映画レビュー 『シャドー・チェイサー』

スペインのマドリードで大規模ロケを敢行したサスペンス・アクション。監督はマブルク・エル・メクリで、主演は『スーパーマン』の再起動版とも言える『マン・オブ・スティール』の主役に抜擢されたヘンリー・カヴィル。脇をブルース・ウィリス、シガニー・ウィーバーというベテランスターが固める。
青年ウィル(ヘンリー・カヴィル)は家族とバカンスを過ごすべくサンフランシスコからスペインにやってきた。彼は、大使館関係者である父マーティン(ブルース・ウィリス)と久々に再会し、翌日には母ローリー、弟ジョシュとその彼女ダラとクルージングに参加するが、自身のミスでダラに負傷させてしまう。気まずくなって街へ買い物に出かけたウィルがクルーザーに戻ると、何故か家族は姿を消していた。家族が何者かに拉致されたと思ったウィルは地元警察に捜索を依頼するが、浜辺で警官に襲撃され、そこをマーティンに救出される。マーティンは家族が武装集団に拉致されたことと同時に、大使館関係の仕事とは別にCIAの特別な部門で仕事をしている事実をウィルに打ち明けるが、その直後にマーティンは暗殺者による凶弾に倒れてしまう。やがて、ウィルは自分と家族が機密情報の入ったブリーフケースをめぐる国際的陰謀に巻き込まれたことを知るのであった……。
主人公ウィルは格闘技に長けているといったような超人的なヒーローではなく、ごく普通の青年。そんな彼が警察や大使館もあてにならないという最悪状況の中、家族を救出するべくマドリードの街を突っ走りながら奮闘する姿を描く。

ド派手なアクション演出ではないが、銃撃戦、カーチェイスは存分に堪能できる。また、ヘンリー・カヴィルの身体を張ったアクションも見モノで、危険度が高い上にスリルを感じさせるため、観る者をヒヤヒヤさせること間違いなし。クライマックスの夜の街を舞台にしたカーチェイスは、車と車のクラッシュ、車が豪快に横転するといった見応え抜群の出来栄えだ。

ブルース・ウィリス、シガニー・ウィーバーの活躍ぶりも要注目だ。ブルース・ウィリスは前半でフェードアウトしてしまうため、ファンにとっては残念だと思えがちだが、格闘シーンを披露するといったアクションスターとしての存在をアピールできていたのでよろしい。シガニー・ウィーバーは悪役を演じるのは本作が初であり、ウィルを追い込むだけでなく、一般市民にも容赦なく射殺するという冷徹な悪役をクールなイメージで好演している。

大御所が脇を固めているにも関わらず、こぢんまりとしたB級サスペンス・アクションだ。

映画レビュー 『シャドー・チェイサー』
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(C) Fr?a Luz del D?a, A.I.E. 2011. Artwork ? 2012 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

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