映画レビュー 『ゲットバック』

先般公開された『エクスペンダブルズ2』のメガホンを取ったサイモン・ウェスト監督と『エクスペンダブルズ3』の出演が決定したニコラス・ケイジが『コン・エアー』以来15年ぶりにタッグを組んだクライム・アクション。

銀行強盗で8年間のムショ暮らしを送ったウィル(ニコラス・ケイジ)は、出所後すぐに娘アリソン(サミ・ゲイル)に会いに行き、自身が変わったことを伝えようとするが、愛想を尽かされて立ち去ってしまう。その直後、かつての強盗仲間の女ライリー(マリン・アッカーマン)と再会している最中に「娘を拉致した」という脅迫電話が入る。相手は、かつての強盗仲間であったヴィンセント(ジョシュ・ルーカス)で、銀行強盗の際に清掃員を殴りつけるヴィンセントを止めに入ったウィルのおかげで拳銃が暴発し、右足を切断するハメになったことを恨み、ウィルに復讐しようとしていたのであった。ヴィンセントは「娘を返して欲しければ犯行後に失った1000万ドル12時間以内に渡せ」と要求。だが、ウィルは犯行後に1000万ドルを焼却したため、身代金調達のために新たな銀行強盗を画策しつつもヴィンセントを追跡する……。
『エクスペンダブルズ2』でド派手なアクションを描き切ったサイモン監督。だが、本作ではド派手な演出はないものの、ウィルのタクシー暴走によるカーチェイスシーンでの豪快な車大横転シーン、ウィルの荒々しい暴れっぷり、クライマックスのウィルとヴィンセントとの壮絶なバトル&娘アリランの絶体絶命のピンチからの救出作戦といった見所がしっかりと用意されているのはよろしい。

また、冒頭から約10分程度まで観られる8年前のウィルらの犯行シーンと新たなる犯行シーンは、中々手の込んだやり口で興味深い上にクライム・サスペンスならではの面白味がしっかりと感じられる。

ジョシュ・ルーカスの悪役も実にハマっており、ドラマを面白く昇華させているので、その極悪ぶりも印象深い。

アクションや犯罪だけでなく、娘アリランの誘拐事件を通じて最終的には親子の絆を再生させるドラマでもある。

とにかく本作は、大作を手懸ける監督と大作に出演する大スターによるB級アクションだ。だから、肩の力を抜いて気軽に楽しんでいただきたい!

レビュアー:佐々木貴之

『ゲットバック』
11月10日(土)より新宿ミラノ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国ロードショー
配給:日活
(C)2012 MEDAL PRODUCTIONS, INC.
http://getback-movie.com/

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