映画レビュー　製作期間15年！男たちの情熱が、この映画を作り上げた！SF映画『惑星戦記ナイデ二オン』

1996年、独・パナセンサー社で数々の映画の特殊効果に携わったジャック・モイクは、「スターウォーズ」「ブレードランナー」等のSF映画へのオマージュとなる映画を作りたいと自力で制作を開始。やがて評判を聞きつけた多くのアマチュアスタッフが集結。そして15年の歳月を掛け、壮大なるスペース・サーガが遂に完成した。

A.D.2630 年、宇宙の主権をめぐり、サイコン帝國は連合軍と戦っていた。57年間にも及ぶ戦闘で死者は120億人にも上っていた。リック・ウォーカーはかつてサイコン最強の戦闘機パイロットであったが、幾度の戦闘に疲れ、フリーの運び屋になっていた。
ある日、シンシアという謎の女性を、秘密裏に行われる和平交渉の会議へ送り届ける任務を要請される。自らを特命大使と名乗るシンシアは、和平交渉会議を様々な妨害から守る極秘任務を与えられていたのだった。
航行中に受けた奇襲攻撃により、辺境の惑星ナイデ二オンに不時着。ふたりの暗殺命令を受けた追手から逃げながら、果たしてその任務を遂行することはできるのだろうか？！

上記キャスト及びスタッフリストをご覧になれば分かるとうり、この映画はジャック・モイクなる人物のひとり舞台。
主演女優シンシア役のアネッテ・シュミーゲルまで彼の妻ときている！　ジャック・モイクは1967年、ドイツ、マールブルク近郊に生まれる。16歳の時にこの「ナイデ二オン」の元になる脚本を書き上げ、その後、パナセンサー社で「MOON44」や「ネバーエンディング・ストーリー」などの特殊効果に携わり、映像製作のスペシャリストとなり遂に本作の製作に着手、ミニチュアセットを使った特撮にこだわった。
2007年からマグナマナ社の子会社マグナマナFXを率いている。本作の見どころはなんといっても製作に15年もかけたミニチュアによる宇宙空間での戦闘シーン。CGが主流のFX界において、このこだわりがこの映画の重要なポイントなんである。今宵はレイ・ハリーハウゼンの「地球へ２千万マイル」でも久しぶりにみようかな（笑）

レビュアー：JJ堀尾

『惑星戦記ナイデ二オン』
12月10日より池袋シネマ・ロサにて緊急レイトショー
CAST
ジャック・モイク／アネット・シュミーデル／マルコス・コウテラス
アクセル・メルテス／アンドレアス・コンザック
STAFF
監督・原案・音楽：ジャック・モイク
製作総指揮：キャスパー・アーンホールド
製作：ジャック・モイク、アレクサンダー・E・レーダー、フランク・フォクト
撮影：アレクサンダー・E・レーダー、エディ・アレンス、ジャック・モイク他
編集：ジャック・モイク、キャスパー・アーンホールド、フランク・フォクト
VFX：フランク・フォクト、トーマス・クライバー他
2010年/ドイツ映画/カラー/ビスタ/89分/原題：NYDENION
配給：ジョリー・ロジャー
提供：ミッドシップ、チャンスイン