
とか
もしかしたらそういうのもあるかもしれませんが、なにしろ僕はパニック童貞でしたから、純粋に「すげーなこの映像!」と驚きを通り越して、大笑いしながら見てました。

9.11のテロがあり、さらに地震など災害が多発してる現代において、街や建物が崩壊する映像というのは、ちょっと不謹慎というかあんま喜んじゃいけないような空気があるでしょ。
でもこの映画は、あまりにすごい規模で災害が起こるもんで、もうこれ笑っちゃっていいですよね?って、こちらも気兼ねなく笑いながら観れるんですね。
そこがこの映画のすごいとこだと思います。
とてつもない規模で災害を起こすことで、小さな社会意識や罪悪感をすっかり取り除いてくれる。

まあ、それが映画論として良いかどうかは分かりませんが。

主人公達がサンタモニカで地割れから車で逃げるシーンとかね、もう「あり得ね~~!」の連発。
というか地割れから逃げるという発想自体がすごいでしょ、地割れってどっからどう割れるか分からないはずなのに、見事に地面が割れてく前を車で逃げて、その後ろをトレマーズみたいに地割れが追ってくる訳です。
あからさまに主人公達にめがけて地面が割れて行くわけですよ、そしてその主人公達だけは逃げ切り、その後ろでそれ以外の住民全員ががんがん地割れに飲み込まれて行く。
あまりにみんな飲み込まれてくもんだから、もうどうでも良くなってくるわけです、こっちは、麻痺していく。
ゲームの画面を見てるような感じ、全くリアリティはそこにないという。

最初、字幕で観てたんですけどね、途中から吹き替えにしちゃいましたからね。
「あ、この映画べつにストーリーとかセリフとか、そういうのどうでもいいんだな。だったら吹き替えで気楽に観よう」って感じで。

そんな感じなので、賛否両論というか、これどうなのよ?っていう意見もあると思うのですが、僕は童貞として楽しめましたね。

にしても2012年に人類が滅びるんだったらね、2011年の地デジ化とか、無理してやることなくないっすか?
あと2022年にW杯を日本に呼ぼうとかね、もう意味ないですから、日本とか無いですからその時点で。

そう考えると、この不況で未来に希望も何も無い人達に、ぜひ観て欲しい映画ですね。

大丈夫!
2012年には人類みんな終わるんだから!
それまで、発泡酒でも飲んで、楽しくやりましょう!



小宮山雄飛(ホフディラン)

ミュージシャン
1973年8月14日生まれ

1996 年「スマイル」でホフディランのVo&Keyとしてデビュー。「遠距離恋愛は続く」「恋はいつも幻のように」「欲望」「極楽はどこだ」など、ヒッ
ト曲を多発し、FUJI ROCK FESTIVALへの参
加、日本武道館でのワンマンライブを成功させるなど、ライブでも活躍。日本のポップシーンにおいて根強い人気を誇る。デビュー以
来、シングル19枚、アルバム9枚(ベスト盤含む)をリリー スしている。

絶賛発売中のニューアルバム『ブランニューピース』(DVD付き初回限定盤)に収録されている『恋人たち』『ニューピース』のPVでは、自ら監督を務めるなど、多才な一面を持つ。2009年7月3日に渋谷C.C.Lemonホールにて、デビュー13周年記念ライブを行い、その模様を収録し
たライブDVD『13年の金曜日』においても監督を務め、ライブCDとともに同時リ リース、絶賛発売中!
2010年7月3日には、新曲『マナマナ』の発売とともに、SHIBUYA-AXにて『14年の土曜日』を開催し大成功!
この夏は、ROCK IN JAPAN FES.2010、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in
EZOをはじめ、各地フェス出演で大忙し!

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黒木裕貴(クロキユタカ)

イラストレーター・映像作家
バンド活動のかたわら、CDジャケットや映像制作をしているうちに
独特な世界観が好評となり、バンドを解散して独立。
現在ではアートディレクションやデザインも務める。
趣味は音楽と料理。

2010年11月には”Galleryやさしい予感”にて
初の個展を開催予定。

作品や活動情報はHP、blogにて公開中!
http://www.kurokiyutaka.com/
http://blog.kurokiyutaka.com/

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