『ノマドランド』を日本のノマド先駆者・渡鳥ジョニー氏と、映画ライター・よしひろまさみち氏が語る!

 

【STORY】

企業の倒産とともに、長年住み慣れた企業城下町の住処を失った女性、ファーン。彼女の選択は、一台の車に亡き夫との思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。毎日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく…

大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに、実在のノマドたちとともに新しい時代を生き抜く希望を、広大な西部の自然の中で発見するロードムービー。

 

 

 

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンは、今年度のアカデミー賞®3部門をはじめとした世界中の賞レースを席巻した『ノマドランド』のブルーレイ+DVDセットを 2021年6月23日(水) に発売いたしました。
この発売を記念して、日本における「バンライフ」の先駆者であり、主人公ファーンのようなノマド生活の体験者 渡鳥ジョニー氏と、映画ライター よしひろまさみち氏との対談が実現!
映画の魅力についてはもちろん、映画を見て感じた理想のライフスタイルなどについて語っていただきました。

“ホームレス”ではなく、“ハウスレス”そして“ホームフル”。
ファーンと背景は全く違うものの、バンライフという点は共通する渡鳥氏は、

特に主人公ファーンの「ホームレスではなく、ハウスレスよ」という言葉にとても共感したという。

ノマド生活を始めた彼女が、道中で出会った過去の教え子に「ホームレスなの?」と聞かれた時に答える印象的なシーンだ。

 

また、「“ハウスレス”だけど、“ホームフル”なんです」と語る渡鳥氏は、「ハウスは“建物”、ホームは“心の拠り所”である」と言い、

バンライフを始めたときから“ホームフル”だと思っていたという。

「僕のバンライフも孤独で生きる訳ではなく、色々な人がいる場所で暮らし、その上でプライベート空間も確保しながら、

行きたいところへ行く。居場所としてのホームが様々な土地に出来ていって、それを主人公のファーンに重ねて見ていた」そうだ。

 

映画の最初のシーンでは、自身の状況をまだ受け入れ切れておらず、

ホームレスという言葉をただ強く否定するように“ハウスレス”と返していたファーンだったが、

ノマド生活を通してその素晴らしさを体験することで、“こういう生き方も在る”という答えに辿り着く。

本作は家を失うことについてネガティブには描いていない。

この展開に関して、渡鳥氏も「自分の中で消化しきれていなかった“ハウスレス”を、最終的に自ら選択した流れはとても面白かった」と、

本作の気に入ったポイントとして挙げている。

 

 

みんなが違って、みんないい。それぞれの生き方を肯定してくれる映画。

「最初は、中高年の貧困映画で喪失感を描いた作品だと思っていました」という渡鳥氏。

しかし本作を鑑賞後は「ただの貧困を描いた作品ではない、ポジティブな印象を抱いた」そうだ。

これこそ本作のテーマであり、プロデュースも手掛けた主演俳優フランシス・マクドーマンドが原作に惚れ込んだポイント。

ノマドの人々はそれぞれに抱えていることが異なり、問題も多々あるが、いずれにしても「みんな違って、みんないい」のが特徴なのだ。

 

一方で、渡鳥氏はアメリカと日本ではノマド生活の認識に違いがあることを指摘している。

「いま流行っているようなバンライフは、いわゆる“絶景”や“(インスタ)映え”を起点に広がった部分が大きいと思うが、本作は違う。

美しい自然をポイントにしている点では共通しているものの、描かれる暮らしや背景は同じではなかった」。

日本のノマドライフは、あくまで「自分らしく生きるための選択」だが、本作は「不可抗力によってなってしまった生き方を受容する」物語。

彼らの生き方や環境を肯定し、何よりも「彼らが幸せであること」を切り取ったことが、本作が唯一無二の作品である所以だろう。

 

 

日本人にこそ見て欲しい作品。

どのような人にこの『ノマドランド』を見てほしいか尋ねると、「日本人」との答え。なぜか?

日本人だって建物の「ハウス」よりも、「ホームフル」を大切にしているはずだということ。

そして、実際の日本でも、誰がいつファーンになってもおかしくない状況はあるということだ。

「多くの人はこの映画を見てリアリティを感じないかもしれない。ただそれは、“感じたくない”だけのかもしれません。

映画にも“時間を無駄にするな”とか“自分を信じろ”というメッセージがありますが、それに蓋をしているのが現代人かもしれない。

でも、ここ最近の生活で感じる喪失感や孤独などを振り返って考えてみると、とてもファーンに共感できると思います」。

 

自分が存在すべき“ホーム”を探し様々な土地を柔軟に移りゆく本作のノマドたちは、その解決策の指標になるのではないだろうか。

渡鳥氏もおおいに共感したという、ファーンの愛車「ヴァンガード(=先駆者)」や「ノマドは開拓者である」というセリフなど、

映画に散りばめられたメッセージにも、それが示されている。

 

日本において、ノマドライフはまだポピュラーとはいえないし、本作に出演しているノマドの生き方を全肯定する人も多くないかもしれない。

だが、定住地を持たない暮らしは、自分らしい生活を送るための選択肢としての存在感は増している。

それは渡鳥氏が語ってくれた「ハウスレスだがホームフル」という言葉に象徴されるように、

QOLを考えるうえで重要なポイントが含まれるからだろう。少ないセリフのなか、ミニマルライフだが豊かな暮らしをする喜びを読み取ってほしい。

 

<スタッフ>
監督・脚本・編集・制作:クロエ・ジャオ
製作:フランシス・マクドーマンド、ピーター・スピアーズ、モリー・アッシャー、ダン・ジャンヴィー
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
原作:ジェシカ・ブルーダー

 

<キャスト> ( )内は日本版声優
ファーン:フランシス・マクドーマンド (塩田 朋子)
デイブ:デヴィッド・ストラザーン (原 康義)
リンダ・メイ:リンダ・メイ(谷 育子)
スワンキー:シャーリーン・スワンキー(宮沢 きよこ)
ボブ・ウェルズ:ボブ・ウェルズ (玉野井 直樹)

 

ファーン役:フランシス・マクドーマンド

夫に先立たれ、住んでいた炭鉱町までも封鎖され、人生の全てを失うが、ノマドたちとの出会いの中で次第に力を取り戻し、新しい人生を見つけていく。
1957年、アメリカ、イリノイ州生まれ。「ミシシッピー・バーニング」(88)、「あの頃ペニー・レインと」(00)、「スタンドアップ」(05)でアカデミー賞®にノミネートされ、「ファーゴ」(96)と『スリー・ビルボード』(17)で同賞を受賞する。今後の出演作には、サーチライト・ピクチャーズ配給、ウェス・アンダーソン監督の『The French Dispatch』(21・原題)、A 24製作、ジョエル・コーエン監督、デンゼル・ワシントン共演の『Macbeth』(原題)がある。

 

デイブ役:デヴィッド・ストラザーン

ファーンと出会う、ノマドの1人。
「グッドナイト&グッドラック」(05)でベネチア国際映画祭・男優賞受賞、アカデミー賞®、ゴールデングローブ賞ノミネート。その他「ボーン・アルティメイタム」(07)、「リンカーン」(12)、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(19)など多数出演。

 

監督:クロエ・ジャオ

1982年生まれ。北京と、その後イギリスのブライトンで育つ。アメリカ移住後、マウント・ホールヨーク・カレッジで政治学を、ニューヨーク大学で映画制作を学ぶ。脚本家、監督、プロデューサーを務めた最初の長編映画「Songs My Brothers Taught Me」(15・原題)は、2015年のサンダンス映画祭でプレミア上映される。続く長編2 作目「ザ・ライダー」(17)は、2017 年のカンヌ国際映画祭監督週間でプレミア上映され、アート・シネマ賞を獲得した。待機作に、マーベル・スタジオの『エターナルズ』(21・原題)がある。

 

 

■商品データ <発売日:2021年6月23日(水)>
<ブルーレイ+DVDセット> ※データは変更になる場合がございます。

 

ノマドランド(NOMADLAND)/ ノマドランド ブルーレイ+DVDセット

4,950円(税込)/ 2枚組 (ブルーレイ1枚、DVD1枚)
VWBS7217 / 4959 241 78042 3

© 2021 20th Century Studios.
ボーナス・コンテンツ
(ブルーレイ、デジタル配信(購入)に収録)
●ノマドという生き方 ●監督とキャストへのインタビュー
●未公開シーン ・食事の途中で… ・神様からの贈り物

コメント

タイトルとURLをコピーしました