映画『ウルフズ・コール』:フランスの元外交官が、映画監督になってしまった! 「外交官をやめたのは映画を作りたかったから」 監督インタビュー到着!

【STORY】

フランス軍の潜水艦で、並み外れた聴覚を活かし「黄金の耳」と呼ばれる特殊分析官として従事するシャンテレッド。それは僅かに聞こえる音から敵の動向を探る重要なポジション。しかしシリアでの潜航任務中、彼は怪しげな音に気づくも識別に失敗し、その判断ミスから甚大な危機を招いてしまう。彼の耳を惑わせたのはまるで“狼の歌(呼び声)”のような正体不明のソナー音。やがて再びその音が聞こえたとき、シャンテレッドは人類滅亡の危機を賭けた決断を迫られる。

 

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

昨年開催された『フランス映画祭2019』で公開され、喝さいを浴びた映画『ウルフズ・コール』。

“黄金の耳”と呼ばれる人並み外れた聴覚を活かし、フランス海軍原子力潜水艦の分析官として従事するシャンテレッド。ある日、シリアでの潜航任務にて彼の判断ミスから危機を招いてしまうが、その際に彼の耳を惑わせたのはこれまでの記録になく、正体不明のまるで“狼の歌”のようなソナー音を放つ艦艇だった。任務後、秘密裏に“狼の歌”の解析に挑むシャンテレッドを尻目に、再び現れた“狼の歌”からフランスへ向けミサイルが放たれたとの情報が・・・それが本当であれば世界大戦をも免れない危機的事態だが、果たして。本国アカデミー賞(セザール賞)3部門ノミネート、1部門受賞(音響賞)の、“フランス発潜水艦ムービー”が、遂に日本で公開されました!

 

この度、本作の監督・脚本を務めた、アントナン・ボードリー監督の、オフィシャルインタビューが到着しました!

 

 

フランス軍の潜水艦・チタン号に乗船する、特殊分析官・シャンテレッドの奮闘が映し出されていく本作。“黄金の耳”と呼ばれる人並み外れた聴覚を持つシャンテレッドは、僅かな音を探知する分析官として潜水艦に乗り込み、危機を乗り越えるべく奮闘していく姿映し出せていたきます。

 

本作で監督・脚本を取るのは、元外交官・コミック作家という特異な経歴をもつ、アントナン・ボードリーが務めている。

長編映画の監督デビュー作となる本作で、何故潜水艦を題材にした作品制作したのか。また見所などを余すことなく語ってくれた。

 

  • 元外交官でコミック作家という経歴で、何故映画を制作しようと思ったのですか?

外交官をやめたのは映画を作りたかったからで、『ウルフズ・コール』は僕の中から生まれた作品です。フランス屈指のプロデューサーに会いに行き、自分がどうしたいかを伝えました。作品のイメージ、物語、登場人物、そして音をね。彼は一言も口を挟まずに、丁寧に僕の話を聞いてくれた。ものすごく力のこもったひとときでした。最後に彼は目を細めて、色々考えているのがわかりました。そして脚本を書くように言われました。それがスタートだったんです

 

  • 潜水艦のストーリーをどこから思いついたのですか?

手垢のついていない、目に見えない謎めいた世界が好きで、潜水艦は生き物のようです。配備中の実際の潜水艦の中で撮影を行ったのですが、潜水艦で数日間過ごした時には、畏敬の念を抱きました。まるでクジラの中にいるような感じです。クルーはお互いのことを知り尽くしていて、社会の縮図のようだけど、外の世界で人々を隔てている宗教、政治、人種というものがここには存在しない。大切なのは、結束、勇気、そして力を合わせて行動できるかどうかだけだったんです。潜水艦という小宇宙では日々の営みのすべてが深刻になる。他人への信頼、権威との関係、決断、直感を信じること、そして兆候の分析。それがすべて生死をわける問いにつながっていく。潜水艦の世界は詩的で、だからこそ映画的です。包み込むようで、冷酷で、安心感があり、根源的だ。いわば原子的な状態だと思います。

 

  • 配備中の潜水艦での撮影では、フランス海軍から何か注意事項はありましたか?

たったひとつ注意を受けました。“フランスの潜水艦を危険にさらすような情報を出してはいけない”ということでした。ただこういった情報は、ほとんど数字に関するもので、僕はそういった情報に興味がなかったので、まったく問題が起きませんでした。

 

  • 本作で伝えたいメッセージとは?

我々は規律や規範のある組織の中で暮らしているけど、僕が惹かれるのは、個々の人間の組織との向き合い方と、人生のある段階で下す決断です。乗組員は70日もの間ずっと外に出ることなく海中で仲間たちと過ごします。私生活は家族に限定されることが多いですが。その環境の中で、登場人物ひとりひとりがそれぞれ抱えている葛藤を見せたかったんです。この作品は、それぞれの決断についての映画なんです。個々の登場人物にジレンマや大きな疑問の生まれる瞬間がある。僕にとって、それが映画の中心部分なんです。

 

 

 

 

【CAST & STAFF】

監督・脚本:アントナン・ボードリー /出演:フランソワ・シヴィル、オマール・シー、マチュー・カソヴィッツ、レダ・カテブ

2019年:フランス/115分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:Le Chant du loup/フランスほか/字幕翻訳:大城哲郎/配給:クロックワークス/

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