【STORY】
2293年、人類は不老不死の社会を実現。特権階級の永遠人〈エターナルズ〉たちは、外界から隔絶された透明ドーム、〈ボルテックス〉の中で平和で優雅な毎日を過ごしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立、それを神と崇める撲滅戦士〈エクスターミネーターズ〉たちを操り、荒廃した外界に棲む獣人〈ブルータルズ〉たちの搾取と殺戮を続けている。だがある日、撲滅戦士のリーダー、ゼッド(ショーン・コネリー)は、着陸したザルドスの口内に身を隠し、ドーム内に潜入した。ザルドス=神の忠実な下僕だったはずのゼッドの目的とは一体?
【以下プレスリリース文掲載】
ジョン・ブアマン監督、ショーン・コネリー主演による SF 映画史上屈指の問題作、『未来惑星ザルドス』が、初公開から約半世紀をへて 11 月 4 日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開されます。この度、本篇のプロローグ 100 秒を、10/22(土)から公開前日の 11/3(木)まで、期間限定公開いたします。
「~内容の方が、たいがいのスタジオに持っていっても断られそうな、過激なものとなってしまった。」
……ブアマン監督が著したノベライズ日本語訳の「前書き」から抜粋
『未来惑星ザルドス』は、ブアマン監督が脚本を書き上げた時点で自ら認めているように、“過激”な内容になった。完成作品もそれに従って過激=非常に難解なものとなり、試写を観た 20 世紀フォックス社の首脳陣は頭を抱えたという。ブアマンはフォックス側の反応を受け、冒頭に作品内容の理解を促すプロローグを付けることにした。このプロローグは、登場人物の一人、アーサー・フレイン(ナイオール・バギー)が、あたかも魔術ショーの司会者が観客に語りかけるような【口上】の形式を取っている。青い頭巾を被り、鼻の下にはマジックで書いたようなちょびヒゲ、アゴにも謎の文様を記したアーサーが、怪しい微笑を浮かべ、暗闇の中を漂いながら語り始めるー。
「私はアーサー・フレイン、そしてザルドス。300 年も生きたから、もう死にたい。だが私は死ねない・・・不死なのだ。これからの物語は神秘と陰謀だけでなく、皮肉と諷刺に満ちている。近い未来の話と思ってもらいたい。ありうる話だ。私のようにならぬよう気をつけるんだ。ここで私は偽の神を演じている。本職は手品師だった。いや魔術師かな。そして狂言回しだ。登場人物を自在に操ってみせる。だが、この私も諸君を楽しますための道具さ。諸君だって誰かに造られたんだ。土のちりからだよ。映画の神様かな?」アーサーは自身が“ザルドス”であると語り、“不死”の存在で、“偽の神を演じている”と語る。そして“狂言回し”である自分は、観客を楽しませるただの“道具”だと明かす。そして観客に向かい、“諸君だって誰かに造られたんだ。土のちりからだよ”と問いかけ、そこに“神”の存在をほのめかして 100 秒のプロローグは締め括られる。作品否定派からは駄作、意味不明と言われ続けている『ザルドス』だが、このプロローグで語られることの意味を考えながら、続く本篇を鑑賞すれば、作者ブアマンが作品に込めたテーマや真の意図が、より理解しやすくなるに違いない。
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